私を予備試験合格まで導いてくれた「思考方法」と「一貫指導」
D・T さん
年齢 | 30歳 |
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大学 | 大阪大学(法学部) 卒業 |
予備試験合格時 | 社会人 |
LEC受講歴 | 入門講座を含むコース(入門講座、論文基礎力養成答練)、予備試験直前パック |
※本体験記は、合格発表日を基準として年齢等を記載しています。
法曹を目指したきっかけ
私は、大学卒業後の数年間、民間企業で働いておりましたが、組織の一員として働くことに大きなやりがいを感じる一方で、会社で様々な経験を積んでいくにつれて、自分の将来について考える機会が多くなっていきました。そして、やがては自分が生まれ育った地元に戻って、社会貢献をしたいと考えるに至りました。そのためには、高度の専門性と十分な社会経験が必要不可欠であると感じ、弁護士という職業を志すようになりました。また、「最強の自由業」として自らの裁量に基づき様々な案件を手掛けることのできる点にも大きな魅力を感じました。
LECを選んだ理由
赤木先生が講義コンセプトとして掲げられている「当事者目線」と「条文至上主義」が、非常に合理的な思考方法であると感じたからです。将来の実務にも通じる思考方法でありますが、現行の予備試験および司法試験の論文式試験が具体的な事件を想定した事例問題であることを踏まえると、受験生が是非とも念頭に置いておくべき大きな指針であるように思います。また、法律基本7科目の指導と、入門講座から2年目講座に至るまでの指導を赤木先生が一貫して行っている点にも大きな魅力を感じました。各科目間には(とりわけ同じ系統内においては)自ずと関連性がありますし、基礎知識の習得も論文式試験を意識するのとしないのとではその後の実力の伸びに大きく差が出るように思います。このように、一貫指導を行うLECを選んだことにより、「縦(学習進度)」・「横(科目)」の両面でブレなく効率の良い学習ができたように思います。
仕事や学業、家庭との両立のコツ(時間活用術)
ありきたりかもしれませんが、仕事や学業、家庭と受験勉強を両立させていく上で重要なのは「スキマ時間の活用」と「取捨選択」だと思います。私自身、入門講座を受講していた時期には、会社員としてフルタイムで働いていました。自宅から勤務先まで電車で片道30分ほどであったため、赤木先生オリジナルの復習用教材や適宜配布されていたポイント集などの持ち運び可能な教材を使って入門講座の復習をするなどして、通勤時間を活用していました。また、最低限やるべきこと(AAランクやAランク、Bランク部分の理解と関連条文の検索)とやらなくてよいこと(短答プロパーであるCランクやDランク部分の暗記)を峻別し、前者に集中的に時間を投じました。司法試験業界では、情報と教材が大量に出回っているので、その全てを網羅することは不可能です。限られた時間を有効に活用するという点ではもちろん、精神衛生上も、手を広げすぎないという姿勢は肝に銘じておくべきように思います。
受験勉強を通じて「失敗したこと」「成功したこと」
「失敗した」と思うことは、短答式試験の対策が不十分なものとなってしまったことです。論文式試験が天王山である一方で、合格答案作成講座が終了した年末段階で当初の想定よりも自分自身の答案作成能力が未熟であると感じていたため、年が明けてもしばらくは論文式試験の対策に注力していました。しかし、その結果、短答式試験直前に慌てることとなり、実際の成績も芳しくないものだったため、今振り返れば、ある程度割り切って年明け後すぐに短答式試験の対策に注力すべきであったと思います。
「成功した」と思うことは、1年目から論文式試験を意識した学習をすることができたことです。そのおかげで、2年目の問題演習にスムーズに移行することができたように思いますし、こうして天王山である論文式試験を突破して、当初の計画通り2年間の学習で最終合格まで辿り着くことができたように思います。
LECに通ってここが良かった
合格サポート制度という手厚いサポートが非常に良かったです。特に、口述模試はあの独特の緊張感を事前に経験することができる非常に貴重な機会となり、おかげで口述試験当日は自信をもって臨むことができたように思います。最終合格までサポートしていただけるLECは最後まで心強い存在でした。そして、私は梅田駅前本校に通っていたのですが、赤木先生やスタッフの皆様には大変お世話になりました。赤木先生には「一貫指導」で予備試験合格に導いていただき、スタッフの皆様には何度も柔軟なご対応をしていただきました。LECなくして今回の私の合格はなかったと思います。LECでお世話になった皆様に、この場をお借りして、感謝申し上げます。
LECの講座の良かった点
入門講座&論文基礎力養成答練
