第2次試験は例年10月下旬の日曜日に実施される筆記式と、1月下旬の日曜日に実施される口述式に分けられます。第2次試験筆記式は第1次試験7科目の合格者のみが受験することができます。
出題科目は4科目で、科目ごとに企業の概要が書かれた問題文が2〜3ページほどあり、その内容について4〜5問程度の設問があります。解答文字数は指定され、1問あたり100字前後で解答します。筆記式に合格すると、第2次試験 口述式を受験することができます。
1.第2次試験概要
- 受験資格
- 第1次試験合格者
- 試験形式
- 筆記試験 各設問15〜200文字程度の記述式
- 口述試験 10分程度の面接
- スケジュール概要
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- 出願期間:例年8月下旬から9月中旬
- 筆記試験実施:例年10月下旬(日曜日)
- 筆記試験合格発表:例年1月上旬
- 口述試験実施:例年1月下旬(日曜日)
- 口述試験合格発表:例年2月上旬
- 試験地
- 札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡の7地区
- 受験料
- 17,800円(非課税)
- 試験科目
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日程 試験科目 配点 試験時間 筆記試験 A:中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 I 100点 09:40〜11:00
(80分)B:中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 II 100点 11:40〜13:00
(80分)C:中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 III 100点 14:00〜15:20
(80分)D:中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 IV 100点 16:00〜17:20
(80分)口述試験 ※筆記試験科目問題から、ランダムで出題 ― ※個別指定
(約10分) - 合格基準
- 筆記試験における総点数の60%以上でかつ1科目でも40%未満のものがない者であって、口述試験における評定が60%以上のものとする。
- 合格率
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2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 申込者数 6,161 7,082 9,190 9,110 8,601 受験者数 5,954 6,388 8,757 8,712 8,241 合格者数 1,088 1,174 1,600 1,625 1,555 合格率 18.3% 18.4% 18.3% 18.7% 18.9%
2.試験科目ガイド
1.筆記試験
- A 組織・人事(事例Ⅰ)
- 組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略および管理に関する事例です。組織再編や組織改革による組織力の強化、人事施策による労働生産性の向上等を図る戦略が出題されます。主として、企業経営理論で学習する組織論とかかわりが深いです。近年の事例Ⅰでは、組織・人事といった企業の内部資源の有効活用だけではなく、ビジネスモデルや事業戦略面などについても問われることが多く、与件や設問の解釈も困難な傾向があります。
- B マーケティング・流通(事例Ⅱ)
- マーケティング・流通を中心とした経営の戦略および管理に関する事例です。小売業やサービス業など、身近な業種を中心に出題される傾向があります。主として、「企業経営理論」で学習するマーケティング論と「運営管理」で学習する店舗・販売管理を、事例企業の戦略・戦術に応用することが求められます。与件文が4事例中最も長文で情報が多岐に渡るので、情報の集約力・把握力や因果関係を明確に記述する力が求められます。
- C 生産・技術(事例Ⅲ)
- 生産・技術を中心とした経営の戦略および管理に関する事例です。具体的には、生産性や技術の向上、技術の活用等を図る戦略を指します。主として、運営管理で学習する生産管理を、事例企業の戦略・戦術に応用することが求められます。製造業を中心に出題される傾向がありますので、生産現場になじみの薄い受験生にとっては苦手意識が高い事例でもあります。
- D財務・会計(事例Ⅳ)
- 財務・会計を中心とした経営の戦略および管理に関する事例です。例年財務諸表を元に経営分析を行う問題が出題されています。資本の適切な調達と運用を図る戦略なども問われます。その他、アカウンティング・ファイナンスの両面からの応用力が問われる傾向にありますが、1次の財務・会計で学んだ基本的知識を駆使すれば対応は困難ではありません。
2.口述試験
中小企業の診断および助言に関する能力について、筆記試験の事例などをもとに、個人ごとに約10分間の面接試験(3対1)がおこなわれます。
筆記試験で問われた4事例からランダムでさまざまな内容についての質問が行われます。基本的には、2つの事例から2題ずつ(計4題)で10分間というケースが多いですが、1事例から4題もしくは4事例から1題ずつといった形式もあります。
いずれにせよ、受験生は一切の資料等を参照することはできませんので、事前に全ての事例について、内容まで理解しておくことが必要です。 なお、合格率は99%以上ですので、基本的には選抜する試験ではなく、コミュニケーション能力の確認といった意味合いが強いといえます。
3.試験制度の詳細
1.合格基準
筆記式は総点数が満点の60%以上で、1科目でも満点の40%未満がなければ合格です。口述式は評定が60%以上であれば合格です。
2.中小企業診断士養成課程
第1次試験に合格すると、経済産業省に認可された登録養成機関が運営する「中小企業診断士養成課程」に参加できます。同課程のカリキュラムを終了後、第2次試験および実務補修が免除され、中小企業診断士として登録する事ができます。