合格には「時間内に書く練習」が必須
M・N さん
年齢 | 44歳 |
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大学 | 京都大学(法学部)卒業 |
予備試験合格時 | 社会人 |
LEC受講歴 | ハイレベル論文答練、論文公開模試、口述模試 |
※本体験記は、合格発表日を基準として年齢等を記載しています。
法曹を目指したきっかけ
私はもうすぐ40代半ばに差し掛かろうとしています。息子が中学になり、その後の受験を見据えた際に、息子と一緒に何か勉強できればいいなと考え出したのが最初のきっかけになります。また、定年後の人生を考えたときになにか資格があってもいいかなと思ったり、会社で法務部門に所属していたときに、部下に社内弁護士が何人かいたこともあり、法律や弁護士に対して特に抵抗がなかったことからなどから、予備試験の受験を決めました。
LECを選んだ理由
以下の受験で失敗した点にも書いていますが、予備試験の天王山といわれる論文式試験の課題は、「時間内に求められた論文を書く」という非常にシンプルなものであるにもかかわらず、これが非常に難しいと、2回の論文落ちを経て、漸く認識しました。ただ、私の住んでいる地域には答練を会場受験できる予備校がありませんでした。通信で答練を受けることも考えたのですが、やはり1科目70分で答案を取り上げてもらえる環境が必要と考え、この理由一択で他の予備校は選びませんでした。加えて、LECはこれまでの実績等も十分なので、出される問題、採点者、回答など、答練を取るにあたって気になるような点に関してもまったく心配しませんでした。
仕事や学業、家庭との両立のコツ(時間活用術)
始めた当初は、隙間時間の活用を意識していましたが、2回目の論文がダメだった際に知識の定着などを振り返ってみると、隙間時間の勉強ってやった気になっていただけで、深い理解まで及んでいないと思いました。結局、メインの論文では、深い学習が必要になりますので、最後の1年はいかに座って勉強できる時間を確保できるかに神経を使いました。夜は会社のカフェで11時まで勉強したり、土日休日休暇はできる限りの間をLECの自習室やその他の勉強できるスペースで過ごしていたと思います。ただ、受験を会社には話してませんでしたし、そもそも会社から配慮してもらうつもりはなかったこともあり、仕事の効率化が、勉強時間の確保につながりますので、その効率性はトコトンまで追求したと思います。
受験勉強を通じて「失敗したこと」「成功したこと」
私は勉強開始して最終合格まで4年かかっています。最初の1年は、1月に思い立ってギリギリに願書を出して、3月くらいから勉強を開始したので、実質3か月程度ですが、そんな状態なので、択一までに勉強したことは他社の出している短答アプリを空いている時間でやっていた程度です。なので、もちろん短答に落ちたのですが、結果あと5点くらいだったので、そのこと自体はその後のモチベーションにはなりましたが、一方で非常に悔しかったので、なんとか論文まで行きたいと強く思ったこともあり、2年目の勉強は短答の学習が中心でした。やったことは過去問を時間内に合格点撮れるようにすること。私は、焦ると文章が目に入ってこなくなることがよくわかっていたので、できるだけ分量の少ない科目を先にやるなど、合格するための分析は徹底しました。その結果、翌年の短答には合格したものの、そこから論文の勉強を開始したこともあり1回目の論文本番はまったく歯が立たない状況で、実際に成績もFがほとんどでした。そこで、実感したのは、結局論文を見据えた勉強をしておかないとまったく意味がない、正直短答は片手間くらいの感覚でやらないと合格はおぼつかないということです。なので、3年目は論文の勉強を中心に勉強していましたが、当時は法務部門にいたこともあり、部下の社内弁護士から回ってくる書面を審査するような立場にいましたので、書くことはまぁできるだろうと、根拠のない自信で本番まで書く練習はほとんどしていませんでした。2回目論文の発表は出張帰りの新幹線内で確認したところ、かなりショックで、何かを変えないとこの時間が続くのではないかと、焦ったのを覚えています。