入門段階から答案を書くべき
田畑 翔太郎 さん
年齢 | 20歳 |
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大学 | 同志社大学(法学部法律学科)4年 |
予備試験受験回数 | 2回 |
LEC受講歴 | 入門講座が含まれるコース(入門講座・論文基礎力養成答練他)・予備試験口述徹底対策講座・予備試験口述模試など |
※年齢・大学在学中の有無は出願時を基準としています。
法曹を目指したきっかけ
私が法曹を目指す動機は、自分の能力で困っている人を助ける法曹という職業に対し「かっこいい」という感情を抱き続けていたことにあります。法曹という職業は、他の職種と比べ事件処理について個人の持つ裁量が広く、自分の考えに基づいて仕事を遂行しやすいという特徴があります。私は、幼い頃からこの法曹という職業の特徴に惹かれ、弁護士や検察官に対して強い憧れを抱いてきました。そのため、私は自分の能力を磨き、その能力を駆使して依頼人の期待に応えられるような弁護士になりたいと思っています。
合格までの道のり
LECを選んだ理由
私がLECを選んだ一番の理由は、赤木先生の講義の質の高さにあります。赤木先生の講義では、「当事者目線」や「条文至上主義」の観点から、当事者の主張を法的に構成するという答案作成の型に則って、全ての講義がなされています。そのため、インプットの段階から答案の型を意識することが出来、アウトプットへの移行がよりスムーズになり、入門講座で学んだことをそのまま答案化することが出来るようになっています。また、LECの司法試験対策講座が豊富であったことも、LECを選んだ理由の一つです。LECの講座は、入門講座・2年目講座・司法試験ゼミといった形で、学習の進展に合わせて講座を選択することが出来ます。そのため、司法試験の最終合格までLECが全て面倒を見てくれるということになり、途中で他の予備校や他の講師の指導を受ける必要が生じないという魅力があるといえます。
仕事や学業、家庭の両立のコツ(時間活用術)
私は大学在学中に予備試験に合格することが出来ましたので、勉強時間の確保という点ではさほど大きな苦労はしませんでした。もっとも、私は勉強がそれほど好きなタイプではないため、常に勉強時間を如何に削るかということを考えていました。具体的には、私は入門講座を受講していた時期は、一週間あたり、入門講座の復習に4時間、論文基礎力養成答練などの予習復習に2〜3時間を費やしていました。入門講座については、予習は一切せず、復習についても講義の際にテキストに引いたアンダーラインの部分のみをざっと見返すという作業を週に3回行うといった程度のものです。論文基礎力養成答練については、各回で扱う4つの問題の答案構成と各回の答練のみを行っており、復習として分からなかった問題の答案構成を改めて行うこともありました。入門講座が終わり、予備試験の過去問に本格的に着手し始めた時期(5月以降)については、午前中に予備論文過去問を1〜2問(1問70分)解いて解説と再現答案の分析をし、午後には短答過去問を解いたり、合格答案作成講座の問題集を解くという勉強をしていました。そのため、私は予備試験の直前期でも、勉強時間は毎日4〜6時間程度でした。したがって、勉強の対象を過去問及びせいぜいその周辺に絞ることが時間活用のコツなのだろうと思います。
受験勉強を通じて「失敗したこと」「成功したこと」
受験勉強を通じて「成功した」と思う点は、赤木先生の講座を通じて、1年目の段階から答案を書くことを意識出来たということにあります。赤木先生の講座は、インプット講座であっても、判例等の事案をもとに答案構成に近い形で板書を行ってくれることから、答案の形が見えやすくなっています。そのため、インプットの段階から答案上での表現などを意識することができ、答案作成を見据えたインプットが可能となります。また、常に予備試験の過去問を意識した勉強を行うことが出来たことも成功した点の一つだと思います。司法試験及び予備試験の論文式試験に合格するためには、「当該年度の問題について」「制限時間内に」「合格水準の答案を作成する」必要があります。「当該年度の問題について」という点については、問題の漏洩がない限り、試験現場で初めて検討する問題となるため事前の対策は出来ません。