林 道郎 さん(59歳)
LECの多彩な講座を活用し尽くし、自分に最適な学習手法の確立を!
受験回数 | 2回(お試し受験含む) |
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主な受講講座 | 2020年合格目標 パーフェクトコース+直前対策講座 |
受講形態 | 通学(横浜本校) |
学習開始時期 | 2020年4月 |
行政書士を目指した理由・きっかけ
これまで職務上、外国法や国際協定に触れる機会がありました。片や、肝心の自国法については体系的に勉強した経験に欠けていたため、この際にと思い立ちました。前回の受験から長期に渡る空白期間があり、今更感があったのも事実です。しかし、私にとって学習に踏み切るタイミングとして重要な契機になったのが、民法の大改正でした。極めて重要な法律の根幹を動かすような出来事で、それを理解できるようになるだけでも価値を感じました。取り組むのなら今こそ、と確信しました。学習を通じて習得した知識はその後、実際に職務に役立っています。
LECを選んだ理由
受験を思い立ったのが、試験まで7ヶ月というタイミングでした。厳しいフルタイム常勤の傍らで比較的短期のうちに合格に挑む以上は、コストが高いとしても、間違いのない指導を期待できそうなところで学びたいと考えました。複数講師による通学講座・Web受講が並行して進められ、相互に乗り入れ可能というところも魅力でした。
合格への道のり
私の場合、試験までの準備期間は7ヶ月と限られていました。また、ほとんどの受講生と同様、フルタイムの勤務を担いながらの受験です。それでも、結果的にまずまずの高得点を頂戴することができたのは、本当にありがたいことと受け止めています。LECからはそのきっかけを与えていただいたわけで、心から感謝しています。もっとも、授業を受けさえすれば当然に実力が付くわけではありません。当たり前ですが、合格をもたらす「魔法の杖」を振ってくれるはずもありません。学校とはそういうものではなく、学びをお手伝いいただけるありがたい存在に過ぎないのです。これを常に念頭に置き、学習を進めました。換言すれば、「教えてもらおう」「先生についていく」という発想を持っている人は、少し考え方を改めた方が良いかもしれません。もちろん、ご指導やアドバイスは貴重です。そうだとしても、それをどう自分のものにしていくのか、自分の意志(意思ではなく)と行動こそが問われます。また、大切なことは、自分が何を理解できているのかを常に凡そ把握しておくことかもしれません。それができていれば、何をしっかり吸収すべきなのかが見えてくるからです。また、その場でそれが覚束ないほど難しいようなら、「質問」として表現するようにしていました。ちなみに、本質的な理解度は「論点を捉えて適切に問えるか」という尺度でおよそ測ることができるというのが私の考えです。実力試しの機会に先立っては、詰め込み学習で臨みました。世には「詰め込み」批判が山と溢れています。しかし、自分の体験からすると、それもあながち悪くありません。その結果として、答練での正答率が8割を切ったことが科目を問わず1度もなかったりしたからです。すなわち、基礎的な水準では即効的な効果を発揮してくれそうです。なお、「付け焼刃などすぐこぼれる」というのが一面の真実であるのに異論はありません。ただ、こぼれたとしても粘り強く付け直せば、最後には立派な刀になってくれたりもするものです。いずれにせよ、道筋だけは見失わないよう、自分なりの戦術・手段を手探りで確立していきましたこのように、準備は尽くしたつもりでした。もっとも、試験会場では悔いの残る失敗の連続。択一マークミスや解き忘れなど単なるうっかりミスで、12点から20点弱くらい失点してしまいました。私ほど不注意でなくても、多かれ少なかれそういうことはあるかもしれません。それでも合格できたのは、そんなバカみたいな失敗をカバーできる得点を他に稼げていたからです。幅広く緻密な学習はやはり必要で、実際にそういう努力を積み重ねていて本当に救われました。
LEC行政書士講座カリキュラム・教材の良かった点、有効な活用法
フルタイム勤務の中で短期集中の学習に臨むには、限られた時間の有効活用が必須です。合格講座では、各本校間でのクラス相互の乗り入れを含め、多彩なメニューが提供されています。「Webフォロー」もその1つで、非常に使えるツールです。なお、Web “フォロー”とありますが、実は予習として活用するのが、効果的かもしれません。私自身の場合は学習開始が緊急事態宣言直前だったため、苦肉の策として、Web受講から入らざるを得ませんでした。結局「巣ごもり」期間中に、ほぼ全教科をスピード聴講しました。通勤せずに済んで得られた時間を費やすことができる結果になったことだけは、幸運でした。やがて宣言明けになり改めて教室受講を再開しましたので、これが結果的に予習として機能したことになります。今思えば、とても有益な学習準備になりました。このほか、合格講座の「クラス間乗り入れ制度」のシステムも、他校ではほとんど考えられないサポートだと思います。講師によって教え方も力点も異なるので、部分的に受講してみても得られるところも大きいと思います。
LEC行政書士教材の良かった点、有効な活用法
テキストには、正確で法律に忠実な情報が満載です。知識の確認に頼りになります。もっとも、特に初学者にとって、正確な情報がわかりやすいとは限りません。また、他校でも同様かもしれませんが、法律に忠実なばかりに構成が捉えにくくなっているところもあります。これを補うため、自分がしっかり理解できているものか、全体像を捕らえきれているものか、折に触れて自分に問い直しながら読み下していくことが大切でしょう。授業は、まさしくそのためのヒントを与えてくれる機会です。