で、変えるなら何か、新幹線で熟考しましたが、やはり書かないといけないと。ここが変えるポイントだろうと決意し、新幹線から降りてそのまま答練を申し込みに行きました。論文式試験は、70分で1通書きますが、本番は1,000mダッシュを10本繰り返すような、かなりタフなことが求められます。また、問題文を見たすぐにある程度書くべきことに反応できるだけの瞬発力もなければ、書くべきことが書ききれない試験です。このため、「時間が来たら、強制的に答案を取り上げられる」環境を作ることが必要と感じたからです。これを実感するまで、3年かかったことが私の失敗だったと思います。一方で、その後はこれまでの反省を振り返り、将来的には司法試験が待っていますので、それも意識した勉強を行うなかで、司法試験の「出題趣旨」や「採点実感」に出会いました。ここには、司法試験委員会の問題意識が凝縮されています。今年の試験でも非常に役に立ったと思っています。これが私の成功例だと思っています。
LECに通ってここが良かった
良かった点は、上記のとおり、通って書ける答練が開催されていたことの一択になるのですが、それ以外でも、社会人だと、勉強仲間がいないので非常に孤独な戦いが待っています。かなりの時間を自習室で過ごしましたが、誰かと話したりしたわけではないのですが、一緒に勉強する仲間がいるという気持ちになれ、個人的には非常に心強かったです。また交通の便がいいところにあるので、通い易かった点も個人的には非常に助かっていました。
LECの講座の良かった点
ハイレベル論文答練
他のところでも詳しく書いていますが、論文式の合格には時間内に書く練習が不可欠ですが、私の住んでいる地域で答練を会場受験のできるのがLECのこの答練だけだったのと、毎週土曜の夜に答練が開催されていたので、社会人には非常に好都合だったこと、この2つがこの答練を受けようと思った理由になります。(ちなみに来年の司法試験に向けても、書く力の維持のために、この答練を受けようと思っています)出される問題は、基本的だけどなかなか書ききれないものが多く、一定の質が維持されていると感じていました。また、土曜に受けたら、原則として翌週の木曜日ないし金曜には答案が返却されていたので、反省点を確認して、その直後に次の答練に臨めるサイクルでしたので、それも書く力の向上に直結したと感じています。
論文公開模試
直前模試は、私の住んでいる地域では、平日夜5日間で実施されていたので、論文直前の勉強に集中しなければならない週末をつぶすことなく対応できたので非常に助かりました。今年から選択科目が始まりましたが、本番前に未知の問題に対して書く練習ができたことは非常に大きかったと思います。答練と合わせて受けることで、かなり穴をつぶせると思いますし、特に社会人にとっては論文直前に本番と同じ時間で書く契機にはなりますので、是非受講すべきだと思います。
口述模試
来年度は発表から試験まで1か月あるので今年と少し変わるかもしれません(かえって大変になるかもしれません)が、口述試験へは、わずか2週間で、知識の詰込みと共に、形式への慣れが必要になります。このため、口述経験者は全員、模試の必要性について口を揃えます。私も実際そう思いますし、また無事に取れたのでよかったですが、模試は合格者で取り合いになりますので、発表当日はその認識が必要です。ただ、他と比べると圧倒的にLECの対応が丁寧で、フォローもしっかりしていたと思います。他の予備校では、オンラインでかなり流れ作業的に終わってしまって、「点数は〇点、何かありますか」でほとんど何も聞ける余裕がないって感じでした。一方で、LECの模試は、質問者が1名であること以外は、部屋に入るところから本番を意識された内容になっています。特に、先生に本番の経験があるからか、誘導が非常にうまく、事前にLECの模試を受けておいたことで、本番かなり落ち着いて受験できました。また、模試は本番1週間前だったのですが、非常に不安を募らせていた私に、予定の1時間をはるかに超過して、いろんな言葉をかけくださり、精神的にも落ち着いて、残りの1週間を過ごすことができたと感じています。