1. 経営情報システムの意義
ネットワークを中心としたITの普及は、企業経営に大きな影響を与えています。それは、企業内の意思決定の仕組みを変えるだけでなく、企業間取引の仕組み、競争のルール、市場の在り方さえ変えようとしています。
例えば、ITを導入した企業では、事業所・店舗・工場レベルで分断されていた情報が、全社レベルにまで行き渡り、情報の共有化が図られます。その結果、消費者ニーズにマッチしたスピーディーな全社的活動により、製品開発の短縮化、在庫の削減、売上げの増大等がもたらされているのです。
こうした情報をつなぐというネットワーク化の動きは、単独の企業内だけでなく、他企業との取引関係や連携においても見られ、業種、業界、はたまた国を超えた大きな流れとして定着しつつあるのです。IT革命はまだまだ続くのです。
2. 経営情報システムで学ぶこと
1、情報技術に関する基礎知識
コンピューターがどんな原理(スイッチのオン・オフによる2進法、OS:オペレーションシステム、ソフトウェア、プログラム言語)で動くのか、どのような装置(ハードウェア、デバイス)で構成されているのかを学びます。また、経営の意思決定を支えるシステムの技術的基礎(DB:データベース、情報検索機能、集中処理から分散処理)やIT革命を支えるLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、インターネットといったネットワークの仕組みを学びます。
2、戦略情報システム
ここでは企業経営理論で学んだことを踏まえ、意思決定の支援ツールである戦略情報システムについて、システムの狙いや特長を学びます。また、システム開発→導入→運用→評価のプロセスにもとづき、システム導入をめぐるさまざまな問題(全社的な合意形成のプロセス、コンサルタントの果たす役割、ビジネスプロセスの見直し)や運用の評価(成功要因と失敗要因)等について学びます。 技術的な知識としては、システム概要を表現するための技法(DFD:データー・フロー・ダイヤグラム)やシステム開発の手法等について理解を深めます。また、システムトラブルの減少(信頼性、可用性の向上)、不正アクセス等からの情報の保護(安全性)、コスト面からシステムの活用度を評価する手法(効率性、費用対効果、TCO:トータルコスト・オブ・オーナーシップ、BSC:バランスド・スコア・カード)といった観点についても幅広く理解を深めます。
3. 1次試験の出題例
- 令和6年度 第2問
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文字コードに関する記述とその用語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- a 7ビットの文字コードであり、英数字、制御文字および一部の記号を含む128種類のコードを表現できる。
- b UNIX系OSのために開発された符号化方式であり、日本語の符号化方式の名称には“-JP”が付く。
- c 世界の主要な文字を表現できる文字集合であり、ISO/IEC 10646によって定義される文字集合と互換性を保つ対応が図られている。
- 〔解答群〕
- ア a:ASCII b:EUC c:Unicode
- イ a:ASCII b:ISO-2022 c:JIS X 0208
- ウ a:ASCII b:ISO-2022 c:Unicode
- エ a:Unicode b:EUC c:JIS X 0208
- オ a:Unicode b:ISO-2022 c:JIS X 0208
経営情報システム 令和6年度 第2問の解答: ア