TMI総合法律事務所
稲田 祥子先生
- Profile
- 東京大学文学部卒業後、広告代理店に入社。2009年東京大学法科大学院入学、2013年に司法試験合格。LECでは入門講座<柴田クラス>を受講。現在、TMI総合法律事務所にて活躍中。
- TMI総合法律事務所
<東京オフィス>
〒106-6123 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー23階
<名古屋オフィス>
〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦1-11-11 名古屋インターシティ3階
<神戸オフィス>
〒651-0088 兵庫県神戸市中央区小野柄通7-1-1 日本生命三宮駅前ビル12階
<海外オフィス>上海/北京/ヤンゴン/シンガポール/ホーチミン/ハノイ/シリコンバレー/プノンペン
<構成員> 弁護士:348名/弁理士:65名/顧問:3名/外国法事務弁護士:5名/外国弁護士:19名/外国弁理士:1名/マネジメントオフィサーズ:2名/パラリーガルスタッフ(法務):42名/特許技術者、特許・商標事務スタッフ:73名/秘書:120名/翻訳:23名/司書:3名/総務、経理、システム42名(2016年9月1日現在)
なぜ司法試験を選んだのか
私は文学部出身で、大学卒業時点では全く法律に興味はなく、一般企業に就職して営業として働きました。しかし、法的なトラブルにしばしば直面し、その対応次第では顧客にも迷惑をかけてしまいかねないと感じた経験から、法律に興味を持つようになりました。
その後、パラリーガルとして法律事務所に転職しましたが、この時点では、司法試験の受験は全く考えていませんでした。しかし、パラリーガルとして働くうちに、補助的な立場としてではなく、より主体的にクライアントのために働きたいという気持ちが次第に強くなりました。また、年次等に関係なく対等な立場で意見を言える点で、弁護士という職業に魅力を感じ、司法試験の受験を決意しました。
現在主に行っている業務
現在はファイナンスを専門とするグループに所属しており、特に不動産証券化の案件を多く担当しています。
TMIは部門制をとっておらず、興味があればあらゆる分野の案件に関与できるため、他にも訴訟、国際商取引、一般企業法務等の案件を担当しています。
ファイナンスの案件等ではスピード感が求められ、納期のタイトな作業が続くこともあります。しかし、弁護士という仕事柄、クライアントが必要とするときに迅速に対応できるかというのも真価を問われる局面だと思うので、忙しさにはそこまでストレスを感じません。むしろやる気が湧いてくることも多いです。深夜までクライアントとやり取りをした後、「遅くまでありがとう」と労っていただけたりすると、弁護士として少し認められたような気がして嬉しくなります。
法曹になって良かったこと
一般企業では総合職として働いていましたが、実際には一つのチーム内で、関係者との折衝など一部の役割を果たすに過ぎませんでした。一方、弁護士はチームで動くことも多いですが、基本的に一人ひとりに総合力が求められ、関係者との折衝だけでなく、自ら方針の検討を行い、自ら精度の高い成果物を上げなければなりません。弁護士として信頼を得るためには、その全ての面で実力が求められると感じています。
総合力が求められることは大変ですが、その分やり甲斐は大きく、クライアントに喜んでいただけたときの嬉しさもひとしおです。
事務所の先輩方も総合力があるのみならず、それぞれに個性的で魅力的な方ばかりです。そんな先輩方に囲まれてチームとして働く中で、楽しさを感じられますし、沢山の刺激を受け、自分が成長していると実感できています。
社会人経験があって有利だと思ったこと
一般企業では、営業として案件全体の管理やチームのまとめ役をしていたため、常に「全体」を考える姿勢が身につきました。たとえば、スケジュール全体をふまえていつまでに何をすべきか、また、チーム内で自分が何をし、チームメイトに何を伝えれば、チーム全体の効率が上がるかといった点を、自然に考える癖がついています。そのような姿勢は、弁護士になった今でもとても役に立っていると思います。
今後のビジョン
まずは、現在主に取り組んでいるファイナンスの分野で、この案件は稲田さんに任せれば大丈夫と信頼してもらえるような専門性を身につけたいと考えています。その後は、機会があれば留学や出向も経験してみたいです。
最終的には、事務所の先生方個々の総合力と個性を活かしつつ、事務所全体としての力をいっそう高められるよう、事務所の運営やマネジメントにも関われれば良いなと思っています。
これから司法試験合格を目指す方へのメッセージ
過酷な試験ではありますが、それを乗り越えた所にある日々のやり甲斐や楽しさは、かけがえのないものです。目の前の勉強の大変さに負けず、がんばってほしいと思います。
受験勉強中は、きっと実務に出たら専門的な法律ばかり扱い、司法試験で得た知識などたいして役に立たないのではと思うこともあると思います。私自身もそう思っていましたが、実際には、たとえば企業法務の分野では民法や会社法の知識はよく必要になります。ですので、今の勉強が、将来の弁護士としての実力に直結すると信じて、取り組んでいただければと思います。