直前期をどう過ごせばよいか、この時期になると毎年たくさんの受験生が相談に来ます。 今回はよくある質問をピックアップ!講師が皆さんの悩みに、具体的にアドバイスします!
- Q.直前期には「過去問を何度も回せといわれますが、その題材は過去問でなければダメなのですか?
-
A.題材は、「解いたことのある問題」を一定数に絞ったものであればOKです。過去問に「飽き」が来ているなら、答練の問題がお勧めです。
直前期の択一学習では、新しい問題にチャレンジするのは答練や公開模試に限定し、それ以外は解いたことのある問題を一定数に絞り込んで、何回も回す勉強方法が王道です。
その題材は受験生によって違ってよく、直前期に過去問を回したから(または答練を回したから)不合格になったというようなことは絶対にありません。
今まで過去問を繰り返し十分に解き、過去問に「飽き」が来ている方は過去に受けた答練の問題を、そうでない方は過去問を選択するのがお勧めです。場合によっては科目ごとに過去問と答練の問題と分けても構いません。
その題材を選択するのは受験生である皆さんです。今までの勉強の経緯を知る自分自身しか決定できないのです。自分を信じて、決めたら迷わない!これにつきます。
- Q.過去問にせよ答練にせよ、どれぐらいの問題数を回せばよいですか?
問題数は多いほどいいのですか? -
A.1000問の問題を一回しか解かないことよりも、300問の問題を三回繰り返した方が合格しやすいと思います。問題数を減らすことを心配する受講生は多いのですが、その少ない問題を完璧に自分のものにすることの方が絶対に重要なことです。
確かに、繰り返している問題に含まれている知識がそのまま出題されれば得点できるが、含まれていない知識が出題された場合、得点できないのではないか…という不安はついて回ります。
しかし、実は限られた問題を自分のものにするというのは、その問題で問われている知識だけを覚えることではありません。題材となっている知識を繰り返し説きながら、その背後にある制度趣旨や関連論点までも、思い出すのが理想的な勉強方法といえます。もちろん、4月の段階から、そこまで到達することはできませんので、このような状態に至るのは6月が目標です。
- Q.まだインプットが追いついていない状態です。 こんな状態で精撰答練〔ファイナル編〕を受験しても効果がでないと思うので、 直前期もインプットだけに集中しようと思うのですが…。
-
A.インプットが不十分でも、現在の自分の知識と本試験のレベルとの開きを意識し、 自分の弱点を発見するために答練は有益です。
改正についても、答練で出てきた新しい論点を復習することで、問われやすいポイントをおさえることができます。
精撰答練〔ファイナル編〕を受講し、解説講義で復習することにより、効率の良い勉強をすることが可能になりますので、時間の限られた直前期だからこそ、受験してもらいたいと思います。今年が初受験の方は、3月〜4月の段階でインプットが十分であると言える方はほとんどいないでしょ う。2回目以上の方であっても、インプット講座の民法・債権の部分を全部聴いていないとか、マイナー科目のほとんどを勉強していないというような極端な場合を除いては、4月からの精撰答練〔ファイ ナル編〕にチャレンジすることをお勧めします。なぜかというと、現在の自分の知識と本試験のレベルとの開きを意識し、自分の弱点を発見するために有益だからです。
実は落としてはいけない論点なのに、自分で「難関知識」に分類し、知らなくてもいいと思っていたり、過去10年出ていない論点について、実は今年、狙われそうな論点であるということを知らなかったりといったことに「気付く」きっかけとして、精撰答練〔ファイナル編〕は重要な役割を担っているのです。精撰答練〔ファイナル編〕の解説講義では、肢ごとに難易度を発表していますので、何を重点的に復習し、復習しなくてよいのかの指針を得ることができます。答練を受講し、解説講義で復習することにより、時間の限られた直前期に効率の良い勉強をすることが可能となるわけです。
さらに、毎年、精撰答練〔ファイナル編〕・公開模試が本試験に「ズバリ的中」することもありますので、ぜひ受講してもらいたいと思います。
- Q.テキストなどを読み込んで基礎を固めたい気持ちが強いのですが、量が多すぎて、できそうもありません。
-
A.一番、優先すべきなのは、自分の弱点分野です。
自分の学習状況は自分が一番よく知っているのですから、その点に取り組まずに本試験を迎えてしまうと、「あの分野をやっておけばよかった」と本試験の当日に後悔してモチベーションが落ちます。そうならないよう、従来の計画を再調整してでも、弱点を攻略しておきましょう。
ただ、弱点がよくわかっていない・すべてが弱点に見える等、何をどうインプットすればよいのかわからないという場合は、効率的に学習するための指針として、論点をコンパクトに学習できる講座の受講をおススメします。
下記の講座を受講すると、すべての科目について「今年狙われる可能性が高い」「低い」が分かり、学習の指針が付きます。さらに、出題可能性が高い部分について、記憶に残るインプットができます。
- Q.記述が苦手で、どこから手をつけてよいかわかりません。直前期の記述の勉強方法を教えてください。
-
A.記述の勉強方法は2本立てでいかなければなりません。1つは、雛形を完璧に自分のものにすることと、過去に解いたことのある問題(問題集や過去に解いた答練・公開模試の問題等)を繰り返す方法です。もう1つは、1度も見たことのない初見の問題を限られた時間の中で解く答練形式の勉強です。
雛形を完璧に自分のものにすることと、過去に解いたことのある問題を繰り返すことにより、答えを知っているはずの問題を再度完全に解くことができるかという訓練をすることが出来ます。しかし、何を書くのか、どこが「引っかけ」なのかを知っている問題を繰り返し解くことでは、初めて見る問題に対して、きちんと書く力は養えません。記述式はどうしても、初めて見る問題を使って、限られた時間の中で論点を見つけて、引っかけにはまらずに書き上げる訓練を「定期的に」しなければ、本試験で高得点は挙げられません。
よって、この2つ目の勉強に関してベストな学習法は、直前期に演習・答練を受講することで、定期的に初見の問題にチャレンジすることなのです。
- Q.組織再編が苦手です。決議要件の違いや債権者保護手続きの要否が複雑で理解できません。丸暗記しなければいけないのですか。
-
A.組織再編は、会社法・商業登記法どちらでも頻出で、記述問題で問われることもあり、合格を決めるためには、苦手分野のまま放置しておいてはいけません。
組織再編をマスターするために最も重要なことは、しっかり「イメージ」を作ることです。たしかに、決議要件、債権者保護手続きの要否・方法などがとても複雑です。しかし、それを丸暗記しようと思う必要はまったくありません。 決議要件は、結局株主にどのような影響を与えるのかによって決まってきますし、債権者保護手続きも、どの債権者にどのような影響が出るかによって決まってきます。そうであれば、組織再編によって何が起こっているかの「イメージ」をしっかり作り、どのような影響があるかを理解できてしまえば、丸暗記しようとしなくても、一貫した発想で簡単に覚えることができるのです。
また、それぞれの組織再編は一貫した発想で理解できますので、個別に学習するのではなく、横断的に学習し共通する発想を理解することが重要です。