憲法【10テーマ】
憲法(1)幸福追求権【性同一性障害特例法違憲決定】
詳細を見る
憲法13条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と規定しているところ、自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由が、人格的生存に関わる重要な権利として、同条によって保障されていることは明らかである(性同一性障害特例法違憲決定/最大決令5.10.25)。
憲法(2)幸福追求権【グーグル検索結果削除請求事件】
詳細を見る
インターネット上の検索事業者が、ある者に関する条件による検索の求めに応じ、その者のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL等を検索結果の一部として提供する行為が違法となるか否かは、「事実を公表されない法的利益」と「URL等情報を検索結果として提供する理由に関する諸事情」を比較衡量して判断し、「事実を公表されない法的利益」が優越することが明らかな場合には、検索結果から削除することを求めることができる(グーグル検索結果削除請求事件/最決平29.1.31)。
憲法(3)幸福追求権【ツイッター削除請求事件】
詳細を見る
ツイッター(当時)の運営者に対し、人格権に基づき、プライバシーに属する事実を摘示するツイートの削除を求めることができるか否かは、事実の性質及び内容、各ツイートによって事実が伝達される範囲と被害者が被る具体的被害の程度、被害者の社会的地位や影響力、各ツイートの目的や意義、各ツイートがされた時の社会的状況とその後の変化など、被害者の事実を公表されない法的利益と各ツイートを一般の閲覧に供し続ける理由に関する諸事情を比較衡量して判断すべきもので、その結果、被害者の事実を公表されない法的利益が各ツイートを一般の閲覧に供し続ける理由に優越する場合には、各ツイートの削除を求めることができる(ツイッター削除請求事件/最判令4.6.24)。
憲法(4)信教の自由【孔子廟訴訟】
詳細を見る
国または地方公共団体が国公有地上にある施設の敷地の使用料の免除をすることが政教分離規定に違反するか否かは、当該施設の性格、当該免除をすることとした経緯、当該免除に伴う当該国公有地の無償提供の態様、これらに対する一般人の評価等、諸般の事情を考慮し、社会通念に照らして総合的に判断すべきである。市長が都市公園内の国公有地上に孔子等を祀った施設を所有する一般社団法人に対して同施設の敷地の使用料を全額免除した行為は、憲法20条3項の禁止する宗教的活動に該当する(孔子廟訴訟/最大判令3.2.24)。
憲法(5)表現の自由【大阪市ヘイトスピーチ対処条例事件】
詳細を見る
大阪市ヘイトスピーチ対処条例の規定による表現の自由に対する制限が、公共の福祉による合理的で必要やむを得ない限度のものとして是認されるかどうかは、各規定の目的のために制限が必要とされる程度と、制限される自由の内容及び性質、これに加えられる具体的な制限の態様及び程度等を較量して決めるのが相当である(大阪市ヘイトスピーチ対処条例事件/最判令4.2.15)。
憲法(6)職業選択の自由【あん摩マッサージ指圧師養成施設不認定事件】
詳細を見る
あん摩マッサージ指圧師に係る養成施設で視覚障害者以外の者を対象とするものの設置について、視覚障害者である指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があると認めるときは、その認定をしないことができるとする法律の規定は、障害のために従事し得る職業が限られるなどして経済的弱者の立場にある視覚障害者を保護するという目的のために、視覚障害者以外の者の職業の自由に係る規制を行うものといえる(あん摩マッサージ指圧師養成施設不認定事件/最判令4.2.7)。
憲法(7)参政権【在外日本人最高裁裁判官国民審査権制限訴訟】
詳細を見る
憲法は、選挙権と同様に、国民に対して最高裁裁判官国民審査権を行使する機会を平等に保障している。国民の審査権またはその行使を制限するためには、そのような制限をすることがやむを得ないと認められる事由がなければならない。そして、そのような制限をすることなしには国民審査の公正を確保しつつ審査権の行使を認めることが事実上不可能ないし著しく困難であると認められる場合でない限り、やむを得ない事由があるとはいえず、このような事由なしに審査権の行使を制限することは、憲法15条1項、79条2項、3項に違反する。国民審査法が在外国民に審査権の行使を全く認めていないことは、憲法15条1項、79条2項、3項に違反する(在外日本人最高裁裁判官国民審査権制限訴訟/最大判令4.5.25)。
憲法(8)国会【参議院の緊急集会】
詳細を見る
衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる(54条2項本文)。ただし、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる(54条2項但書)。緊急集会において採られた措置は、臨時のものであって、次の国会開会の後10日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失う(54条3項)。これは、将来に向かって効力を失うものと解されている。
憲法(9)内閣【ロッキード事件丸紅ルート】
詳細を見る
