長島・大野・常松法律事務所
松尾 博憲先生
- Profile
- 東京大学法学部卒業後、2005年に長島・大野・常松法律事務所に入所。2009年から2015年にかけて法務省民事局参事官室で勤務し、現在、再び長島・大野・常松法律事務所にて活動中。
- 長島・大野・常松法律事務所
設立日/2000年1月1日
<東京オフィス>
〒100-7036 東京都千代田区丸の内二丁目7番2号 JPタワー
<海外オフィス>ニューヨーク/シンガポール/バンコク/ホーチミン/ハノイ/上海/ジャカルタ・デスク
<弁護士数>368名(日本弁護士349名、外国弁護士19名)(2016年10月3日現在)
なぜ司法試験を勉強することになったのか
元々、資格があったほうが困らないだろうという抽象的な考えがあり、何か資格を取得して自分で仕事ができるようになりたいという希望がありました。その中で、大学に入学し、先輩方から大手の渉外事務所で企業法務の仕事をしているという話を聞き、面白そうだなと興味を持ちました。ハードな仕事も多そうだとは思いましたが、ビジネスの最先端に関わる仕事ができるというのはとても魅力的だなと思ったというのがきっかけです。
現在行っている業務
私が現在主に行っている業務は金融業務が中心で、金融機関の仕事が多いです。M&Aや不動産の売買に当たってのローン契約を作ったりする際に金融機関からの立場からアドバイスをしたり、金融機関が新しい商品を検討するときに法律上の問題についての相談を受けることもあります。
その他、私は法務省に6年半出向していたことがあり、今でも非常勤職員として法務省で仕事をしています。
現在の仕事での苦労や仕事のやりがい
大変なところは、仕事がハードなところです。案件の進捗状況によっては、どうしても、帰りが遅くなることは避けられません。
大変ではありますが、そういうときにクライアントの方も一緒になって仕事をしているとチームとして仕事をしている一体感が励みになり乗り切ることができます。
やりがいとしてはプロフェッショナルとしての意見を頼りにしてくれるという面があると思います。若いときにも一人の弁護士として意見を聞いてもらう機会があるのは責任重大ですがやりがいがあると思います。
法曹になって良かったこと
弁護士であっても最近は法律事務所で仕事をすること以外にも幅広いキャリアプランが準備されていることが法曹資格を持っているメリットだと思います。私も任期付き公務員として法務省で勤務し、民法(債権法)の改正に関する法律案を国会に提出するまで関わらせてもらいました。弁護士になった当時は考えもしなかったことでしたが、興味を持っていた公務員の経験をすることができたのは、自分の中では非常に良いキャリアプランだったと思います。
弁護士としてキャリアを積んで
10年前に自分が考えていたキャリアプランとは違うものになっています。大手の事務所に入ったおかげで、色々なチャンスに恵まれていたと思います。弁護士としての仕事については、入所1、2年目のときは先輩弁護士に相談して、指導してもらいながら仕事をすることが多かったわけですが、キャリアを積んだ現在は、逆に後輩から相談を受ける機会も増えますし、自分で判断しなければならないことが多くなりますので、仕事の仕方が変化していて、以前とは違ったやりがいがあります。
今後のビジョン
公務員として働いた経験や民法改正に携わった経験を弁護士としての業務にどのように活かしていくかということを考えなくてはいけません。この経験に基づく自分の専門性を発揮することができるのはどの分野なのかを探していくというのは大変ですが、こういったことを考えることができるのは幸せなことであるとも思いますね。
また、一般論になりますが、良い弁護士としてお客様に信頼されるようにならなければならないということは常に持っている目標です。
これから司法試験を目指す方へのメッセージ
今は、厳しい時代と思われていますが、一口に弁護士といってもさまざまな業務がありますし、法律事務所での仕事以外のキャリアプランの選択肢も幅広いです。いろいろなキャリアプランがあるということはそれだけ社会に弁護士のニーズが根強くあるということだと思います。司法試験に合格して弁護士資格を取るということを自分のキャリアプランのスタートにすることはとても良いことで、チャンスは広がっていると思います。
また、ルールを守ることが大事なのはいうまでもありませんが、最近では、適切なルールを事前に作る必要があることに社会の関心が高まっていて、そういった分野に弁護士の知見が求められていると思います。弁護士としての仕事には法律を使うだけでなく、ルールを作るというクリエイティブな面があることも魅力の一つだと思います。