高嶋 潤平 さん(32)一発合格
覚悟を決めて一発合格
受験回数 | 1回 |
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出身大学 | 同志社大学 法学部 |
受講講座 | 2014年新15ヵ月合格コース<春生> |
司法書士を目指した理由・きっかけ
約6年間、某メーカー系システム会社のシステムエンジニアとして働いていました。その後会社を辞めて、試験勉強を始めました。会社員はどうしても会社中心の生活になってしまいます。長時間残業、休日出勤等、会社の方針に振り回されて生きていた私にとって、独立向きの資格である「司法書士」はとても魅力的に見えました。恥ずかしながら、きっかけはその程度でした。
LECを選んだ理由、および講座を選んだ理由
大手予備校で、毎年沢山の合格者を輩出しているという理由からLECを選びました。講座を申し込む前に、ガイダンスを聞きに行ったのですが、その時の担当講師が森山先生でした。お話を聞いていて、フィーリングが合うと感じたので、そのまま森山先生を選びました。もちろん、他の先生の講義も見せて頂いた上で最終的に判断しました。
新15ヵ月合格コースについて
インプット講座の1年間が本当に長かったです。序盤は復習量が少なく、それなりにヤル気もあるので、それほど苦痛を感じなかったのですが、不動産登記法の後半辺りから徐々に辛くなってきました。「不動産登記法が終わったら、勉強範囲の半分が終わるのだから、それまでは辛くても頑張ろう」と何とか気持ちを盛り上げて、不動産登記法を終わらせても、その後に控えている会社法、商業登記法が今まで以上に大きな山に思えました。何回山を越えればゴールが見えるのか分からない、それでも淡々と講義が進行していく中でもう辛いとか苦しいとかを通り越して、笑いが込み上げてきました。とにかく講義についていくだけで精一杯の1年でした。
担当講師について
私がこの講座を受講して良かったと思うのは、運よく自分に合った先生に出会えたことだと思っています。インプット講義だけでも3時間×130回ありますから、まず講義を最後まで受け切ることが大変です。その時間が苦痛にならないためにも講師の選択というのはとても大事なことだと思います。森山先生の講義はとにかく分かりやすく、一般的に難しいとされている箇所でもスムーズに理解できました。かなり緻密に計算された講義で、受講生が躓くであろうポイントは質問が出ないよう丁寧に何度も説明して下さるので、Webで受講していた私でも最後まで安心して受講することができました。事実、130回の講義の中で一度も質問したことはありませんし、「理解」という部分で苦しんだ記憶は皆無に等しいです。
ブレークスルーテキストについて
講義の中で先生がマーカーした箇所を中心に読み込みました。かなり細かいことまで載せているテキストなので、隅々まで読む必要はないと思います。
通信講座の利用方法、メリット・デメリット
通信講座はモチベーションの維持やペースメイキングが難しいというデメリットばかりピックアップされがちですが、気持ちの持ち方、取り組み方次第で、そのデメリットは補えると思います。私の場合は、インプット講座の途中から始まる基礎答練をマイルストーンとして、それまでに答練の出題範囲の学習を終わらせるというルールを決めることによりペースを保ち、毎回「30点以上得点する」という目標を設定することによりモチベーションの維持を図っていました。それよりも、時間、場所、受講回数に制限が無いというメリットの方が、私にとって大きかったです。私は、家や自習室など静かな環境で只々テキストを開いて勉強するということが苦手(眠たくなってしまいます)なので、適度に雑音のある喫茶店などに出掛けて勉強していました。最近の喫茶店は大体どこでもWi-Fiに接続できる環境が用意されているので、外にいながらも講義を受けることができます。また、Web上に講義の音声データがアップロードされているので、それをスマートフォンにダウンロードしておけば、歩きながらでも、ご飯を食べながらでも、トイレに行っている間でも、お風呂に入っている間でも勉強できました。そういった自由度の高さのおかげで、飽き性な私でも長丁場の受験勉強を最後までやり切ることができたのだと思います。
試験勉強の取組み姿勢について
とにかく勉強量が多く、辛い受験勉強だと思います。早い段階で自分の特性を理解し、自分なりの勉強方法を確立することで、少しでも能動的かつ効率的に勉強できるシステムを作ってください。それが出来れば、後はそれを回すだけです。
この点については、人それぞれに合ったやり方があると思いますので、私の勉強法を披露しても意味は無いと思います。ただし、勉強に取り組む姿勢という点で気を付けていたことがありますので、以下、少し書かせて頂きたいと思います。
