K・Y さん一発合格
法律学習経験ゼロからの挑戦
受験回数 | 2回 ※お試し受験含む |
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出身大学 | 学習院大学 文学部 |
受講講座 | 2014年新全日制本科講座 |
司法書士を目指した理由・きっかけ
前職は私立大学の嘱託職員でしたが、契約期間の満了を機に、何か資格を取ろうと考えました。司法書士を選んだのは、身内に法律関係の仕事をする者がおり、以前から法律系の資格に興味を持っていたからです。
また、東日本大震災の後、様々な分野の専門家が被災地で支援活動をする姿を見て、自分も何か社会の役に立つ専門知識を身に付けたい、と強く思ったことも、きっかけのひとつです。
LECを選んだ理由、および講座を選んだ理由
私は法律の学習経験が全く無かったので、合格のためにはまず自分に合ったコースを選ぶことが重要であると考え、講座選びは慎重に、時間をかけて行いました。複数の予備校で資格説明会に参加し、体験受講をするなどして、疑問点があれば直接担当講師の方々にお話をうかがいました。
その結果、初学者で、かつ日中も通学が可能な自分には、LECの新全日制本科講座を中心に組まれたコースが合っていると判断しました。主な理由は、①インプット講義の時間数が多く、初学者でも十分な知識が得られること②担当の根本講師の講義が大変わかりやすく、初学者でも安心してついていけそうだと思ったこと③復習方法や学習スケジュールを細かく指導してもらえること等です。そして、同講座の受講を決めたことで、思い切って専業受験生となり、短期合格を目指そうと決心しました。
新全日制本科講座について
新全日制本科講座のカリキュラムは、年内(4月〜12月)に全科目のインプットを終え、年明けからは復習・アウトプット(演習)期間と位置付けています。
インプット期間中は基本的に週3日(18時間)講義があり、復習だけでもかなりハードですが、出される課題を着実にこなしていけば、一年間で本試験を十分戦えるレベルにまで引き上げてくれます。
年内は、「講義→復習→過去問→講義復習2回目→(次の講義の冒頭で)確認テスト→(次の科目に入ってから)復習テスト」という流れで、択一知識の定着を図ります。不動産登記法と商業登記法では、ここに記述式練習帳が加わり、択一知識とひな形の習得を同時にしていきます。
インプット講義の中で私が特に良いと思った点は、最初の科目である民法に入る前に、導入として「全体構造」という講義が7回(21時間)あったことです。
この講義では、民法の主要な論点と、訴訟・強制執行に関する手続きをひと通り、さらっと教えてくれます。
これらの大まかな流れを最初に知っておくことで、初学者でも、民法の講義が始めからスムーズに理解でき、その後に続く科目の学習効果も上がったと思っています。
年明けの1月からは、記述式問題の解法を学ぶ基礎講座と、択一の過去問を総ざらいする演習講座(Web受講)が始まりました。私はオプションの精撰答練[実力養成編]も受講したので、毎週の出題範囲に合わせて過去問演習の講座を受講していきました。この時期が体力的には一番ハードでしたが、振り返ってみれば、ここで毎日必死に過去問を解いたことで、確実に力がついたと思います。
全ての講義は3月中に終了し、4月以降は精撰答練の結果を報告して助言を仰ぎ、学習計画を修正しながら、本試験に向けて勉強を続けました。
ブレークスルーテキストについて
講義ではブレークスルーテキストをメインテキストとし、その他に講師作成の講義ノート(レジュメの冊子)、問題集、記述式の練習帳等を使用しました。ブレークスルーテキストは網羅性に優れているので、インプット用の基本テキストはこれ一冊で十分だと思います。受験に不要な部分は講義で指摘があるので、ページ数の多さはそれほど気になりませんでした。
私は答練・公開模試で出題された最新判例や新たな知識は、全てブレークスルーテキストに書き込み、表なども貼り付けることで、情報の一元化を図るようにしていました。
担当講師について
根本講師の講義は、説明が簡潔明瞭で、初学者にも大変わかり易いものでした。レジュメには図表が効果的に使われており、理解の大きな助けとなります。暗記や横断整理用の表も豊富で、自分でまとめの表などを作る必要はほとんどありませんでした。また、寸劇やちょっとしたコメントが面白く、楽しんで受講することができました。
先生は講義開始の20分前には教室に入り、講義終了後もずっと教室に残って、ひとりひとりの質問に丁寧に対応して下さいます。いつでも質問ができるという安心感は、勉強を続けていく上で、大変に心強いものでした。
フォロー制度について
