M・N さん(38)午前の部1位
合格までの道のりを振り返って
受験回数 | 4回 |
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受講講座 | 2014年精撰答練レギュラー記述強化パック |
保有資格 | 行政書士 |
司法書士を目指した理由・きっかけ
行政書士の勉強の延長線上で狙える資格だったからです。あとは、金融機関で働いていたときに司法書士の先生がよく来ていて、司法書士という存在を知っていたからです。
1回目の受験に向けて
某通信講座専門校の初学者向け講座を受講しました。そこを選んだ一番の理由は、価格が安かったこと。あと、行政書士講座を受講し合格できたことです。しかし、今となっては価格の安さに釣られて司法書士講座で実績のない会社の講座を選択したことを後悔しています。少なくとも「私」には、教材・演習・学習指導(不動産登記法・商業登記法記述式問題の解き方等)が不足していたと思うからです。
学習方法は、テキストを読み、こまめに六法で条文を確認し、テキストがある程度進んだら指示通りに添削課題を提出する。それと並行して学習し終わった範囲の過去問題集を解く。不動産登記法・商業登記法のテキストがある程度終わったら、雛形を暗記し記述問題集をやっていく。大体一日3〜5時間。週に6日勉強していました。
テキストを一周した後、もう一度テキストを読み、過去問題集・添削課題・記述問題集をやり初受験でした。本試験直前の4月からは一日7〜8時間勉強していました。
初受験の結果は、午前の部が基準点と同点、午後の部(多肢択一式)が基準点に3点不足、記述式は採点されずというものでした。
初受験までの学習方法で反省している点は、「深追い」し過ぎたことです。テキストを読んでいく中で分からないことが出てくる度に立ち止まっていました。最初は分からないことが出てきても、気にせず先に進む方がいいと思います。教材を一周することで解消する疑問が多いからです。
2回目の受験に向けて
初受験不合格後、同じ某通信講座専門の会社の追加の講座があったのでそれを受講しました。それは、アウトプットだけの講座だったので学習方法としては同じテキストを読み、過去問題集・記述問題集を解き、新しく送られてきた演習問題を解くというものでした。初受験で午後の部(多肢択一式)が基準点に達しなかったため、所謂マイナー科目の過去問題集を一冊(市販の物)買い足しました。
2回目の受験の結果は、午前の部・午後の部(多肢択一式)共に93点(31問)。午後の部(記述式問題)が、基準点に3点不足していたため不合格でした。
2回目の受験で多肢択一式問題に関しては点数が取れるようになったのは、テキストを繰り返し読み、こまめに六法で条文を確認し、過去問題集を繰り返し解いたからだと思います。あとは、「芋づる式に思い出す」ということをしていたからでしょうか。テキスト等に出てきた気になるワードから関連することを思い出し、それが合っているか確認する。民法のテキストを読みながら関連する部分の不動産登記法の書式や条文内容を思い出し、確認する。ただ確認するだけではなく、まず「思い出す」という点が良かったのかなと思います。あとは、過去問題集を解く際には問題文を途中まで読み解説内容を思い出す。問題文と結論だけ覚えてもあまり意味がないと思うからです。特に民法は、なぜそういう答えになるのかを理解することが大切だと思います。
他には、ブツブツ口に出しながら、動きを付けながら記憶する・思い出すというのも良かったのかもしれません。小芝居しながら記憶すると割と定着していた気がします。ただ、そういう勉強の仕方をしていたので、全テキスト・六法があり、一人になれる自分の部屋でしか集中して勉強することができず、すき間時間を有効に活用するというのが出来ませんでした。
3回目の受験に向けて
2回目の受験で不合格になった後は、新たな講座は受講せずに手元にある教材と不合格の原因となった記述のスピード強化を図るために買った市販の本とで勉強しました。基準点まであと3点位なら自力でなんとかなるだろうと、今思えば何とも愚かな考えでお金を惜しみ独学での勉強にしたのです。
3回目の受験結果は、前回同様午前の部・午後の部(多肢択一式)共に93点(31問)。午後の部(記述式問題)が、基準点に2点不足していたため不合格でした。
学習方法としては、基本的に前年同様だったので同様の結果になったのだと思います。記述の強化を自分なりに図ったつもりでしたが、本当に「つもり」だけだったのだと思います。