内閣総理大臣が行政各部に対し指揮監督権を行使するためには、閣議にかけて決定した方針が存在することを要するが、閣議にかけて決定した方針が存在しない場合においても、内閣総理大臣の地位及び権限に照らすと、流動的で多様な行政需要に遅滞なく対応するため、内閣総理大臣は、少なくとも、内閣の明示の意思に反しない限り、行政各部に対し、随時、その所掌事務について一定の方向で処理するよう指導、助言等の指示を与える権限を有するものと解するのが相当である(ロッキード事件丸紅ルート/最大判平7.2.22)。
憲法(10)司法権【岩沼市議会議員出席停止処分事件】
詳細を見る
地方議会の議員に対する出席停止の懲罰は、議会の自律的な権能に基づいてされたものとして、議会に一定の裁量が認められるべきであるものの、裁判所は、常にその適否を判断することができる(岩沼市議会議員出席停止処分事件/最大判令2.11.25)。
行政法【20テーマ】
行政法(1)行政法総論【権限の委任・権限の代理】
詳細を見る
① 権限の委任は、権限を有する行政庁が、その権限の一部を、他の行政機関に移譲して、その行政機関の権限として行使させるものであり、法律の根拠が必要である。② 権限の代理のうち、授権代理は、本来の行政庁の授権に基づき代理権が与えられるものであり、法律の根拠は不要であるのに対し、法定代理は、法律に定められた一定の要件が生じた場合に代理関係が生ずるものであり、法律の根拠が必要である。
行政法(2)行政法総論【行政立法】
詳細を見る
① 内閣は、憲法および法律の規定を実施するために、政令を制定する(憲法73条6号本文)。ただし、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない(73条6号但書)。② 各省大臣は、主任の行政事務について、法律もしくは政令を施行するため、または法律もしくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれの機関の命令として省令を発することができる(国家行政組織法12条1項)。省令には、法律の委任がなければ、罰則を設けることができない(12条3項)。
行政法(3)行政法総論【行政行為の公定力】
詳細を見る
行政処分が違法であることを理由として国家賠償の請求をするについては、あらかじめ当該行政処分につき取消または無効確認の判決を得なければならないものではない(最判昭36.4.21)。このことは、当該行政処分が金銭を納付させることを直接の目的としており、その違法を理由とする国家賠償請求を認容したとすれば、結果的に当該行政処分を取り消した場合と同様の経済的効果が得られるという場合であっても異ならない(冷凍倉庫事件/最判平22.6.3)。
行政法(4)行政法総論【行政刑罰・秩序罰】
詳細を見る
① 行政刑罰は、裁判所が刑事訴訟法の定めにより科す。② 秩序罰としての過料は、(a)法令に違反した者に対しては、裁判所が非訟事件手続法の定めにより決定の形式で科す(非訟事件手続法119条以下)が、(b)条例・規則に違反した者に対しては、普通地方公共団体の長が地方自治法の定めにより行政行為の形式で科す(地方自治法149条3号)。
行政法(5)行政手続法【申請拒否処分】
詳細を見る
申請により求められた許認可等を拒否する処分(申請拒否処分)は、行政手続法における「不利益処分」から除かれている(行政手続法2条4号ロ)。そのため、行政庁は、申請拒否処分をしようとする場合には、意見陳述のための手続(聴聞、弁明の機会の付与)をとる必要はない。
行政法(6)行政手続法【審査基準】
詳細を見る
行政庁は、審査基準を定めるものとする(行政手続法5条1項)。行政庁は、審査基準を定めるにあたっては、許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない(5条2項)。行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない(5条3項)。
行政法(7)行政手続法【処分基準】
詳細を見る
行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない(行政手続法12条1項)。処分基準を定めるにあたっては、不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない(12条2項)。
行政法(8)行政不服審査法【国の機関等に対する処分】
詳細を見る
国の機関または地方公共団体その他の公共団体もしくはその機関に対してする処分で、これらの機関または団体がその固有の資格において当該処分の相手方となるものおよびその不作為については、行政不服審査法の規定は適用されない(行政不服審査法7条2項)。ここにいう固有の資格とは、国の機関等であるからこそ立ち得る特有の立場、すなわち、一般私人が立ち得ないような立場をいう(最判令2.3.26)。これに対し、国の機関等が一般私人と同様の立場で相手方となる処分には、行政不服審査法の規定が適用される。
行政法(9)行政不服審査法【裁決】
詳細を見る
法令に基づく申請を却下し、または棄却する処分の全部または一部を取り消す場合において、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、① 処分庁の上級行政庁である審査庁は、当該処分庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずる(行政不服審査法46条2項1号)。② 処分庁である審査庁は、みずから当該処分をする(46条2項2号)。