そのため試験本番までに、「制限時間内に」「合格水準の答案を作成する」能力を鍛える必要があります。この能力を鍛えるための一番の方法は、「制限時間内に」「過去問を解く」こと以外にはないと思っています。例えば50メートル走で速く走れるようになりたい子どもに対しては、50メートル走を何本も走るべきだとアドバイスするのが通常であり、走り方の本を読ませたり、不必要に筋トレをさせるようなことはしないと思います。それと同じように、司法試験及び予備試験に受かりたい人は、「司法試験及び予備試験の問題(=過去問)」を「制限時間内に」解く訓練をするべきです。基本が大事だからといって基本書やテキストを読み込んだり、不必要に答練を受けたり演習書に手を出してしまうことは、合格という目的との関係でズレた手段を採用していると言わざるを得ません。そのため、私は予備試験の論文式試験の過去問については、全ての年度について(実務基礎科目のサンプル問題含む)、制限時間内にフルスケールでの答案を3回程作成し、答案構成についてはさらに何度も行いました。しかし、それだけ過去問を解いても、解く度に新たな発見が見つかり、自分の答案をより良いものにしていくことが出来ました。したがって、受験生が意外と軽視しがちな過去問こそが、最も優れた教材であると私は思います。
「失敗した」こととしては、短答式試験の対策を十分にすることが出来なかったという点です。予備試験の短答式試験については、おそらく司法試験及び予備試験の短答過去問を一問単位ですべて正解することが出来る実力がつけば、合格ラインは十分に超えられる試験だと思います。私は、予備試験の短答過去問については一問単位ではほぼ完ぺきにすることが出来ましたが、司法試験の短答過去問については平成23年以降の問題を2〜3週したにとどまり到底完ぺきといえるレベルに持っていくことは出来ませんでした。そのため、本番では一般教養の点数によって合否が左右されるような点数を取ってしまいました。短答式試験については、しっかりと上記の対策をすれば十分に合格できる試験だと思うので、司法試験の短答式試験についてはしっかりと準備をして臨みたいです。
LECに通ってここが良かった
赤木先生の入門講座については、毎週末に約6時間の生講義が行われていたことから、その毎週末の講義が丁度良いペースメーカーの役割を果たしてくれていたという点が良かったと思います。LEC梅田駅前本校での赤木先生の生講義は、ビデオ受講では得られないような臨場感と緊張感があり、各回3時間の講義があっという間に終わってしまう程に高い集中力をもって講義を聴くことが出来ました。また、合格答案作成講座については、網羅性のある問題集を一通り答案構成し、赤木先生の解説を聴くことで、答案作成における思考手順を確立することが出来たという点が良かったと思います。論文式試験の対策の基礎は、「問題を読んで、答案を作成する」訓練を繰り返し行うということにあります。私は、そのような論文式試験の基礎を合格答案作成講座の問題を繰り返し解くことで学ぶことが出来ました。
LECの講座の良かった点
入門講座・論文基礎力養成答練について
私は、大学3年生の6月頃に赤木先生の入門講座を受講し始めました。赤木先生の入門講座は、週に1回LEC梅田駅前本校にて、ライブ授業の形式で行われています。私は6月という中途半端な時期に受講を開始したため、最初の民法のみをビデオ受講して次の商法以降でライブクラスに追いつき、以降の授業を全てライブクラスにて受講しました。確かに、受講当初は、週一回のライブクラスでの授業というのはペースとして遅くないかという不安はありました。しかし、赤木先生の週一回の6時間の授業は、非常に密度が濃く、各回の復習や後述する論文基礎力養成答練を並行して行っていくことを考慮すると、非常に良いペースメーカーとして機能してくれていたと思います。また、ライブクラスの利点としては、授業後に先生に直接質問をすることが出来るということも挙げられます。各回3時間の授業の中にはどうしても一度の説明では理解できない部分が生じてきますし、前回の復習等で新たに生まれる疑問などもあります。