経営コンサルティングに関するニーズはあらゆる業界において高まっており、その中核を担っているのが中小企業診断士です。また、国もその増員のために試験制度を変更するとともに、毎年の合格者数を増やしております。そのため年々中小企業診断士の認知度も上がり、中小企業診断士の業務に興味を持つ方が増えています。
本ページでは、中小企業診断士の試験は、試験の難易度はどのくらい?合格率はどのくらい?など、試験に関する情報をお伝えします。
中小企業診断士試験の合格率
1次試験
中小企業診断士の1次試験はマークシート方式の7科目で、合格基準は受験科目全体で60%以上を得点する必要があります。また、1科目60%以上を得点すると、翌年、その科目については試験を免除することができます。(詳しくは、1次試験概要 3.試験制度の詳細)
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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申込者数 | 21,163 | 20,169 | 24,495 | 24,778 | 26,190 |
受験者数 | 14,691 | 11,785 | 16,057 | 17,345 | 18,641 |
合格者数 | 4,444 | 5,005 | 5,839 | 5,019 | 5,521 |
合格率 | 30.2% | 42.5% | 36.4% | 28.9% | 29.6% |
1次試験の受験者数は、コロナ禍の2020年度を除けば、上昇傾向が続いています。ビジネスマンが取得したい資格の上位を占める人気の高い資格であるため、依然と高い受験者数を維持しています。。
ここで、上図の受験者数を注意してみると、「申し込みしたのに受験する人数が非常に少ない」ということがわかります。すなわち受験率が低い試験であることがわかります。どの年度でも一定の割合で申込者が受験料を払ったにもかかわらず受験を諦めています。診断士試験は人気があり、手を付けやすい反面、実際の試験範囲の広さ、学習期間の長さなどでモチベーションを保つことが難しく、計画どおりの学習ができずに断念していると考えられます。
さて、気になる1次試験の合格率はというと、近年は20〜30%で推移しています。合格率を見ると20%以上でさらに科目合格もある試験ですので、きちんと学習をした人にとっては、比較的受かりやすい試験といえます。特に2020年度は、コロナ禍での経済活動自粛にともない多くの受験生は学習時間を十分に確保できたことが、高い合格率につながったと想像されます。ただし、この合格率は受験者数に対する合格率です。前述したように、途中で断念した人数を含めてしまうと低い数値となります。「計画的な学習」を行えるかどうかで合格率が大きく変わる試験といえるでしょう。
第1次試験は問われる範囲がとても広く、すべてをマスターするためには大変な時間がかかります。あれもこれもと手を広げると、ムダに時間が過ぎていきます。だから、限られた時間の中で合格を目指すためには、効率的・効果的な学習を常に心がける必要があります。そのためにどうしたらよいのかの答えがLECにあります。
2次試験
中小企業診断士の2次試験は筆記と面接(実技)の2回の試験があります。上図の合格率は筆記試験と面接の2回とも合格した受験者の合格率を掲載しています。面接試験での不合格者は例年、数人しかいませんので、筆記試験の合格率≒最終合格率と考えて良いでしょう。
2次試験の近年の申込者数は、毎年5,6千人程度で推移していましたが、2021年度以降は急増しました。この要因は、コロナ禍にともなう救済制度で受験資格の有効期間延長などを選択した受験者や一次試験合格者数の純粋な増加によるものと思われます。今後どのように推移するかは注視を必要とします。
さて、気になる2次試験の合格率はというと、ここ十数年間は約20%前後を一定的に推移しています。2次試験は相対評価となります。今年度の本試験も20%前後の合格率となることが予想されます。
診断士試験の最終的な合格率
一般的な1次、2次試験の合格率を見ていきましょう。それぞれの合格率は、1次試験では20〜30%、2次試験では20%前後という数字です。1回の受験で1次試験、2次試験ともに合格する「ストレート合格」の可能性は、
ストレート合格率 1次試験合格率:20〜30% × 2次試験合格率:20% = 5%前後
という結果となります。
ストレート合格できる受験生はたったの5%ほどとなり、多くの受験生は2年以上かけて資格を取得していることになります。
また、前年度で不合格者数の半数ほどが今年度に2次試験を再チャレンジします。1次試験を合格した人は、1年間かけて2次試験に専念した人との競争となり、ストレート合格するのはさらに厳しいといえるでしょう。
このように、資格取得まで長い期間を必要とする試験であるからこそ、長期間モチベーションを高く保ちながら、計画的かつ効率的に学習を進めていく必要があります。学習期間が長い受験者は4〜5年かけて取得を目指している人もいます。
このようなことから、全てを自己管理する独学者に比べて、スクールに通う人のほうが、2次試験に合格しやすい結果になっている理由といえます。
また、2次筆記試験は1次試験と異なり、採点基準が明らかでありません。そのため、ナゾで難しい試験だと言われがちです。しかし、2次試験に攻略法があります。LECの2次試験の対策方法を紹介しています。