行政法(10)行政事件訴訟法【訴えの利益】
詳細を見る
都市計画法によれば、都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、① 「市街化区域」と ②「市街化調整区域」との区分を定めることができる(都市計画法7条1項本文)。判例は、① 市街化区域内にある土地を開発区域とする「開発行為に関する工事が完了し、検査済証の交付もされた後においては、……開発許可の取消しを求める訴えは、その利益を欠くに至るものといわざるを得ない」としている(松戸市開発許可処分等取消請求事件/最判平5.9.10)。これに対し、判例は、②「市街化調整区域内にある土地を開発区域とする開発許可に関する工事が完了し、当該工事の検査済証が交付された後においても、当該開発許可の取消しを求める訴えの利益は失われないと解するのが相当である」としている(鎌倉市開発許可処分取消請求事件/最判平27.12.14)。
行政法(11)行政事件訴訟法【原処分主義】
詳細を見る
処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には、裁決の取消しの訴えにおいては、処分の違法を理由として取消しを求めることができない(行政事件訴訟法10条2項)。
行政法(12)行政事件訴訟法【職権証拠調べ】
詳細を見る
裁判所は、必要があると認めるときは、職権で、証拠調べをすることができる(職権証拠調べ/行政事件訴訟法24条本文)。ただし、その証拠調べの結果について、当事者の意見をきかなければならない(24条ただし書)。なお、裁判所は、当事者が主張しない事実を探索して判断の資料とすること(職権探知)はできない。
行政法(13)行政事件訴訟法【無効等確認の訴え】
詳細を見る
処分の無効確認訴訟を提起し得るための要件の一つである当該処分の効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができない場合とは、当該処分に基づいて生ずる法律関係に関し、処分の無効を前提とする当事者訴訟または民事訴訟によっては、その処分のため被っている不利益を排除することができない場合はもとより、当該処分に起因する紛争を解決するための争訟形態として、当該処分の無効を前提とする当事者訴訟または民事訴訟との比較において、当該処分の無効確認を求める訴えのほうがより直截的で適切な争訟形態であるとみるべき場合をも意味する(もんじゅ訴訟/最判平4.9.22)。
行政法(14)行政事件訴訟法【差止めの訴え】
詳細を見る
差止めの訴えの訴訟要件としての「重大な損害を生ずるおそれ」があると認められるためには、処分がされることにより生ずるおそれのある損害が、処分がされた後に取消訴訟等を提起して執行停止の決定を受けることなどにより容易に救済を受けることができるものではなく、処分がされる前に差止めを命ずる方法によるのでなければ救済を受けることが困難なものであることを要する(東京都教職員国旗国歌訴訟/最判平24.2.9)。
行政法(15)行政事件訴訟法【当事者訴訟】
詳細を見る
当事者訴訟とは、① 当事者間の法律関係を確認しまたは形成する処分または裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの(形式的当事者訴訟)および ② 公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟(実質的当事者訴訟)をいう(行政事件訴訟法4条)。法律の規定を根拠とする損失補償請求訴訟の多く(例:土地収用法上の収用委員会の裁決のうち損失の補償に関する訴え/土地収用法133条2項)は、形式的当事者訴訟であるのに対し、憲法29条3項の規定を直接の根拠とする損失補償請求訴訟は、実質的当事者訴訟である。
行政法(16)国家賠償法【相互保証主義】
詳細を見る
国家賠償法は、外国人が被害者である場合には、相互の保証があるときに限り、適用される(国家賠償法6条)。よって、被害者である外国人は、その外国人の本国において日本国民が同様の損害賠償を請求することができるときに限り、国家賠償法に基づく損害賠償を請求することができる。
行政法(17)地方自治法【議会】
詳細を見る
普通地方公共団体に、その議事機関として、当該普通地方公共団体の住民が選挙した議員をもって組織される議会を置く(地方自治法89条1項)。 普通地方公共団体の議会は、地方自治法の定めるところにより当該普通地方公共団体の重要な意思決定に関する事件を議決し、ならびに地方自治法に定める検査および調査その他の権限を行使する(89条2項)。議会の権限の適切な行使に資するため、普通地方公共団体の議会の議員は、住民の負託を受け、誠実にその職務を行わなければならない(89条3項)。2023年5月の地方自治法の改正により、議会の役割および議員の職務等の明確化が行われた。
行政法(18)地方自治法【住民監査請求】
詳細を見る
住民監査請求をすることができるのは、普通地方公共団体の住民である(地方自治法242条1項)。住民監査請求は、違法もしくは不当な財務会計上の行為または怠る事実(不作為)を対象とする。
行政法(19)地方自治法【住民訴訟】
詳細を見る
住民訴訟を提起することができるのは、住民監査請求を行った普通地方公共団体の住民である(住民監査請求前置主義/地方自治法242条の2第1項)。住民訴訟は、住民監査請求の対象のうち、違法な行為または怠る事実(不作為)を対象とする(不当な行為または怠る事実は住民訴訟の対象とはならない)。