講義のない日は、できるだけ自習室に行って勉強をするようにしていました。他の人が頑張っている姿を見ると自然にやる気も湧いてきますし、広くて静かな自習室は快適で、自宅で勉強するよりもずっと効率が上がりました。私はLECまで約1時間かけて通学していたので、移動時間がもったいないようにも思えますが、電車に乗っている時間は「暗記の時間」と決めていました。暗記ノートと市販の一問一答式問題集を持ち歩き、移動中はそのどちらかを見るようにしていました。
特に苦労したこと
私は記述式問題に苦手意識があり、最後まで悩まされました。直前期の答練でも二問目の半分ぐらいで終わってしまう状態が続き、かなり焦りました。対策としては、4月〜5月中旬に「的中記述式直前答練」を通学で受講し、少しでも判断のスピードを上げることと、一つでも多くの論点に触れることに努めました。
また、記述式の解答時間を確保するために、午後科目の時間配分について、試行錯誤を繰り返しました。ようやく最後まで解答を書き切れるようになったのは、5月中旬の全国公開模擬試験(第1回)からだったと思います。
結局、本試験当日まで苦手意識を克服することはできませんでしたが、「択一でできるだけ点数を稼ぎ、記述は基準点ギリギリ突破を目指そう」と割り切って本番に臨み、結果はまさにその通りとなりました。今考えれば、ひな形と役員変更等の基本論点は年内にしっかりマスターしておくべきでした。また、私は年明けの答練で記述式問題の分量の多さに圧倒されてしまいましたが、もっと早い時点で過去問を一度でも解いてみれば、不安が軽減されていただろうと反省しています。
これから司法書士試験合格を目指す方へ
初学者の方には、講座選びはできるだけ慎重にすることをお勧めします。最初の導入段階ですんなり知識が入ると、その後がだいぶ楽になると思うからです。
また、可能であれば、通学での受講をお勧めします。
受験仲間の存在は、辛い時期に心の支えとなります。
私も新全日制本科講座で仲良くなったクラスメイトと情報交換をしたり、励まし合ったりすることで、辛い時期を乗り切ることができました。幸いにも一緒に合格することができ、とてもうれしく思っています。
答練・公開模試では、なかなか点数が伸びずに悩むこともあると思います。そんな時には、ぜひ客観的に自分の成績を分析してみることをお勧めします。苦手科目というのは案外自分の思い込みのこともあり、実は別の科目で、より多くの失点をしている可能性があるからです。分析は答練・公開模試の得点を集計してもよいですし、講師やアドバイザーの方などに成績を見てもらうのもよいと思います。私自身、不動産登記法の択一で総論が苦手だと思い込んでいたところ、実は各論の問題での失点が多く、そこを集中的に復習することで点数を伸ばすことができました。
そして、何よりも、最後まであきらめないことです。
私は公開模試での成績判定は、最高で「C」(6段階評価の上から4番目)止まりでした。さらに本番では、得点源と思っていた午前択一の出来が悪く、昼休みは茫然として食事も喉を通らないような有り様でした。
それでも、午後の択一でなんとか盛り返し、苦手の記述も終了時間直前までペンを動かし続けた結果、ぎりぎり合格点に到達することができました。本番では何が起こるかわかりません。ですから、決して途中であきらめずに、最後まで力を尽くすことが大切だと思います。
おわりに
本試験が終わってまず感じたことは、年に一度しかない試験を無事に受けられたことに対する、感謝の気持ちでした。自分の健康はもちろんですが、家族もみな健康でいてくれたからこそ、一年間勉強に打ち込むことができ、本試験に臨むことも可能だったわけで、これはほとんど奇跡に近いことだと思ったからです。
今後もこの感謝の気持ちを忘れずに、少しでも社会に貢献できる司法書士になれるよう、努力していきたいと思います。
最後になりましたが、根本講師をはじめ、受験を応援して下さったすべての方と家族に、この場を借りて感謝の気持ちを伝えたいと思います。本当にありがとうございました。
この講座がおすすめ
- 精撰答練[ファイナル編]
- 1月からの実力養成編は、ペースメーカーとして、ぜひ受講することをお勧めします。解説冊子はそのまま科目別問題集としても使えるようになっており、直前期の復習にも役立ちます。4月からのファイナル編は、本試験と同じ形式で出題されるため、午後のポイントとなる時間配分について、練習を積むことができます。毎回問題を解く順序を変えてみる等、色々と試してみることをお勧めします。
- 全国公開模擬試験
- 受験者数も会場の緊張感も、それまでの答練とは段違いです。精神的にも体力的にもかなり厳しいですが、ここで慣れておけば、本番に対する不安がだいぶ軽減されます。たとえ模試の結果が悪くても、まだ本試験まで時間はあります。「本番じゃなくてよかった」と前向きに考え、間違えた部分を確実に復習しておくことで、逆に自信をもって本番に臨むことができると思います。