田中先生のおかげで「流れ」を引き寄せられた。
藤岡 将 さん
年齢 | 35歳 |
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大学 | 東京大学(理系の学部)卒業 |
予備試験合格時 | 社会人 |
LEC受講歴 | 入門講座を含むコース(入門講座、論文基礎力養成答練 等)、予備試験口述徹底対策講座、予備試験口述模試 |
※本体験記は、合格発表日を基準として年齢等を記載しています。
法曹を目指したきっかけ
数年前、祖母の相続登記をきっかけに、登記申請を仕事にする司法書士の業務に興味を持ち、司法書士試験を受けることにしました。LECに大変お世話になり無事受かることが出来ました。その後、会社に有給を貰い、司法書士会の新人講習を受けたのですが、新人講習の講師の先生の雑談で、簡裁代理権を得る為に必要な講習(新人講習とは別)が100時間あり、且つ遅刻が許されず「1回でも遅刻したら即不合格」と判明しました。更に講習の予定表案を見ると、平日に数時間ずつの講習、と日程がかなり分散されていました。その日程分の有給も無く、また「全部の日程で1回も遅刻をしない」を確実に達成出来るかは怪しい訳で(電車が止まるかも知れないし、朝寝過ごすかも知れない)、次の年受けようかなどうしようかな、と悩んでいました。そんな或る日、LECの司法書士合格祝賀会で貰ったパンフの山の中に、「更に勉強して弁護士になるのも一手ですよ」といったチラシが有り、司法書士合格→予備試験合格→司法試験合格、という経過を実際にたどった方のコメントも載っていました。確かに予備試験や司法試験の勉強は有給の日数や朝寝坊の心配をすることないし、また合格すれば(簡裁に限定されない)代理権も得ることが出来るし、良いことずくめだなと思ったのがきっかけでした。また現在従事している仕事も、今はそれなりですが先行き不透明(参入者が急増していて、需給バランスが近い将来に崩れそう)というのも動機の1つでした。
LECを選んだ理由
直接的な理由としては、前述の通り、LECが司法書士合格者向けの予備試験プランを提案していた、というのが挙げられます。そもそも何故LEC(の司法書士講座)に申し込んだのか、というと、今から10年以上前に私の家族がLECの行政書士講座に通っていて、「授業がすごい楽しいんだけど」と言っていて、「LECって予備校は楽しいのか、すごいな」と当時漠然と思っていました。自らが司法書士を受けるにあたり、家族のそのコメントを思い出し、LECに申し込んだのでした。ただ一方、「司法書士試験がLECだったから、予備試験もLEC」と決められているわけでは無く、他の予備校も検討したのですが、例えば「うちは答練あんまし力入れていないんですわ」、「重厚且つ万全なカリキュラムを用意しています(→それって逆に兼業受験生には大変よね)」と色々な点で違いがありました。詳細に比較するのも面倒なので、「せっかく案内くれたことだし、動画視聴の方法にも慣れているし、予備試験もLECにするか」と深く検討すること無くLECにしたのですが、前述の通り良いことずくめでしたので、良かったです。
仕事や学業、家庭との両立のコツ(時間活用術)
フルタイムの仕事しつつ、且つ司法書士試験で既に会社や家族に協力して貰っていたので、勤務先や家族「司法書士に飽き足らず、また他の謎な試験(全く違う分野の仕事なので誰も予備試験なぞ知らない)受けて、困ったな」となるのでは、と懸念し最初はこっそりと勉強していました。途中で、どちらにもひょんなことでバレてしまったのですが(確かに机の上に六法全書あったら「怪しい」ですわね)、幸運なことにどちらも試験に向けて協力していただけました(大変ありがとうございます)。少し根性論になってしまいますが、資格試験に限らず、何かに向かって本気で走っている人に対して異議を唱える人はさほど多くないと思う(異議を唱える人も、本気で異議を唱えたい人に限られる)ので、まず第一に「本気で走ること」が両立には必要なのかな、と思いました。
受験勉強を通じて「失敗したこと」「成功したこと」
失敗したことは、カリキュラムがタイト(短期合格目指すコースなのでそれは当然ではある)にもかかわらず、通信コースだったので、予定を順調に進めることが出来無かった点です。私もそう意志が強いわけでは無いので、「今日は仕事忙しかったから勉強しないで寝るか」、「今日は眠いから先に寝よう」→起きたら朝、のようなことが多々ありました。東京在住、大阪在住のように通学出来る人は通学した方がより良いかもな、と思いました。また通信の人も、言うは易く行うは難し、ですが、前半の段階から猛烈にカリキュラムをこなし、後半で或る程度の勉強時間のバッファーを確保すると良いのかなと思いました(競馬全く詳しくないですが、「逃げ」とか「先行」みたいなイメージ)
成功したこととしては、前述の内容と裏表みたいな話になってしまいますが、試験までの持ち時間が足りなくなった時点で、勉強内容の取捨選択を行わざるを得ない場面に出くわしたのですが、その際に直感が上手く働いて、後から振り返ると最善手が出来た点かな、と思います。「選択肢を選ぶ」というのは、此れは最善手なのかという不安に選択時点ではどうしても苛まれがちですが、試験の日は確定しているので、不安に苛まれている暇も無いですけどね。
LECに通ってここが良かった