行政法(20)地方自治法【公の施設】
詳細を見る
普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であって当該普通地方公共団体が指定するもの(「指定管理者」)に、当該公の施設の管理を行わせることができる(地方自治法244条の2第3項)。その条例には、指定管理者の指定の手続、指定管理者が行う管理の基準および業務の範囲その他必要な事項を定めるものとする(244条の2第4項)。普通地方公共団体は、指定管理者の指定をしようとするときは、あらかじめ、当該普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない(244条の2第6項)。
民法【20テーマ】
民法(1)意思表示【第三者の保護】
詳細を見る
① 民法93条1項ただし書(相手方が表意者の真意ではないことを知り、または知ることができたとき)による心裡留保の無効は、善意の第三者に対抗することができない(93条2項)。② 虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない(94条2項)。③ 錯誤による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない(95条4項)。④ 詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない(96条3項)。⑤ 強迫による意思表示の取消しは、善意無過失であるか否かにかかわらず、すべての第三者に対抗することができる(96条3項反対解釈)。
民法(2)無効・取消し【原状回復義務】
詳細を見る
無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務(原状回復義務)を負う(121条の2第1項)。もっとも、① 無効な無償行為に基づく債務の履行として給付を受けた者が、給付を受けた当時その行為が無効であること(給付を受けた後に取消しにより初めから無効であったものとみなされた行為にあっては、給付を受けた当時その行為が取り消すことができるものであること)を知らなかったとき、② 行為の時に意思能力を有しなかった者、③ 行為の時に制限行為能力者であった者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う(121条の2第2項、第3項)。
民法(3)時効【時効の完成猶予・更新】
詳細を見る
① 裁判上の請求、② 支払督促、③ 和解または調停、④ 破産手続参加、再生手続参加または更生手続参加という事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決または確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から6カ月を経過する)までの間は、時効は、完成しない(裁判上の請求等による時効の完成猶予/147条1項)。この場合において、確定判決または確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、その事由が終了した時から新たにその進行を始める(時効の更新/147条2項)。
民法(4)動産物権変動【即時取得】
詳細を見る
民法192条の場合(即時取得の要件をみたす場合)において、占有物が盗品または遺失物であるときは、被害者または遺失者は、盗難または遺失の時から2年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる(193条)。占有者が、盗品または遺失物を、競売もしくは公の市場において、または同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者または遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない(194条)。
民法(5)相隣関係【隣地使用権】
詳細を見る
土地の所有者は、所定の目的(① 境界またはその付近における障壁、建物その他の工作物の築造、収去または修繕、② 境界標の調査または境界に関する測量、③ 233条3項による越境した枝の切取り)のため必要な範囲内で、隣地を使用することができる(209条1項本文)。ただし、住家(住居)については、その居住者の承諾がなければ、立ち入ることはできない(209条1項ただし書)。2021年の民法改正により、隣地使用の目的が拡充・明確化された。
民法(6)相隣関係【ライフラインの設備の設置・使用権】
詳細を見る
土地の所有者は、他の土地に設備を設置し、または他人が所有する設備を使用しなければ電気、ガスまたは水道水の供給その他これらに類する継続的給付を受けることができないときは、継続的給付を受けるため必要な範囲内で、他の土地に設備を設置し、または他人が所有する設備を使用することができる(213条の2第1項)。2021年の民法改正により、他の土地にライフラインの設備を設置する権利、他人が所有するライフラインの設備を使用する権利が明確化された。
民法(7)相隣関係【越境した竹木の枝の切取り】
詳細を見る
