M・S さん(32)短期合格
司法書士を目指す過程で学んだ多くのこと
受験回数 | 3回 |
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出身大学 | 慶應義塾大学 法学部政治学科 |
受講講座 | 2012年新15ヵ月合格コース<春生> 2013年名古屋オリジナル中級コース 2014年名古屋オリジナル中級アウトプットコース |
保有資格 | 宅建、行政書士 |
司法書士を目指した理由・きっかけ
私はトリマーをしていましたが、ひどい手荒れと腰痛に悩まされていました。トリマーは体力勝負の部分も大きかったので、このまま年齢を重ねたときに続けていけるか不安に思い、転職を考えました。
司法書士を選んだ理由は、世間知らずな私でも、法律を勉強すれば人の役に立てると思ったからです。大学の法学部を卒業していたため、それを活かせるとも思いました。誰でも受験資格があると知り、頑張ればすぐに合格できると簡単に考えていました。受験回数を重ねていくうちに、その考えが甘かったと反省することになります。
LECを選んだ理由、および講座を選んだ理由
早く合格したかったので、迷わず予備校の利用を考えました。LEC初学者向け講座担当の中山先生は、働きながら短期合格された先生とのことで、その合理的方法を学びたいと思いました。さらに合格のためには、豊富な本試験のデータをもとにした的確な教材を入手できる予備校が理想だったので、歴史も実績もある大手であれば間違いないと思い、すぐに受講を決めました。
新15ヵ月合格コースについて
私は通学クラスを選択しましたが、当初クラスメートは全員ライバルだと思っていました。一発合格者は毎年クラスに1〜2人程度と聞いていたからです。講義中も、自習室でも、頑張るライバル達の背中を見るたびに私も刺激を受け、かなりモチベーションが高く維持されました。
大学の法学部卒といっても政治学科なので、法律科目についての知識はゼロに等しい状況でした。講義は身近に感じられる民法から始まり、そこで法律の勉強の仕方を学ぶことができたので、拒否感なくその先の学習を進められました。不登法や商登法などはこれまで触れたことのない独特なものでしたが、徐々に理解できました。もし独学で勉強していたら、難しかったと思います。カリキュラムは無理なく合理的に構成されていました。
ブレークスルーテキストについて
ブレークスルーテキストについては、暗記すべき部分、理解すべき部分、省く部分、と区別して教えられました。本試験の出題範囲はとても広いので、1年目の私にとって取捨選択は必須でした。その意味で、ブレークスルーテキストは情報量が多いといえますが、物語のような構成になっているため初学者でも内容が素直に理解でき、決して難解なものではないと思います。省いた部分には先例や判例も多く掲載されており、2年目以降の知識の補強にも十分使える素晴らしいテキストだと思います。
1年目の学習
1年目は、本試験を甘くみていたこともあり、知識を整理しきれないまま直前期に入ってしまいました。焦った私は、膨大なテキストを読むのを諦め、過去問をひたすら回しました。結果として断片的な知識が残り、本試験では、午前科目の実体法に対応することができませんでした。
最も役に立った学習経験者向け講座 名古屋オリジナル学習経験者コース
2年目には、科目ごとに実践力PowerUp講座(実践力)とパーフェクトローラー講座(パーロー)を選択して受講しました。
民法・刑法・憲法といった苦手な実体法は、横に知識を広げるよりも全体を体系的に理解し、ある程度の点数を絶対死守することを目標に、実践力を選択しました。講義がひと通り終わった後も音声ダウンロードのデータを繰り返し聴きました。
得意な不登法・商登法や、表で覚えたほうが効率良いと考えたその他科目は、パーローを選択しました。パーローは上級向けともいいますが、たしかに初見では、テキストに何が書いてあるのか読み解くところから始まり、大変な部分もありました。しかし、多くの知識が表の中に整理されているので、一度自分のものにしてしまえば強力な勉強ツールになりました。
2年目の本試験を終えて、暗記が不完全であったこと、直前期の勉強方法にブレが生じたこと、精神的に不安定な状況のまま試験に臨んでしまったこと、等の反省点がありました。これらをひとりで克服するのは難しいと思ったため、3年目は名古屋オリジナルの生講義を受講しました。記述主体の講義外の時間は択一対策に集中でき、さらに担当の伊藤先生は個人の成績動向を把握し、その都度、全般的に的確なアドバイスをくださったので、その年は初めて万全な体勢で本試験に臨むことができました。
LECの答練・公開模試について
答練は、その週の出題範囲のテキストを読んでから臨みました。さらに予習として、過去の答練問題を解きました。答練は学習経験者のテキストをもとに作られ、過去に既出の問題も多くあるので、3年目ともなると、これだけやれば高得点が取れるはずです。ほぼ正解することを目標に、間違えたところは大いに反省し復習することを目的として取組みました。
全国公開模擬試験が始まると、1日に午前科目と午後科目のテキストを両方読むようにしました。そして、過去の答練問題のテキスト未掲載部分を繰り返し解きました。公開模試は力試しの感覚で受けましたが、新作問題もよく出題されるので、肢レベルでしっかり復習しました。
