勉強と大学生活の両立をかなえてくれたのは厳選されたカリキュラムでした
S・H さん
年齢 | 20歳 |
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大学 | 北海道大学(法学部)卒業 |
法科大学院 | 北海道大学法科大学院(既修)2年 |
予備試験受験回数 | 2回 |
LEC受講歴 | 入門講座が含まれる予備試験・法科大学院対策向コース(入門講座・論文基礎力養成答練他)・予備試験ファイナル答練・予備試験論文公開模試・予備試験口述徹底対策講座・予備試験口述模試 |
※年齢・大学在学中の有無は出願時を基準としています。
法曹を目指したきっかけ
私は小学校6年生のとき、当時多発していた飲酒運転による事故のニュースをみて漠然と裁判に興味を持ちはじめました。そして、調べていくうちに、依頼人という一方当事者だけのためではなく公益実現のために、主体的に捜査をし、起訴、不起訴等の判断をすることができる検事の仕事に魅力を感じ、目指すようになりました。大学3年生のときに、お世話になっている先生方から飛び級での大学院進学を勧められました。尊敬する先生方の下でよりレベルの高い学習や実務的な勉強をしたいと思い、進学することを決めました。大学院進学後は実務家による実務に関する講義があるほか、懇親会等で多くの実務家と触れ合う機会があり、様々な話を聞くことができました。実務の苦労話ややりがいなどを聞きイメージが具体化していったことで、法曹として働きたい気持ちがより強くなりました。予備試験に合格し、大学院在学中に司法試験に合格すれば、翌年の修習までの間じっくりと自分の興味ある学問を深めることができると思い、今年の予備試験の受験を決めました。
合格までの道のり
LECを選んだ理由
司法試験を受けると決めていた私は、大学入学前の春休みに書店でLECの書籍を読み、大学の近くに校舎があるということで話を聞きに行きました。そこで、司法試験の動向やLECのカリキュラムの説明を受け、早く勉強を開始したほうが学習に余裕が生まれること、選択肢が広がることを知りました。LECの入門講座では1人の講師が7法すべてのインプットを担当するため指導が一貫していること、当時の最年少合格者を輩出するなど高い合格実績を残していること、本校が大学の近くにあるため困ったときも気軽に聞きに行けること、受講料が比較的安価であること、そして、様々な講師の公開講義動画を聞き比べ、講師の考え方に惹かれたことなどから、大学生活に慣れた5月ごろから通信で入門講座を受講し始めました。1年目は大学の講義の合間に入門講義を聞き、1年間かけて聞き終えました。あまり熱心ではなく予習復習もしなかったため、細かな知識まで1回で覚えることは到底できず、講義を聞きはするものの前の科目の内容をほとんど思い返せないような状態でした。しかし、講師が何度も「まずは全体像をつかむことが大切」と話していたので、できるだけ「その法や制度が何を目的としているのか」といった、細かい知識の背景にある大きなものを意識するよう心がけました。本格的に法学部の授業が始まる2年目からは、まず論文力完成講座(現合格答案作成講座)で入門講座の知識が答案上どのように表現されるのかを確認しました。その後は答練編などを用いて、実際に論文を書き、弱点を見つけ、入門講座等のテキストなどで復習するという学習を何度も何度も繰り返しました。2年目の学習を始めた当初は忘れてしまった知識も多かったのですが、なんとなく「どこが大切なのか、何が問題なのか、何を考慮すべきか」が感覚的にわかるようになっていました。入門講座の一番の意義はこのような感覚を身につけることにあったと思います。そして、論文の形で何度も知識のアウトプットとインプット繰り返すことで、知識を思い出し、深め、定着させ、使いこなすことができるようになりました。論文力完成答練(現合格答案作成講座)のテキストには各科目の典型問題がほぼ網羅されているので、この学習を続けることで、およそ基本的な問題については、どのように考え、どのように書けばよいかわかるようになりました。
仕事や学業、家庭の両立のコツ
体を動かすことが好きなので、パルクールという移動術のサークルに所属し、週2日ほど活動していました。2年生の夏からは1年間代表を務め、団体の運営やメディア出演、企業との交渉など、多様な経験をすることができました。毎年4件ほど各種イベントでパフォーマンスを行うため、本番2週間前からはほぼ毎日2〜5時間ほど練習しなくてはなりませんでした。練習後はくたくたで、初めのうちは勉強時間の確保にとても苦労しました。いろいろと試行錯誤しましたが、勉強計画の立て方を覚えてからは、これらをうまく両立させることができるようになりました。まず予備試験合格という目標のために、何が必要でどれだけの時間がかかるかを書き出し、次に睡眠時間や大学の講義など毎日のスケジュールを書き出し、割り振ってみると、意外にも自由に使える時間がまだまだ残っていることに気が付きました。