隣地の竹木の枝が境界線を越える場合において、① 「竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき」、②「竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき」、③「急迫の事情があるとき」は、土地の所有者は、みずからその枝を切り取ることができる(233条3項)。2021年の民法改正により、これらの要件のもとで土地の所有者による枝の切取りが認められた。
民法(8)共有【共有物の管理】
詳細を見る
共有物の変更のうち、その形状または効用の著しい変更を伴わないもの(軽微変更)については、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する(252条1項)。2021年の民法改正により、軽微変更について、全員の同意がなくても、持分の価格の過半数で決定できるものとされた。
民法(9)共有【所定の期間を超えない賃借権等の設定】
詳細を見る
共有物についての所定の期間を超えない賃借権その他の使用および収益を目的とする権利(① 樹木の栽植または伐採を目的とする山林の賃借権等は10年、② それ以外の土地の賃借権等は5年、③ 建物の賃借権等は3年、④ 動産の賃借権等は6カ月) の設定は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する(252条4項)。2021年の民法改正により、所定の期間を超えない賃借権等の設定について、全員の同意がなくても、持分の価格の過半数で決定できるものとされた。
民法(10)共有【所在等不明共有者の持分の取得・譲渡】
詳細を見る
① 不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者(「所在等不明共有者」)の持分を取得させる旨の裁判をすることができる(262条の2第1項前段)。② 不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者(「所在等不明共有者」)以外の共有者の全員が特定の者に対してその有する持分の全部を譲渡することを停止条件として所在等不明共有者の持分を当該特定の者に譲渡する権限を付与する旨の裁判をすることができる(262条の3第1項)。2021年の民法改正により、所在等不明共有者の持分の取得・譲渡に関するルールが明確化された。
民法(11)弁済【第三者の弁済】
詳細を見る
① 「弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者」は、債務者の意思に反して弁済できない(474条2項本文)。ただし、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときは、この限りでない(474条2項ただし書)。②「弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者」は、債権者の意思に反して弁済できない(474条3項本文)。ただし、債務者の委託を受けて弁済をする場合に、そのことを債権者が知っていたときは、この限りでない(474条3項ただし書)。
民法(12)賃貸借【敷金】
詳細を見る
賃貸人は、敷金(賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭)を受け取っている場合に、① 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき、② 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない(622条の2第1項)。
民法(13)使用貸借【借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除】
詳細を見る
使用貸借は、当事者の一方(貸主)がある物を引き渡すことを約し、相手方(借主)がその受け取った物について無償で使用および収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる(593条)。使用貸借において、貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる(593条の2本文)。ただし、書面による使用貸借については、この限りでない(593条の2ただし書)。
民法(14)消費貸借【要物契約としての消費貸借・書面でする消費貸借】
詳細を見る
① 要物契約としての消費貸借は、当事者の一方(借主)が種類、品質および数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方(貸主)から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる(587条)。② 書面でする消費貸借は、当事者の一方(貸主)が金銭その他の物を引き渡すことを約し、相手方(借主)がその受け取った物と種類、品質および数量の同じ物をもって返還をすることを約することによって、その効力を生ずる(587条の2第1項)。
民法(15)不法行為【使用者責任】
詳細を見る
判例は、被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加え、その損害を賠償した場合には、被用者は、使用者の事業の性格、規模、施設の状況、被用者の業務の内容、労働条件、勤務態度、加害行為の態様、加害行為の予防または損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地から相当と認められる額について、使用者に対して求償(逆求償)することができるとしている(最判令2.2.28)。
