鈴木 歩 さん(43)
遠回りをしたけれど続けて良かった
受験回数 | 6回 |
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出身大学 | 帝京大学 法学部 |
受講講座 | 2016年パーフェクトローラー合格フルパック 2015年パーフェクトローラー合格ライトパック 2014年実践力PowerUp合格パック |
司法書士を目指したきっかけ・理由
私は大学卒業後に入社した会社で在宅医療・福祉の部門に所属して直接的に人の人生や生活の手助けをして、責任は重いですが素晴らしい経験をしました。その後10年近くは病院やDr.を担当する部門に所属していましたが、年を経るにつれて「また直接的に人の手助けができる仕事をしたい」という思いが強くなっていって、その思いが第二の人生を歩む決断をするきかっけになりました。そして、司法書士の方が身近にいたことが大きく影響しているのですが、司法書士の仕事も直接的に人の人生や生活の手助けができますし、一方では会社と違って一生できる職業であることに気づいたことが司法書士を目指した理由です。
LECを選んだ理由と講座を選んだ理由
私は受験生活を始めるにあたって、仲間でありライバルでもあるクラスメイトがいた方が刺激にもなると思い、通学で生講義の講座がある予備校であることを大前提に各予備校の講義内容、講義量、受講料、講師の印象、交通費等を比較検討してLECを選び、それが根本正次講師の新全日制本科講座を選んだ理由でもあります。そして、1年目の受験後2年ほど間をあけて4年目から再びLECにお世話になることにしました。理由は1年目に受講したときに講座やカリキュラムへの不満はなかったからです。4年目は1年目の受験後2年ほど本格的な勉強ができていなかったので、1年目に根本講師から学んだ知識をより確実にするためにも違う角度から勉強しようと思い、「理由付け」にこだわる勉強の実践力PowerUp講座を通学で受講しました。5年目と6年目は「残すは応用力と横断整理」だと感じていたので、通信で根本講師のパーフェクトローラー講座を受講しました。
新全日制本科講座の感想
新全日制本科講座は専業受験生に特化した講座ですので講義数・講義時間ともに非常に多いのですが、その分全ての論点に時間をかけて講義が進んでいくので講義についていけないということはありませんでした。また、2日に1度のペースで講義があるので嫌でも常に勉強をする環境になりました。
カリキュラムの良かった点
新全日制本科講座はインプットは年内に、記述式対策とアウトプットは年明けにそれぞれ特化して行うので、あれもこれも手を出すことなくやるべきことがはっきりする良いカリキュラムだったと感じています。年明けのアウトプットでの講座は過去問を使った講座があり強制的に過去問を回すことにもなったので「過去問をやらなきゃ」という不安も解消されました。また、インプットで理解できていない論点の把握をすることもできました。
実践力PowerUp講座・パーフェクトローラー講座の良かった点
実践力PowerUp講座はインプットの回数が新全日制本科講座の3分の1程度しかない講座ですが、その分今まで学んだ知識の理解と定着に注力することができました。テキストについてはブレークスルーに比べて合格に必要な知識がより絞り込まれて記載されていて、かつ、ワンポイント解説、発展論点も多く記載されているので効率良く勉強することができました。
また、パーフェクトローラー講座はさらにインプット回数が少なくなりますが、応用力を身に着けることと横断整理の力を付けることが目的でしたのでインプットが少ないと感じることはありませんでした。テキストについては図表がふんだんに記載されているので、今まで学んだ知識を絵として覚えることができました。また、横断整理も図表として記載されているので横断整理の苦手感がなくなりました。さらに、民法については条文ごとに論点が記載されているテキストの構成でしたので六法を開くことなく勉強ができたことも良かったです。
思い出に残っている講座
私は記述問題を解く時間がかかる方だったので、合格年度になって初めて記述式のみの答練講座を受講することにしました。受講した講座は精撰答練は2問を100分と、演習時間を短めにして負荷をかけて解く形になっています。受講してみて、私は論点を読み取る力が問題によってバラついていて、また、雛型を完璧に覚えていないものが多くあって効率よく解けていないことが分かりました。そして「追加で受講したんだから無駄にしてはいけない」という気持ちも良い効果になったのだと思いますが、「ただ解いて解答合わせをして終わり」ではなく、間違えた理由や論点を読み取れなかった理由、時間切れになってしまった理由をしっかり考えて、さらに「今後同じ間違いをしないようにするには何をすべきなのか」ということまでも考えるようになり、記述式問題に取り組む意識を変えることができました。
答練の良かった点・学習への役立て方
答練は出題範囲が限定されて、かつ、科目ごとに解く[実力養成編]と、本試験のように全範囲でが対象で、かつ、複数科目を解く[ファイナル編]の2種類があります。[実力養成編]では全科目を3か月で1回しすることができ、[ファイナル編]では全科目を2週間で1回しするすることができるので、模試と本試験に向けて自然と勉強のペースを上げていくことができました。そして私は知識が定着していない頃は問題と対峙することで精撰答練問題を再度解くことはしませんでした。