全国スーパー公開模擬試験の時期には、テキストも何度か目を通したこととなり、それでも記憶に定着していない部分を紙に書き出しました。その紙の束は、公開模試が終わった超直前期の2週間に何度も読み返しました。
記述対策は、ひな形ノートを作り、テキストの内容・講師の話・答練問題等をどんどん書き込んでいきました。答練や公開模試の日に、移動の電車内でこのノートを毎回読んだので、本試験までに20回以上目を通したことになります。これは1年目からの習慣なのですが、不登法と商登法は、記述・択一ともに得意となりました。3年目の本試験の記述問題で、不登法の信託や事業用借地権、商登法の組織変更が出題され、かなり焦りました。このあたりは普段から軽視して読みとばしていた部分でしたが、継続して目にしていたため、とりあえずの形でもなんとか記憶を絞り出すことができました。
宅建・行政書士の学習について
2年目の本試験後に、行政書士の試験を受けました。行政書士試験には民法・憲法・商法が出題され、これらは苦手な科目だったので、司法書士の勉強をするつもりで学習しました。定義などを短文で表現する記述式の問題は、良い訓練になりました。肢を選ぶだけでなく、自分の言葉でアウトプットすることは難しく、より確かな知識を身に付けることを意識するようになりました。
3年目の本試験後は、宅建の試験を受けました。過去問10年分におけるテキスト未掲載部分をテキストに書き込み、そのテキストを読み込みました。「情報をひとつに集約し、それだけを繰り返し読み、頭に叩き込む」という手法は、司法書士試験勉強期間中に身に着けた、私にとって最も合理的で有効な勉強方法となりました。
これから司法書士試験合格を目指す方へ
受験を重ねるたびに問題点が浮かび、それを修正していくうちに私は合格することができました。人によってなにが足らず、なにが効果的かは異なると思いますが、やはり同じことを繰り返し覚えることが基本だと思います。暗記は退屈ですが、やみくもに時間や技術を要するものではないので、上手く自分の気持ちをコントロールしながら継続することにより、まさに力となることを実感できました。
不合格の年も、合格した今年も、司法書士試験は本当に難しいと痛感しました。ひとりで難しい部分は予備校を活用し、負担の軽減となればいいと思います。何年も同じことを頑張り続けるのはとても大変なことなので、自分に合った合理的方法を早く見つけ出し、短期合格を目指すことが得策です。
この講座がおすすめ
- 実践力PowerUp講座
- 私は特に実体法を苦手としていたのですが、読み物のように構成されたテキストは素直に読み進めることができました。知識をむやみに増やすのでなく、全体を体系的にしっかり理解することができ、得点アップにつながりました。担当の海野先生はかなり早口で、限られた時間に多くの情報を盛り込んでくれます。声や話の内容がとても聴きやすかったので、講義が終わった後も、細切れの時間を見つけては音声ダウンロードのデータを繰り返し聴きました。
- パーフェクトローラー講座
- パーフェクトローラーは上級者向けともいわれますが、たしかに初見では、テキストの表に何が書いてあるのか読み解くところから始まり、大変な部分もありました。しかし、多くの整理された知識が並べられているので、一度自分のものにしてしまえば、強力な勉強ツールとなりました。特に手続法は、似ている部分や異なる部分など、比較して暗記する作業も重要になってくるので、表を何度も見返すことにより視覚的に覚えることができました。
- 精撰答練[実力養成編]
- 答練には、その週の出題範囲のテキストをひと通り読んでから臨みました。さらに予習として、過去の答練問題を解きました。答練は学習経験者のテキストをもとに作られ、過去に既出の問題も多くあるので、しっかりやれば高得点が取れるはずです。ほぼ正解することを目標に、間違えたところは大いに反省ししっかり復習する機会にすることを目的として取組みました。こうして実力養成編を終える頃には、全範囲を一周することができ、自分の弱点を明らかにすることができました。
- 精撰答練[ファイナル編]
- ファイナル編は、隔週で午前科目と午後科目が出題されます。それまでとは違い、出題範囲のすべてを答練前の1週間に予習することは不可能となり、より実践に近い形式となりました。実力養成編から公開模試への過渡期に位置し、無理なく直前期の勉強方法へと移行できました。複数科目が同時に出題されることとなるので、ファイナル編で高得点を取ることは難しくなりますが、科目ごとの手応えを実感できる良い機会となりました。
- 全国公開模擬試験
- 全国公開模擬試験は本試験そのものの形式で行われます。これを予行演習として、朝食や昼食の取り方、休憩時間の過ごし方、お手洗いについてなど、本試験で実力を最大限発揮できるように対策を考えました。この時期には、1日に午前科目と午後科目の両方に触れるような勉強方法を心がけました。公開模試自体は力試しの感覚で受けましたが、新作問題もよく出題されるので、肢レベルでしっかり復習しました。足りない部分を穴埋めできる最後の機会となりました。