民法(16)嫡出の推定【母の再婚後に生まれた子】
詳細を見る
① 妻が婚姻中に懐胎した子は、当該婚姻における夫の子と推定される(772条1項前段)。② 女が婚姻前に懐胎した子であって、婚姻が成立した後に生まれたものも、当該婚姻における夫の子と推定される(772条1項後段)。2022年の民法改正により、嫡出推定制度の見直しが行われて、母の再婚後に生まれた子を再婚後の夫の子と推定する規律が追加された。
民法(17)嫡出の推定【子の出生までの間に複数の婚姻をしていたとき】
詳細を見る
女が子を懐胎した時から子の出生の時までの間に2以上の婚姻をしていたときは、その子は、その出生の直近の婚姻における夫の子と推定される(772条3項)。2022年の民法改正により、嫡出推定制度の見直しが行われて、女性が子を懐胎した時から子の出生までの間に複数の婚姻をしていたときは、その子を、その出生の直近の婚姻における夫の子と推定する規律が追加された。
民法(18)相続【相続財産管理制度】
詳細を見る
家庭裁判所は、利害関係人または検察官の請求によって、いつでも、相続財産の管理人の選任その他の相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる(897条の2第1項本文)。ただし、① 相続人が1人である場合(単独相続)においてその相続人が相続の単純承認をしたとき、② 相続人が数人ある場合(共同相続)において遺産の全部の分割がされたとき、または ③ 952条1項により(相続人のあることが明らかでない場合の)相続財産の清算人が選任されているときは、この限りでない(897条の2第1項ただし書)。2021年の民法改正により、相続が開始した後に暫定的な遺産共有状態にある相続財産の保存に必要な処分を命ずる新たな相続財産管理制度が設けられた。
民法(19)相続【具体的相続分による遺産分割についての時的限界】
詳細を見る
相続開始の時から10年を経過した後にする遺産の分割については、① 「相続開始の時から10年を経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき」、②「相続開始の時から始まる10年の期間の満了前6箇月以内の間に、遺産の分割を請求することができないやむを得ない事由が相続人にあった場合において、その事由が消滅した時から6箇月を経過する前に、当該相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき」を除き、特別受益や寄与分を考慮した具体的相続分ではなく、法定相続分(または指定相続分)を基準とする(904条の3)。長期間経過後に特別受益や寄与分を考慮することは極めて困難であることから、2021年の民法改正により、具体的相続分による遺産分割についての時的限界が設けられた。
民法(20)相続【遺産共有と通常共有が併存する場合】
詳細を見る
共有物の全部またはその持分が相続財産に属する場合において、共同相続人間で当該共有物の全部またはその持分について遺産の分割をすべきときは、原則として、当該共有物またはその持分について裁判による分割をすることができない(258条の2第1項)。もっとも、共有物の持分が相続財産に属する場合において、相続開始の時から10年を経過したときは、相続財産に属する当該共有物の持分について裁判による分割をすることができる(258条の2第2項本文)。ただし、遺産の分割の請求があった場合において、相続人が裁判による分割をすることに異議の申出をしたときは、この限りでない(258条の2第2項ただし書)。2021年の民法改正により、遺産共有と通常共有が併存する場合において、相続開始時から10年を経過したときは、遺産共有関係の解消も共有物分割訴訟において実施できるものとされた。
商法・会社法【5テーマ】
商法・会社法(1)商法【商人間の売買】
詳細を見る
商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない(商法526条1項)。この場合において、買主は、検査により売買の目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないことを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その不適合を理由とする履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求および契約の解除をすることができない(526条2項前段)。もっとも、売買の目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないことにつき売主が悪意であった場合は、この限りでない(526条)。
商法・会社法(2)会社法【株式会社の設立】
詳細を見る
① 発起設立においては、設立時取締役は、その選任後遅滞なく、株式会社の設立の手続が法令または定款に違反していないこと等を調査しなければならず(会社法46条1項)、その調査により、法令もしくは定款に違反し、または不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない(46条2項)。② 募集設立においては、設立時取締役は、その選任後遅滞なく、株式会社の設立の手続が法令または定款に違反していないこと等を調査しなければならず(93条1項)、その調査の結果を創立総会に報告しなければならない(93条2項)。