他の予備校に通ったこと無いので、比較は出来ずあくまで感想になってしまいますが、講義自体の良かった点は既に述べたので省略するとして、講義以外の点としては、お試し受講が無料で出来る点だと思います。法律初学者向けに入門講座があり、3人の先生が担当しているのですが、当然話し方や教え方はそれぞれの先生で異なるわけで、受講生によって「私は此の先生がエエわ」が当然異なるわけです。申し込む前にそれらを比較出来る点でお試し受講よかったな、と思いました。また、(単品でも申込み出来ますが)複数の講座がセットになっているのは有り難かったです。要は「このコースを申込みして、内容をひたすら勉強したら、とりあえず受かる」というのが示されているのは、勉強以外のことに煩わされることが無くて勉強に集中出来て良かったです。
LECの講座の良かった点
入門講座&論文基礎力養成答練
入門講座の良かった点は複数あるのですが、思いつくままに挙げてみると、まず授業のテンポが良かった点です。此れは受講生の好みは分かれるとは思うのですが、田中先生は理解をするために必要な事柄を簡潔にまとめて説明し、且つ「此れは論文式では直接は出ないよね」といった分野(たとえば、多数当事者間の債権債務関係など)はスキップし、その分で生まれた余裕で、初学者が理解しづらい場所や論文式試験で頻出な箇所を集中して解説、という形が良かったです。入門講座受講生には7summitsという教科書が配布されていて、そちらは網羅的に記述されているので、説明をスキップした部分は7summitsを自分で読めば完全に補完出来ます。本を使った学習と講義を使った学習の配分具合が絶妙で良かったです。次に、先生は理解を助けるための具体的事例や喩え話、たとえば「『モネ』とカタカナで書かれた、(伝)ピカソの絵」、「離婚後子供に会えない父ちゃん」、「コピー機を使った文書偽造」、「お遍路強盗とスナック強盗」など多数、が絶妙且つ強烈なエピソードで、記憶として確実に定着する助けになりました。論文基礎力養成答練ですが、答練で出題される問題は前の回でそのまま講義が行われていて、つまり答案を書く内容は既にインプット、学習済みな段階で答練に臨む形式です。当然「こんなの楽勝っしょ」みたいな感じに思われ、且つ書いているときは、正直「結構いけてるんじゃね自分」みたいな感じになるわけです。で、その後で解説講義、しばらくして添削内容返却なのですが、自分の体感と客観的な結果がズレることや、「分かっている」と「書ける」が実はとんでもなく隔たりがある、といった点、また「字が汚いですよ」、「段落分け方法が標準的な作法から外れていますよ」といったアドバイスが貰えたのがすごい良かったです。
合格答案作成講座
合格答案作成講座ですが、1年目にインプットした内容を前提に、実際に(学習用に改題された)過去の問題を多数学習していく、という講座でした。良かった点としては、1年目にインプットした内容は結構深い内容まで含まれているのですが、その重み付け(実際の論文式試験で何処までの内容までを知っていれば良いか、一方でどの内容は枝葉末節か)、その学習した内容を論文式試験での使用に向け再構成するとどうなるか、といった内容で、2回目の学習は「1回目の繰り返し」ではなく「メリハリを付け、且つ実際的に」と新たな学習になっていた点です。また、田中先生が答案構成を講義中に実際に作成してくれるのですが、問題に対してどのように構成すれば答案が書けるのか、というのを直接目撃することが出来たのがとても役立ちました。要は目撃した内容を会場で再現出来れば答案を書くことが出来る訳です。また、先生は「伝説の大御所の先生(年齢的に)」ではないため、2011年から始まった予備試験を受験生として実際に経験しているため、「実際の予備試験の出題では、此処から先は受験生は思いつかない。従って此のテーマが出題されるとしたら誘導がこんな感じで付くはず」、「模範解答はここまで完璧に書いているが、実際の受験生であれば合格レベルの人でも此処までは書けない。実態としてはこの程度で余裕でA-B評価」と言った実際的なアドバイスが得られるのは良かったです。そのアドバイスによって、必要以上に「論文試験怖いなー」と思わないで済んだのは大きかったです(私は法学部出身ではないため、そこら辺の相場観が全くないので)。
法律実務基礎講座
予備試験独自の出題科目である法律実務基礎科目に対する講座でした。よく「出題パターンは決まっている(から大したこと無い)」と言われがちなこの科目ですが、実は「内容自体は民法民訴刑法刑訴そのものではあるが、出題されたときの問われ方は全く違う」科目なため、気を抜くこと無く学習することが必要かなと思いました。実際に講義編では、過去の出題内容から学習する知識が7科目とは異なる形で再構成されていて、出題に対してどういう知識が必要か、またどのように問われるのかを学ぶことが出来ました。また演習編で答練があるのですが、出題パターンが決まっていながら、実際に書いて、添削して貰った内容を見ると、「自らの思考の癖」で問いと回答がズレてしまっている点、「標準的に盛り込む内容の欠落」を目の当たりにすることが出来、より良い答案に近づけることが出来るのがとても良かったです。
今後の抱負
まずは必ず司法試験の合格を目指したいな、と思います。せっかく予備試験に受かっても5年5回の間に受からなければ意味が無くなってしまう(結構怖い)ので、気を抜くこと無く勉強を続けたいな、と思います。運良く司法試験に受かった後は、いつ修習に行くか、修習後どんな仕事に就くかは分からないですが(未来のことは分からない)、法律を巡る問題で悩んでいる人々に「色々あったけど、法律の専門家のお陰で助かったわ」と思って貰える様な仕事をしたいな、と思っています。