そのような疑問について、授業後すぐに先生に直接質問できるということは、わからない部分を抱えながら復習をすることを防ぐことができ、その疑問について自分で調べる労力を節約することが出来るという点で非常に有益だったと思います。さらに、赤木先生の入門講座の利点は、思考起点及び思考手順を確立するという科目横断的な視点に基づいて、全ての講義がなされているという点です。司法試験及び予備試験については、単に各科目についての論証等の知識を得るだけでは足らず、一定の思考手順に則って答案を作成する能力が必要となります(むしろ後者の能力の方が遥かに重要であると私は思います)。赤木先生の提唱する「当事者目線」、「条文至上主義」という概念も、「当事者の言い分」を「法的に基礎づける」という法の普遍的な思考手順を表しているものなのだと思います。論文基礎力養成答練については、入門講座と並行して受講することが想定されており、最も重要度の高い答案を作成するという作業の入り口となっています。論文基礎力養成答練において掲載されている問題は比較的基礎的な問題が多いですが、初学者にとっては答案を作成すること自体が難しいと感じてしまうと思います。しかし、論文基礎力養成答練での赤木先生の講義は、そのような初学者が少しでも答案を書きやすくなるように、自ら作成した答案を配布したり、現実的な答案構成を再現したりしてくれています。そのため私自身も、答案を書いたことがない科目であっても、各科目3〜6回程度の講義の中で一応の答案の形を作り上げることが出来ました。したがって、入門講座と論文基礎力養成答練はどちらか一方が欠けても不十分であり、双方を上手く機能させることができれば、学習一年目の段階である程度の答案作成能力をつけることはできると思います。
合格答案作成講座・短答合格講座について
私は、大学3年生の秋頃から赤木先生の合格答案作成講座(答案作成編)を受講し始めました。赤木先生の合格答案作成講座は、本来であれば入門講座等の後の2年目講座として位置付けられていますが、学部生で時間に余裕のあった私は、入門講座及び論文基礎力養成答練と並行して受講し始めました。本講座の優れている点は、各科目50〜60問ほどの問題を答案構成することで、その科目ひいては全ての科目についての答案の型を学ぶことが出来るということにあります。各科目約60問の問題について検討することが出来れば、その科目についての出題パターンはほぼ網羅することが出来ますし、全ての問題の検討を終えるころには、予備試験の過去問であっても、答案構成をすることはさほど困難ではなくなると思います。また、本講座では、赤木先生が辿るべき思考過程を講義において一定程度示してくれるため、予習段階で自分がわからなかった部分が具体的にどの部分だったのかを明確にチェックすることが可能となります。私は、本講座の問題を全て解き終える頃には、どのような問題であっても、赤木先生とほぼ同様の思考過程を経て答案構成が出来るようになっていたと思います。上記の通り、本講座は2年目講座として位置付けられていますが、時間に余裕のある方は是非1年目の段階で入門講座と並行して受講することをお勧めします。なぜなら、やはり入門講座だけでは答案作成の機会が圧倒的に不足してしまい、2年目に問題検討を始める頃には1年目の入門講座の内容を忘れてしまっているという事態になってしまうからです。入門講座と並行して本講座を受講することが出来れば、上記の事態を回避することが出来ますし、短期間で予備試験に合格しうる程度の答案作成能力をつけることが可能となり得ます。そのため、本講座は入門講座を既に終えられた方だけでなく、入門講座を受講中の方にもお勧めできる講座だと私は思います。
今後の抱負
私は、平成30年の予備試験に最終合格することが出来ましたので、今後も来年の司法試験合格に向けて勉強を継続していくつもりです。私は、予備試験の受験を通じて、過去問を繰り返し解くことの重要性を学びました。そのため、司法試験の対策においても、司法試験の論文過去問を繰り返し解いて完璧にすることを目指していきたいと考えています。来年の司法試験に合格することが出来た場合、私は一年間の修習を経て、実務家として働くことになります。そのため、それまでの2年間の間に、法曹として活躍できるような知識や経験を積んでいきたいと考えています。