そこで、年単位、月単位、週単位、一日単位など、長期と短期の計画を立てスケジュールを適切に管理することで、無理なく時間を捻出でき、勉強もサークル活動もどちらも手を抜くことなく取り組むことができました。睡眠時間を削ることなく充実した生活を送ることができたのは非常に良かったと思います。大学院進学後は、たくさんの予習や課題が課され自由に使える時間は学部生のころより減ってしまいました。しかし、学部生時代に勉強の貯金ができていたので、同級生らに比べ少ない時間で予習を終わらせることができ、自分の勉強時間を確保することができました。これはLECのカリキュラムが「合格に必要なこと」を厳選し、凝縮してくれていたために可能でした。独学で同じことを学ぼうとしても、適切な本を探すだけで何倍も時間がかかってしまいます。これほど大学生活を充実させることは困難だったと思います。また、勉強につかれたときには、勉強をしないという方法もありますが、別の頭の使い方をするという方法も休憩として有効でした。興味のある法哲学や他学部の経済学、経営学の授業を受けたことは、司法試験には直接関係しませんが、良い息抜きになり、司法試験の勉強に良い影響を与えました。
受験勉強を通じて「失敗したこと」「成功したこと」
大学1年生という早い時期からスタートを切れたことと、入門講座を1年以内に聞き終えたことが良かったです。いったん法律の全体像を把握した後でなければ個々の法律、制度について十分に理解することは難しいので、いかに早く全体像を掴めるかがとても重要です。むしろ入門講座を聞き終えてようやく勉強のスタートラインに立てると言ってよいと思います。入門講座を1年以内に聞き終えた人とそうでない人とでは、その後かなりの差がついていると感じます。なので、もちろん入門講座を一度聞いただけで確実な理解、暗記ができれば素晴らしいですが、たとえ理解や暗記が不十分であっても、まずは全部聞き終えて全体像をつかむという受講方式も、多くの人にとって効率的なのではないかと思います。また、勉強の計画を立ててスケジュールを管理をすることで、サークル活動や旅行などの時間を捻出でき、充実した大学生活を送ることができて良かったです。
失敗したこととして、学習を初めて1年間は入門講義についていくので精いっぱいで、とても論文を書ける気がせず、怖がって模試を受けずにいました。しかし、実際に論文を書くことで初めて、入門講義の知識がどのような場合にどのような形で使われるのかが分かり、自分のものとして理解できるようになりました。勉強が進んでない時期であっても定期的に模試を受けて実際に答案を作成しておくべきだったと感じています。また、恥ずかしい話ですが、入門講座を受講することが辛くて2か月間一切法律の勉強をしない時期がありました。私の周りにも、予備校の入門講義を申し込んだものの、やる気を保てず、聞き終えるのに何年もかかってしまう人や、法曹への道を諦めてしまう人が何人もいました。私のような普通の人が予備試験に合格するためには、数年単位の長期間にわたって勉強を続ける必要があります。その数年の間には、モチベーションが下がってしまう時期が来る人も多いはずです。なので、自分のモチベーションを上げる方法をいくつかストックしておくことが重要だと思います。私は運動したり、裁判傍聴へ行くなどしてモチベーションを上げました。同じ目標に向かって一緒に競い合える仲間が早いうちから見つかると、モチベーションの維持につながっただろうと思います。
LECに通ってここが良かった
早いうちから入門講座で法律の全体像を掴むことができてよかったです。約300時間の講義を通して、知識のみならず、思考方法や法律を学ぶ上でのセンスのようなものが身につきました。このおかげで、ただ漫然と基本書を読むのではなく、どこに重点を置くべきかを把握し、メリハリをつけて勉強することができるようになりました。またLECの入門講座は予備試験合格に必要な情報が厳選、凝縮されているので、学習が進んでからテキストを見返しても新たな発見がありました。司法試験の予備校講座の値段は高く、申し込みにはとても勇気がいりましたが、LECは比較的安価に質の高い教材を提供してくれました。そして、一度申し込むと、司法試験の最終合格まで受講生を全力でサポートしてくれます。私は通信で講義を受けていましたが、大学近くのLEC本校には司法試験課の専任スタッフがおり、相談や報告に行く度に、励まし、期待し、応援してくれて、学習へのモチベーションが高まりました。
今後の抱負
来年の司法試験が目前に迫っているので、過去問の検討を繰り返すなど、まずは確実に合格できる実力をつけます。その後は大学院の恵まれた環境を存分に活用し、興味のある学問をじっくり深めるつもりです。そして将来は公益の代表者として、被疑者、被害者の双方のために働くことのできる検事を目指します。