通学していて根本講師のここが良かった
受験1年目に新全日制本科講座を受講した時は渋谷駅前本校への通学で、講師は根本講師でした。根本講師は時期ごとの勉強計画を示して下さり、勉強すべきところとしなくてよいところをはっきりと指摘して下さり、論点の解説には小噺や寸劇を交えて分かり易いように説明して下さり、法律を堅苦しくなく勉強できるような環境を作って下さいました。根本講師にはしつこいくらい質問をしましたが時間の許す限り丁寧に答えて下さり、その熱い気持ちが私のやる気につながって、潰れそうな気持ちも支えることができました。
通信受講していて根本講師のここが良かった
受験5・6年目は根本講師のパーフェクトローラー講座を通信で受講しました。新全日制本科講座の時と変わらぬ根本講師が画面越しにいらっしゃって、懐かしさを感じると同時に生講義で体感したあの熱い気持ちが思い起こされて「必ず合格するぞ!」という気持ちになりました。そして、新全日制本科講座の時よりも講師が厳しかったことが緊張感を保つことにもつながりました。
模試の良かった点・学習への役立て方
模試は答練とは違って本試験と同じ時間割が組まれているので本試験と同様の集中力を必要としました。また、今までの勉強の成果を確認する最後の機会でもあったので緊張もしました。あとは答練の時と同様に、午後の部については本試験で予定する択一と不登法の記述と商登法の記述それぞれの時間配分から10分ずつ短い時間で解くことを心掛けるようにして、午前の部については単純にアウトプットの1つとして位置付けました。それと、解答を間違えた肢については赤鉛筆で、解答は合っていたけれど理由付けがあやふやだったり間違えていた肢については青鉛筆で、それぞれテキストにマークをしたり書き込みをして、それをテキストの読み込み時に合わせて読んで覚えるようにして、模試問題を再度解くことはしませんでした。
通学のメリット
通学で良いところは、仲間でありライバルでもあるクラスメイトがいるところです。私の場合は、勉強の話をすればお互いに気持ちが分かるので励まし励まされて精神的に楽になり、勉強とは無関係な話をすれば単純に気分転換になって、心のバランスをうまく保つことができました。あとは、講師とじかに接することができるところです。分からないことがあれば講義後に講師に質問をしてすぐに解決させることができますし、悩み事がれば相談をすることもできますし、一人で悩んでモヤモヤする無駄な時間を作らずに勉強を進めていくことができました。
通信講座のメリット・デメリット
通信で良いところは自分のペースで学習ができるところです。例えば、講義を聴く時間を増やしたり減らしたり、受講のときに講義内容を理解するために何度も聴き返したり、講義内容を理解する時間を作るために講義を一旦停止したり、ということが自由にできました。そして、通学のときに感じた「講義を受けない回があったときの中抜け感やペースを取り戻すのが大変になる」ということがないので、「講義を受けに行かなければ」という強迫観念にとらわれることがありませんでした。一方で、通信は「すべて自分次第」の学習になるので、自分自身を律することが必要になるところは大変かもしれません。あとは、講師とじかに接することがないので、分からないところがあったときや悩み事があるときに、それを解決させるのに時間がかかってしまうところが辛いところかもしれません。
家庭と勉強の両立のコツ
私は受験当初から専業受験生でした。基本的に家から出ない生活だったこともあったのと家族に何か感謝の気持ちを表したいという思いもあったので、料理以外の家事をやりました。家事をすることで多少なりとも息抜きになりましたし、少しは家族を楽にさせてあげることができたとも感じています。あとは、受験中も家族に「感謝」の気持ちを伝えることが大切だと感じました。私が「自分が1番大変で、自分が1番合格したいんだ」という気持ちでいる一方で、周りの家族は私が思う何倍も何十倍も気を遣っていて、そして合格を強く願ってくれていました。ですので、ご家族がいらっしゃる方は「負担をかけてごめん」と謝るよりは、「いつもありがとう。お陰で頑張れるよ」と感謝の気持ちを伝える方が、ご家族の気持ちも軽くなって家庭の雰囲気も明るくなるのではないかと思います。
これから司法書士試験合格を目指す方へのアドバイス
私は一発合格を目指して勤めていた会社を辞めて専業受験生になりました。ですが、学んだことを消化しきれず、やるべきこともやりきれず、本試験も散々な結果で一発合格することはできませんでした。その後は気持ちの面でも金銭的な面でも同じ環境を続ける余裕がなかったので、2年ほど独学のような期間を過ごしました。そして、4年目から再びLECで講座を受けて本格的に勉強を再開して、6年目に合格することができました。5年目の不合格のときには「これだけ勉強をしても合格できないんだったら、一体いつ合格できるんだろう」と弱音を言ったこともありました。それでも踏ん張って勉強を続けました。私はだいぶ遠回りをしましたが、諦めずに勉強を続けた結果「合格」という目標にたどり着くことができました。「合格」という目標にたどり着くための方法もスピードも人それぞれです。ゆっくりでも遠回りでも歩み続ければ、また、立ち止まってしまったとしても再び歩み始めれば「合格」という目標にたどり着くことがでるはずです。皆さんも諦めずに歩み続け、また、再び歩み始めて「合格」という目標にたどり着いてください。