経営コンサルティングに関するニーズはあらゆる業界において高まっており、その中核を担っているのが中小企業診断士です。また、国もその増員のために試験制度を変更するとともに、毎年の合格者数を増やしております。そのため年々中小企業診断士の認知度も上がり、中小企業診断士の業務に興味を持つ方が増えています。
本ページでは、中小企業診断士の試験は、試験の難易度はどのくらい?合格率はどのくらい?など、試験に関する情報をお伝えします。
合格者のプロファイル(性別・年齢・職業)
令和5年度、中小企業診断士、受験者プロファイル
以下、令和5年度の中小企業診断士試験の受験者データのプロファイルを見てみましょう。
診断士1次試験の受験申込者は9割前後が男性で、2次試験も圧倒的に男性が多くなっています。しかし、合格率に目を向けてみると、1次試験では男性の合格率が高いのですが、2次試験では女性の合格率が高くなっています。1次試験を突破した女性については2次試験においても試験に柔軟に対応して合格できていることが伺えます。
性別
年齢
次に、受験申込者を年齢別に見ると、1次2次試験ともに働き盛りの30~40代が、受験者の約6割を占め、会社の経営や管理業務などのノウハウが必要な世代の受験者が多く見受けられます。
一方、合格率に目を向けてみると少し様子が変わってきます。
1次試験は、どの年代別であっても申込者数に対する合格者数の割合がほぼ等しいことから、年代別での合格率に差はありません。
2次試験は、年代別で違いがでてくるようです。年代別が20~39歳では合格率が平均よりも少し高くなり、40~49歳でほぼ平均値と同等になり、それ以降の年代別では年代が高くなるにつれて合格率は低くなっていく傾向が見受けられます。
2次試験の試験時間は合計で5時間超になることから、知識や思考力だけではなく、5時間超に耐えられる体力や思考の持久力、柔軟な対応力などの要素も影響してきます。これらの能力が総合的に高い年代別が20~39歳であると読み取れます。
受験地
次に、受験地別の申込者数を見ると、大都市での受験者が圧倒的に多く、東京と大阪で7割超の受験者数となっています。
1次試験の合格率は、受験者数が多い受験地区(東京、大阪など)ほど、合格率が高い傾向にあります。
一方、2次試験の合格率は、受験地別に大差はなく地方でも合格する人は合格できるという結果になっています。とくに、札幌地区や福岡地区などのグラフのように、1次試験の合格率が高かった年度は、その年度や翌年度で2次試験の合格率も高くなる傾向が見受けられます。このことから、受験地区別で有利不利になるといったことはなく、学習を積み重ねてきた受験者が合格していると読み取れます。
- ※ 1次試験で、令和5年度の那覇地区では再試験が実施された。
- ※ 1次試験で、令和5年度から金沢地区と四国地区が新規に追加された。
勤務先
次に、勤務先別での受験者を見てみましょう。申込者数が一番多いのは例年とも「民間企業勤務」の方で6割弱、続いて「政府系以外金融機関」の方で1割程度となっています。資格はコンサルタント資格といわれていますが、多くの民間企業の方が受験をしており、会社の「あらゆる業務に役立つ資格」ということが認識されている結果ともいえます。
1次試験の合格率は、勤務先別による影響があるようです。勤務先別が、税理士・公認会計士等自営業、金融機関勤務、公務員などでは、合格率が高い傾向にあります。これは普段の業務内容が診断士試験との関連性が高く、その相性が良い結果とも言えます。
一方で、2次試験の合格率は、勤務先別での影響はあまりないように見受けられます。ほとんどの勤務先別で合格率は18%前後に落ち着いています。いくつかの勤務先別では合格率に上ブレや下ブレが出る年度もありますが、これは勤務先別の母数が小さいとブレが出やすくなる傾向にあるためです。2次試験の受験者は、全員が1次試験に合格しており能力的に大差はありません。2次試験において勤務先別による影響はほとんど無いと言えるでしょう。
中小企業診断士試験はとても人気の高い資格です。
社会に出てから中小企業診断士の存在や魅力を知り、学習を始める人が多いのも特徴です。
また、社会に出てもっとビジネス全般のことを知りたいと考える20代や、退職後に経験を活かしたコンサルティング活動をしたい50代以降などからも中小企業診断士は憧れの資格となっています。
経営コンサルティングというと何か特別な人の仕事のように思えますが、各年代がそれぞれの目的を持ってチャレンジしていることが特徴です。
あなたもぜひ、挑戦を始めてみませんか?