講師のここが良かった
数々の先生にお世話になりました。知識・技能深化の必要性を感じているため、今なお講座を継続し、結果的に東京近辺で講義される先生の授業はすべて生で複数回聴講したことになります。とりわけ加藤先生、二藤部先生、日高先生、横溝先生、伊坂先生に感謝申し上げます。
加藤先生の講義は、際立って特徴あるものでした。内容的にも、単なる試験対策講座にとどまりません。テキストに全く依拠しない授業は、熱い語り口とともに刺激的でした。個人情報保護や会社法の講義がとくに貴重で、新旧民法を対照させた独自資料などに価値があります。随時開催の演習も、優れた訓練機会でした。重要条文番号を覚えておく有用性を語られたのも、唯一、加藤先生でした。試験で条文番号自体が問われることは、確かにありません。しかし、理解を深めるため条文に立ち返り調べを進めるには、優れたヒントになります。そうした先生のお人柄ということもあってか、受講生同士の意思疎通が非常に活発でした。有志間でLINEによる情報交換も進められ、学習意欲の維持・向上、見過ごしがちな受験情報の交換など、心強い支えになりました。そうした仲間にも感謝しています。
二藤部先生の説明は初学者にも平易で、円滑に理解を進めることができます。私自身は夏以降の限られた期間、しかも日程的に平日1回の聴講が限界でしたが、行き詰まり感のある方や法律を初めて学ぶ方には特にお勧めです。独自問題による記述対策演習も優れた機会でした。補助資料が最小限なので、追加的な受講にも適しています。
日高先生には本来、教室で学ばせていただく前提で講座を申し込み、実際、当初は通学聴講させていただいていました。しかしその矢先に新型コロナ禍となり、以降は叶わなくなってしまいました。ただ、その後もWeb・音声で講義をフル活用させていただいています。なお、外出時等、資料を開いて学習するわけにいかない時は、音声聴講で心掛けてきました。今では、そのほとんどが日高先生の講義です。また、法律理解がある程度まで進んだ段階で聴講してみると、先生の深く正確な知見に触れることができます。ですので、復習の際には特にお勧めできます。
横溝先生には、この体験記でも数多くが言及されると思います。ですから、主にWeb聴講だった私からあえて重複して多くを語るまでもないかもしれません。あえて申し上げると、とくに学習初期段階で大きな推進力となったのが、わかりやすさを重視した先生の講義でした。この場を借り、感謝申し上げます。
伊坂先生は受験後のコンサルテーションと新年度に入ってからの授業でお世話になりました。高次資格も保有されているとのことで実務に根差したご指摘は何とか合格できる程度の力を持たせていただいた現状でも有用です。
LECのサポート制度で良かった点
LECの講座の優れているところの1つは、手厚い学習フォローにあると思います。それらなくしては、フルタイム勤務を続けながら、比較的短期のうちにそこそこ高得点で合格させていただけることもなかったかもしれません。「教えてチューター」は有用でした。教室受講ならその場で質問するのもできなくはありません。しかし、後になって迷いが生じることもあれば、いわゆるセカンドオピニオンが欲しくなることもあります。また、まさに試験前日に質問したことが、実際の試験問題に出てきたりもしました。おそらく私はそのヘビーユーザーの1人でした。度重なるご回答には、感謝でいっぱいです。また、講義の「Webフォロー」もフルに活用させてもらいました。自分勝手に都合の良い時間に受講できるのが、最大の利点です。高速で聴講したり停止したり視聴し直したりもできるのも優れています。生講義を凌駕する特長と思います。私の場合は、基本的に2倍速で視聴していました。同時に、「理解を深めたい」「定着させたい」ところに至った時には、進行を止めて頭を整理し直しました。合格講座のWeb講義では、複数講師を選択できるのが特長です。Webフォローでは、主力科目の行政法や民法などで全く異なる教授方針を持つ2人が講義を受け持たれているため、多重視聴も無駄にはなりませんでした。
これから行政書士を目指す方への応援メッセージ
受験に「苦行」のような側面があるのは事実です。今さらそのようなことに臨むこと自体に辟易とされる方もいるかもしれません。しかし、その過程で吸収できたことは、将来にわたって役に立つことばかりです。目の前の苦しさに、心が折れてしまわないようにしていただければと思います。関連で、1つ付け加えます。何らかの知識・能力を蓄えるため最も効率的な方法こそが、受験勉強ということです。これは、特に社会人には間違いのない真実でしょう。仕事を合わせ持つ社会人には、通常「回り道しながら、じっくり理解を深める」などという余裕などないはずだからです。今回も、フルタイム勤務の傍らで短期集中学習に取り組んだ結果として、改めて確信しました。なお私は、他にもいくつか資格試験に挑んだ体験があります。その対策で得られた学習成果は、受験後も長期にわたって持続し、効果を実感してきました。最後に、傍論を1点。「行政書士は6割得点できれば合格できる。難しいことは最初から切り捨てて、基礎だけ押さえておけば十分」などと主張する業者もあると聞きます。しかし「出題予測」など、ほとんど当たりません。実際、少なくとも2020年度に限っては、学校・講師が軒並み予想を大きく外していたようです。また、一般的に「難問」とされても、必ずしも実際に解法の糸口も見つからないわけでもありません。難問というのは一般的な平均正解率が低いというだけで、ポイントが押さえられていればそれなりに勝ち目も出てきます。そういう風説には、あまり乗っからない方が良いかもしれません。今後の試験に取り組まれる受験生の皆さんに、私の限られた経験が何らかの参考になるところがあれば、たいへん幸いです。