4回目の受験に向けて LECの答練を受講
3回目の受験で不合格になり、一年でたったの1点しか進歩しなかったことに愕然とし、このままではダメだと気付き、ようやくLECの講座を受講しました。
私は、とにかく記述を強化したかったので精撰答練をこなし、解説DVDを観て、復習するという日々でしたが、自分の記述式問題に対する認識の甘さ、弱点に気付くことができ、何より一番望んでいた本試験レベルの記述式問題を数多く解けることが嬉しかったです。
私は、記述式問題で点数が取れないのは、時間が足りないからで、知識不足ではないと思っていたのですが、知識が甘いから判断に時間が掛かり、結果書く時間がなくなるのだと学習しました。
全ての答練が終わった後は、全国公開模擬試験の間を縫いながら初学時からずっと使っているテキストを読み返し、過去問題集・LECの答練(特に記述問題)を復習しました。
4回目の受験結果は、午前の部102点(34問)、午後の部(多肢択一式)99点(33問)、午後の部(記述式問題)基準点を13点オーバーで合格することができました。
午前・午後とも多肢択一式の点数を伸ばすことができたのは、LECの答練により抜けていた知識を補充することができたからだと思います。
記述式問題に関しては、追加で受講した「答案構成用紙をほぼ使わない!根本の解法手順〜記述問題のスピードアップ術〜」のお陰ではないかと思っています。私は、答練でも本試験でも時間内に書き終わったことがなく、判断し終わって後は書くだけの状態で書いている途中で時間切れになっていました。答案構成用紙は完璧に作れているのに書く時間が無い状態です。少しでも時間短縮を図りたくて受講しました。答案構成用紙をほぼ使わないことで、書く方に時間を回せた結果、合格答案を作成することができたのだと思います。
最も役に立った学習経験者向け講座
精撰答練レギュラー記述強化パックに入っているアウトプット講座全てです。2回連続総合得点では合格点に達しているのに記述式問題で基準点に届かなかった私にとって、本試験レベル・記載量の記述式問題をとにかく数多く解けることが何より有難かったからです。色々なパターンの問題を解くことにより、新たな知識を吸収し、記述式問題を解くという技術的な手法を習得し、記載量の多い問題への耐性などを得ることができました。
本試験の場において緊張して手が震えながらでも合格答案を作成することができたのは、そのお陰だと思っています。
LECの答練・公開模試について
答練を解いたら、解説DVDを観て、間違えた問題だけでなく全ての問題を復習しました。少しでも気になることがあったら必ずテキスト・六法を確認し、それでも解決しないときは教えてチューターで質問していました。また、答練により新たに学習した知識・判例などがあったときは、テキストの余白に書き込んでいました。答練・公開模試は、アウトプット教材でもあり、インプット教材でもあると思います。
日頃は家で黙々と1人で勉強していましたが、全国公開模擬試験だけはLEC本校に行って受けました。本試験では毎回(特に午後)手が震えていたのですが、公開模試でも手が震えたときは自分でも驚きました。周りに人がいる状態で本試験のような雰囲気で公開模試を受けられてよかったと思います。
通信講座のメリット・デメリット
通信(解説DVD)で受講しました。メリットは、勉強する時間やペースが自由であるということです。デメリットは、司法書士受験仲間ができないこと、情報交換ができないことでした。
辛かったこと
冬は、夜中に勉強するのが辛かったです。部屋にエアコンがないので小さい電気ストーブをつけてマフラーを巻いてチャンチャンコを着て勉強していました。それでも、ほっぺたに霜焼けができていましたが。
これから司法書士試験合格を目指す方へ
司法書士試験の範囲は広いので、正直勉強は大変です。海野先生の言葉ですが、「苦しいことは早く終わらせろ」というのは本当だなと思います。司法書士試験は、一年に一度しかありません。試験を受けた後に「あぁ、しまった。こうしておけばよかった」と反省点を見つけても次は一年後です。痛い目を見なければ反省しないという状態では、合格するまでに何年もかかってしまいます。私のことです。
ですので、良い講座を選択するのはもちろんですが、いち早く自分に合った勉強方法を見つけ、自分の弱点を把握するというのが大切だと思います。