商法・会社法(3)会社法【役員等の選任・解任】
詳細を見る
① 役員(取締役・会計参与・監査役)および会計監査人は、株主総会の普通決議によって選任する(会社法329条1項、309条1項)。② 役員(取締役・会計参与・監査役)および会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる(339条1項)。(a)累積投票により選任された取締役・(b)監査等委員である取締役・(?)監査役を解任する場合は、株主総会の特別決議によらなければならない(309条2項7号)。
商法・会社法(4)会社法【社外取締役】
詳細を見る
監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法に基づく有価証券報告書の提出義務のある株式会社には、社外取締役を置かなければならない(会社法327条の2)。
商法・会社法(5)会社法【監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会】
詳細を見る
① 監査等委員会設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、監査等委員会が選定する監査等委員は、取締役会を招集することができる(会社法399条の14)。② 指名委員会等設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、指名委員会等(指名委員会・監査委員会・報酬委員会)がその委員の中から選定する者は、取締役会を招集することができる(417条1項)。
一般知識・諸法令【15テーマ】
一般知識・諸法令(1)行政書士法【独占業務】
詳細を見る
行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録を作成する場合における当該電磁的記録を含む。)その他権利義務または事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする(行政書士法1条の2第1項)。これは、行政書士の法定独占業務であり、行政書士または行政書士法人でない者は、原則として、これを業とすることができない(19条1項本文)。
一般知識・諸法令(2)行政書士法【非独占業務】
詳細を見る
① 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を官公署に提出する手続および当該官公署に提出する書類に係る許認可等に関して行われる聴聞または弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為(弁護士法72条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く。)について代理することを業とすることができる(行政書士法1条の3第1項1号)。② 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、およびその手続について官公署に提出する書類を作成することを業とすることができる(1条の3第1項2号)が、当該業務は、当該業務について日本行政書士会連合会がその会則で定めるところにより実施する研修の課程を修了した行政書士(特定行政書士)に限り、行うことができる(1条の3第2項)。③ 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成することを業とすることができる(1条の3第1項3号)。④ 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずることを業とすることができる(1条の3第1項4号)。
一般知識・諸法令(3)個人情報保護【仮名加工情報】
詳細を見る
「仮名加工情報」とは、個人情報保護法2条5項1号2号に掲げる個人情報の区分に応じて当該各号に定める措置を講じて他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報をいう(個人情報保護法2条5項)。ある情報が「仮名加工情報」に加工されたときは、他の情報と照合すれば特定の個人を識別することができる程度に加工されたものであるから、基本的には「個人情報」に該当する。
一般知識・諸法令(4)個人情報保護【匿名加工情報】
詳細を見る
「匿名加工情報」とは、個人情報保護法2条6項1号2号に掲げる個人情報の区分に応じて当該各号に定める措置を講じて特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元することができないようにしたものをいう(個人情報保護法2条6項)。ある情報が「匿名加工情報」に加工されたときは、「個人情報」に該当しないものとなる。
一般知識・諸法令(5)情報通信【デジタル庁】
詳細を見る
内閣に、デジタル庁を置く(デジタル庁設置法2条)。デジタル庁の長は、内閣総理大臣とする(6条1項)。内閣総理大臣は、デジタル庁の事務を統括し、職員の服務について統督する(7条1項)。これに対し、デジタル大臣は、内閣総理大臣を助け、デジタル庁の事務を統括し、職員の服務について統督する(8条3項)。
一般知識・諸法令(6)情報通信【NFT】
詳細を見る