私は、赤木先生の入門講座を受講しました。赤木先生の講義の特徴は、「当事者目線」と「条文至上主義」というコンセプトのもと、予備試験および司法試験の天王山である「論文式試験」を強く意識した内容となっている点にあります。そして、初学者向けの講座として位置づけられているこの入門講座においても、それは例外ではありませんでした。条文については、その条文が当事者の主張反論の中でどのように使われるのか、判例については、その判例は当事者の主張反論として理解するとどのように構成されるのか、といった観点から解説がなされており、基礎知識を「論文式試験」の事例問題を解くために必要な形で(当事者の主張反論という土台に乗せて)習得することができました。そして、「論証パターン」重視の「論点至上主義」に陥ることなく、条文を起点に思考する訓練をすることができた点も大きいです。このように、私が学習1年目で「当事者目線」と「条文至上主義」をコンセプトに掲げられている赤木先生の入門講座を受講することができたのは、今後の学習を進めていく上で非常に重要なことだったと思います。また、私は上記の入門講座と並行する形で、赤木先生の論文基礎力養成答練を受講しました。この答練は、入門講座で習得した知識を実践する場として非常に有用だったと思います。自分が作成した答案の添削もしていただけるため、自分に足りない点を的確に見定める上で役立ちました。赤木先生の解説講義では毎回思考過程を示していただき、学習1年目にして、実際に現場でどういう道筋で試験問題を解いていくべきか、という点について明確になりました。学習2年目の本格的な問題演習の段階にスムーズに移行するという観点からも入門講座と並行して受講してよかったと思います。
合格答案作成講座
私は、入門講座・論文基礎力養成答練に引き続き、赤木先生の合格答案作成講座を受講しました。この講座は、講義編と答案作成編に分かれていますが、何といっても答案作成編が本講座の真骨頂です。いずれの科目においても、体系順に旧司法試験や法科大学院の過去問を大量に解いていき、最後の総仕上げとして予備試験の過去問を解きます。この講座では、事前に講義で取り扱う問題について答案構成をすることになりますが(私の場合、毎回一問は答案化しました)、この一連の作業を繰り返すことを通じて、飛躍的に答案作成能力を向上させることができたように思います。そして、講義では赤木先生が思考過程はもちろんのこと、事実評価のコツや形式面の細かいテクニカルな部分に至るまで答案作成に関わるあらゆる事象を「これでもか」というくらい教えてくださり、実力を大いに伸ばすことができたように思います。また、短答式試験直後には、論文をしばらく解いていなかったことから、答案作成編の問題集のAランクとBランクの問題を一気に答案構成だけ行うという方法で「リハビリ」を行いました。このような使い方も個人的にはアリだと思いました。講義編については、赤木先生オリジナルのテキストが入門講座のセブンサミットテキストの圧縮版であり、持ち運びに便利であったため、学習2年目以降の外出時には必携の教材でした。講義についても答案作成編開講前に一通り聞くことで、学習1年目に習得した知識をより確かなものにできたように思います。
短答合格講座・予備試験ハイレベル論文答練・論文公開模試
短答合格講座では、司法試験及び予備試験の短答式試験の過去問の解説講義がなされます。市販の過去問集を利用して解答後に自分一人で解説を読んでいくという方法では漫然とした学習に陥りやすいと思いますが、この講座を受講すれば、重要度の濃淡をつけながら過去問を学習することができるので、効率よく過去問を攻略することが可能となります。短期間で短答対策を行いたかった私としては、非常に有り難い講座でした。予備試験ハイレベル論文答練は、予備試験の論文式試験と同じ形式の予想問題の答案作成を行う答案練習会です。特に通学講座では、本番と同じ制限時間、同じ科目構成(民事系、刑事系、公法系、法律実務基礎科目という系統別)、そして他の受講生が周りにいるという環境で答案作成を行うことができるため、実戦的な機会になったと思います。論文公開模試は、予備試験の論文式試験と全く同じ時間帯で行われる模擬試験です。本番のシミュレーションを行うことができる点で、この論文公開模試は大変貴重な機会となります。
今後の抱負
来年7月に行われる司法試験に一発で合格できるように、全力で受験勉強に励みたいと思います。私を予備試験合格まで導いてくれた「当事者目線」と「条文至上主義」を引き続き学習指針の中心に据えて取り組みたいと考えています。予備試験に合格したことで自信を得ることができましたが、司法試験は予備試験とは別の試験です。司法試験は4日間かけて集中的に行われ、その上問題量も多く、よりタフな試験になるように思います。謙虚な心を忘れず、「心・技・体」をさらに向上させて、司法試験本番を迎えたいと考えています。