- 「記憶」を意識すること
- 講義の内容を理解できたとしても、最終的にそれを「記憶」していなければ試験対策としては無意味です。講義の内容をなんとなく理解し、テキストにマーカーを入れて、過去問やれば勉強終了・・・にしてはいけません。先生が講義で説明した知識を「記憶」して下さい。「記憶」をするためには、単純に情報に接する回数を増やす必要があります。よって、そのための時間の確保は必須です。ただし、漫然と情報に接するのではなく、必ず一度は「思い出そう」と試みるステップを入れれば、効果はさらに上がります。最初はなかなか骨の折れる作業なのですが、私の場合は、これを何度か繰り返すことによって、知識が頭に定着したと感じています。
- 基礎答練をサボらないこと
- 基礎答練は自分の実力を確認するために有効なものです。しかし、基礎答練はそれだけのものではなく、モチベーションの維持や復習のキッカケになります。よって、ただ漫然と受けるのではなく、それまでに出題範囲の復習が終わるように勉強計画を立てたり、目標点数を定めてモチベーションを高めるなど、効果的に利用することをおススメします。そうすれば、自然と実力がついてくると思います。
- 先生の言うことを素直に受け入れること
- 先生は試験対策のプロなので、言うことは真に受けて下さい。短期合格を目指すのであれば、変に勘繰らない方が良いと思います。自分の勝手な考えで手を広げるのは危険です。この試験は手を広げるとキリがありません。上級講座の受講生と比較すれば、知識量という面で明らかに劣っていると思うかもしれませんが、大切なのは知識量ではなく、知識の「精度の高さ」と「深い理解」です。先生が予め合格するために「必要最低限の知識」を絞り込んでくれているので、それをしっかり理解し、確実に「記憶」することで、合格するための力はつきます。
- 直前期の答練・公開模試の結果を気にしないこと、復習しないこと
- 全ての講義が終了した後に、各予備校の本格的な答練、公開模試が始まります。直前期の答練・公開模試はかなり難しいです。私が初めて公開模試を受けた時は、知らない知識のオンパレードに愕然としました。「こんなに勉強してもこの程度しか得点できないなんて・・・、自分の知識量では合格できないのではないか」と落ち込みまくりました。そういう体験をすると、ついつい「あれもこれも」勉強しなければならないのではないかと考えてしまいます。しかし、そんなマイナーな論点は正解できなくても合格できますので、あまり気にしないで下さい。直前期の答練や公開模試は、おそらく試験上級者向けに作られているので、自分がこれまで勉強したことがない知識が出てきたとしても復習する必要はありません。そんなことよりもこれまで講座で学んできた知識の精撰答練・公開模試にどのように接するかですが、主に「時間配分の練習」と「試験特有の緊張感に慣れる」ために受けるものだと思っていて差し支えないと思います。結果については、「良ければ喜ぶし、悪ければ気にしない」で良いと思います。言いすぎかもしれませんが、「おみくじ」みたいなものだと思っても良いかもしれません。以上、私が試験勉強に取り組む姿勢という点で気を付けていたことです。
これから司法書士試験合格を目指す方へ
最後に合格者の特権でエラそうなことを言いますが(「合格したら体験記にエラそうなことを書く」というのが受験生時代の夢だったので)、一度試験合格を目指すと決めたら、「覚悟」を決めて勉強して下さい。逆に「覚悟」を決められないのであれば、この試験を目指さない方が賢明です。
勉強を始めれば分かると思いますが、司法書士試験の試験勉強は相当シンドイです。合格する気で勉強すれば正真正銘の「勉強漬け」の生活になります。よって、試験勉強が長期化すればするほど人生において色々なものを犠牲にします。だからこそ早く決着をつけるべきで、短期間に集中して勉強できるのであれば、そうするべきです。そういう意味では兼業でやるよりは、専業でやる方が良いのかなと思ったりもします。ただし、それは専業で勉強することが許される環境にある人限定の話です。そのあたりはご家族とよく話し合って決めて下さい。
私の場合は、理解ある妻、両親のおかげで、15カ月間専業受験生をやらせて頂きました。この歳で仕事を辞めて試験勉強に専念するなんてことは、社会通念に照らせば極めて非常識だったと思いますが、周りに支えられて最高の結果を得ることができました。応援してくれている人がいるというのは勉強を続けていく上でとても励みになりました。本当に感謝です。
これから司法書士試験合格を目指す方、すでに目指している方、色々辛いことはあると思いますが、合格したら全て良い思い出になります。それまではめげずに頑張って下さい!