NFT(Non Fungible Token/非代替性トークン)とは、ブロックチェーン技術を使い、デジタルデータに唯一性を付与して真贋性を担保する機能や、取引履歴を追跡できる機能を有する、偽造・改ざん不能のデジタルデータのことをいう。
一般知識・諸法令(7)政治【選挙制度】
詳細を見る
2018年の公職選挙法の改正により、参議院議員の比例代表選挙について、優先的に当選人となるべき候補者の氏名を他の候補者の氏名と区分して名簿に記載する「特定枠」の制度が導入された。これに対し、衆議院議員の比例代表選挙については「特定枠」の制度は導入されていない。
一般知識・諸法令(8)政治【コンセッション方式】
詳細を見る
2018年12月の水道法の改正により、公共施設の運営権を民間事業者に設定する方式(いわゆるコンセッション方式)について、地方公共団体が水道事業の認可を受けたまま、運営権を民間事業者に設定できる仕組みが創設された。これを受けて、2022年4月から、宮城県において、水道分野では初めてとなるコンセッション方式による事業が開始された。
一般知識・諸法令(9)経済【TPP11協定】
詳細を見る
2017年1月にアメリカがTPP協定からの離脱を表明したことを受けて、アメリカ以外の11カ国(オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム)の間で協定の早期発効を目指して協議が行われ、2018年3月に11カ国によるTPP11協定(CPTPP/環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)が署名された(2018年12月発効)。2021年2月に、イギリスが、発足11カ国以外では初めて加盟を申請した(2023年7月にイギリスの加盟が正式に承認された)。
一般知識・諸法令(10)経済【RCEP協定】
詳細を見る
RCEP(地域的な包括的経済連携)協定は、ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国および日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国が参加する経済連携協定として、2020年11月に署名された(2023年6月までに日本を含む14カ国で発効した)。なお、当初はインドも交渉に参加していたが、2019年11月以降、インドは交渉に参加していない。
一般知識・諸法令(11)社会【こども家庭庁】
詳細を見る
2022年6月に制定された「こども家庭庁設置法」により、各府省庁に分かれていたこども政策に関する総合調整権限を一本化するために、2023年4月から内閣府の外局として「こども家庭庁」が新設されることになった。それと同時に、こども施策を総合的に推進するための包括的な基本法である「こども基本法」も制定された(2023年4月施行)。
一般知識・諸法令(12)社会【消費者契約法】
詳細を見る
① 消費者契約法の規定による 取消権の行使期間は、取引の安全確保や法律関係の早期の安定に対する要請から、民法の規定による取消権の行使期間よりも短いもの(原則として追認できる時から1年間、契約の締結の時から5年)と規定されている(消費者契約法7条1項)。② 2022年12月の消費者契約法の改正により、霊感等による知見を用いた告知に係る勧誘に対する取消権の行使期間は、正常な判断を行うことができない状態から抜け出すためには相当程度の時間を要するという指摘などを踏まえて、消費者契約法における他の取消権の行使期間よりも長いもの(追認できる時から3年間、契約の締結の時から10年)に変更された(2023年1月施行)。
一般知識・諸法令(13)社会【特定商取引法】
詳細を見る
2021年6月の特定商取引法の改正により、① 送り付け商法への対策として、注文や契約をしていないにもかかわらず、金銭を得ようとして一方的に送付された商品については、事業者は直ちに返還を請求することができなくなることから、消費者は直ちに処分することができるようになった(2021年7月施行)。② 詐欺的な定期購入商法への対策として、チラシやカタログで行う通信販売における申込書面や、インターネットを利用した通信販売における最終確認画面において、商品の分量や販売価格などの事項を表示することが義務づけられた(2022年6月施行)。
一般知識・諸法令(14)社会【プラスチック資源循環促進法】
詳細を見る
従来は、同じプラスチックという素材であるにもかかわらず、「プラスチック製容器包装」以外のプラスチック使用製品については容器包装リサイクル法の対象にならず「燃えるごみ」として収集・処分されるという分かりにくい状況にあった。そこで、2021年6月に制定されたプラスチック資源循環促進法(「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」)により、「プラスチック製容器包装」のみならずそれ以外のプラスチック使用製品についても、製品の設計から廃棄物の処理までのリサイクルを可能とする仕組みが設けられた (2022年4月施行)。
一般知識・諸法令(15)社会【出入国管理】
詳細を見る
2023年6月の入管法(「出入国管理及び難民認定法」)の改正により、条約上の「難民」ではないものの「難民」と同様に保護すべき紛争避難民などを確実に保護する「補完的保護対象者」認定制度の創設(2023年12月1日施行)などの措置が講じられた。2023年12月1日から「補完的保護対象者」の認定制度が開始された。