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1次試験概要 財務・会計

1. 財務・会計の意義

会社は活動を続けるにあたって、「財務諸表」と呼ばれる数種類の書類を関係者に公開する必要があります。その中では、一定期間の経営成績や財務状態等が明らかになっているのです。コンサルタントは「財務諸表」からチャンス(売上高・利益率増加、今後の展望)や危険(取引先の経営悪化、倒産等・・・)を見抜く力が必要です。簿記に始まり、財務諸表の仕組みや財務分析を学ぶのは、問題提起や危険予知、機会発見の能力を高めるためなのです。上級コースは、キャッシュフローや投資評価、企業価値の計算です。キャッシュは、会計上の利益と違って操作ができないので、嘘をつくのが難しいからです。また、買収や設備投資をより効率的に行うために、その評価方法や価値の計算方法が問われます。

2. 財務・会計で学ぶこと

1、財務会計

企業外部への情報開示を目的として、会計制度等にもとづいた貸借対照表(B/S:バランスシート)、損益計算書(P/L:プロフィット・アンド・ロス)、キャッシュフロー計算書(CF:キャッシュフロー)の作成方法を学びます。 また、計数面から企業実態を把握するため、利益面(収益性)、短期の資金面(流動性)、長期の資金面(安全性)等の経営分析の手法を学びます。

2、管理会計

企業内での意思決定のために、直接原価計算の考えにもとづいた損益分岐点分析を中心に学びます。ここでは、何個の製品を売れば損益がバランスするかとか、追加発注を受けるべきか、断るべきかといった問題、それから利益計画の策定について理解を深めます。

3、ファイナンス

投資プロジェクトの選択(投資評価)や企業買収に必要な企業価値の問題について理解を深めます。ここでは、将来のお金の価値を今の価値に戻すといった現在割引価値(NPV:ネット・プレゼント・バリュー)の考え方や株価の理論値の求め方を学びます。

3. 1次試験の出題例

令和6年度 第11問

当期末に、新たに長期借入(借入後60カ月にわたって元利均等弁済)を行い、その資金全額で無形固定資産を購入したとする。他の条件を一定とするとき、この取引による財務諸表および財務指標への影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. ア 1年内返済予定長期借入金が増えるので、流動比率は低下する。
  2. イ 借入と投資が相殺されるので、投資活動によるキャッシュ・フローおよび財務活動によるキャッシュ・フローには影響しない。
  3. ウ 固定資産が増加するため、固定比率は改善する。
  4. エ 自己資本には影響しないため、自己資本比率は変化しない。

財務・会計 令和6年度 第11問の解答: ア

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