行政書士と宅建士の違いは?どちらがおすすめ?ダブルライセンス?
更新日:2023年2月22日
行政書士と宅建士の違い
業務内容の共通点と相違点
行政書士と宅建士はどちらも法律知識を用いて仕事ができる国家資格ですが、業務に違いがあります。
宅建士とは
「宅地建物取引士」の略称で、土地や建物などの不動産の売却や購入のための実務及び法律上の専門知識を持ってアドバイスできる「不動産取引の専門家」です。特に「重要事項の説明・記名・押印」と「契約書の記名・押印」は宅建士しか行うことができない独占業務として法的に認められています。また、宅地建物取引業者には事務所ごとに、従業員5人に1人以上の割合で宅建士を置くことも義務づけれられています。
行政書士とは
「街の法律家」と呼ばれる資格で、取り扱う業務は1万を超えるといわれており業務領域の広さが特徴です。その中でも主な業務は
- 官公署へ提出書類の作成
- 権利義務に関する書類について作成と相談
- 事実証明に関する書類の作成と相談
とされています。
試験難易度の違い
一般的には、宅建士試験に比べて行政書士試験の方が難しいとされています。
合格率を比較してみても、行政書士の近年の合格率は10〜15%、宅建士の近年の合格率は15〜17%と、宅建士のほうが合格しやすい試験といえます。
年度 | 行政書士試験 合格率 |
宅建士試験 合格率 |
|
---|---|---|---|
2022年度 | 12.13% | 17.0% | |
2021年度 | 11.2% | 10月 17.9% |
12月 15.6% |
2020年度 | 10.7% | 10月 17.6% |
12月 13.1% |
2019年度 | 11.5% | 17.0% | |
2018年度 | 12.7% | 15.6% | |
2017年度 | 15.7% | 15.6% |
※宅建士の試験についてコロナウウィルスの影響により2020年、2021年は10月・12月に2回試験が行われています。
行政書士と宅建士はどちらが資格取得としておすすめ?
どのような仕事に就きたいか、どんな業務を行いたいかにより、おすすめする資格が変わります。
不動産取引に関連する業務を行いたい方や、不動産業界への就職・転職を目指される場合は宅建士資格の取得がおすすめです。
将来独立開業を目指されたい方、建設業許可申請や外国人の在留手続、飲食店の営業許可申請など許認可業務や、遺言書作成、相続業務等の民事・企業法務などの業務を行いたい方は行政書士資格の取得がおすすめです。
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ダブルライセンスは目指すべき?
メリットは?
不動産取引の業務をする上で、飲食店の営業許可や農地転用の許認可など行政書士の業務である許認可に関する書類作成業務を必要とする場面が多くあります。
宅建士の資格に加えて行政書士の資格を取得することで、不動産取引からそれに関連する書類作成及び相談業務まで、他の士業の先生に頼むことなくワンストップで対応できるというメリットがあります。
また行政書士試験では、宅建業法と共に最重要科目とされた『民法』の学習経験を
を最大限に活かすことができます。さらに宅建の知識にプラスして、「法律を読む力」を身に付けることができるため、実務の世界に出たときに、非常に役に立ちます。
どちらから取得する方が効率がいい?
難易度で比較すると行政書士よりも宅建士の方が合格しやすいため、宅建士を受験後に行政書士を受験するという流れが一般的と考えられています。
宅建士試験を受験した後に、行政書士試験対策を学習することで、宅建士受験時に学習した『民法』の知識を最大限に活かすことができるというメリットもあります。
ただし行政書士試験の対策だけでも一般的には800〜1000時間が学習時間の目安とされていますので、働きながらや子育てをしながら合格を目指す場合には、ひとつずつ計画を立て着実に試験にチャレンジしていくことをおすすめします。
行政書士と宅建士のダブルライセンス取得者の声
行政書士試験一発合格 塩川美樹さん
仕事・家事・育児の合間に効率よく勉強できました!
<行政書士を目指した理由・きっかけ>
前の年にLECの宅地建物取引士のコースを受講し合格したことで、法律関係を学ぶ楽しさを知りました。もともと不動産関係の仕事に就いているため、今後需要が伸びてくるであろう海外からの働き手の部屋探しに取り組めたら良いなという考えと、入管サポートから携われたら面白いなという考えから行政書士の資格取得を志しました。
行政書士試験一発合格 寺田貴宏さん
宅建士からのステップアップ!
<行政書士を目指した理由・きっかけ>
まず第一に、自分自身がスキルアップをしたいと考えたことが理由です。前年には宅建士を取得し、更なるスキルアップを目指そうと考え、その為に色々な資格を調べていたところ行政書士の存在を知りました。今勤めている会社の将来的な業務展開を見据えたとき、行政書士の専門的知識や許認可登録などの様々な独占業務が自身にとって非常に役に立つと考えました。
行政書士試験一発合格 荒木さやかさん
宅建士からのステップアップ!
<行政書士を目指した理由・きっかけ>
数年前に不動産を相続した関係で知識を得る必要が生じ、2016年に宅建士試験を受験しました。そこで初めて法律の学習を本格的にしたのですが、「法律ってこんなに面白いものなんだ」と非常に感銘を受け、縁があって得た知識をこのまま終わらせるには勿体ない、何か別の資格をと思い、次なるステップとして決めたのが行政書士の資格取得でした。
まとめ
- 難易度で比較すると行政書士試験よりも、宅建士試験の方が合格しやすい
- 行政書士と宅建士のダブルライセンスの取得はメリットが多い
- 行政書士と宅建士の試験は同時に目指すよりも、ひとつずつ目指すのがおすすめ
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宅建士受験で身に付けた知識が風化する前に、行政書士の学習をスタートしましょう。
この記事の監修者は
にとべ わたる 二藤部 渉 LEC専任講師
生年月日 | 1972年10月3日 |
---|---|
最終学歴 | 駒澤大学 法学部 法律学科 |
合格率2.89%だった平成15年行政書士試験に合格し、平成17年にとべ行政書士事務所を開業し、開業とほぼ同時にLEC行政書士講座の専任講師となる。技能実習制度に関わる業務を中心に展開しています。趣味はフットサル、ゴルフ、ゲーム、ガンプラ作成。パグ好きです。
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