LECの講座を受講して、予備試験論文試験でも大いに役立ったと感じています。
H・M さん
年齢 | 25歳 |
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略歴 | 神戸大学法学部卒業。 2014年京都大学法科大学院既修者コース入学。 2016年司法試験予備試験合格 |
受講歴 | 入門講座、論文基礎力養成答練、論文力完成講座(講義編、演習編)、予備試験論文演習、予備試験法律実務基礎講座(講義編、演習編)他 |
H・Mさんのある一日
時間 | 行動 | 詳細 |
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7:00 | ||
8:00 | 8時半 起床 | |
9:00 | ロースクールの自習室へ向かう | |
10:00 | 授業等 | 授業のない時間は自習室にて自習 |
11:00 | ||
12:00 | ||
13:00 | ||
14:00 | ||
15:00 | ||
16:00 | ||
17:00 | ||
18:00 | ||
19:00 | ||
20:00 | ||
21:00 | ||
22:00 | ||
23:00 | 帰宅 | 夜まで自習室で勉強し、帰宅後は勉強なし |
0:00 | 0時半ごろ就寝 | |
1:00 |
予備試験合格までの道のり
1.択一試験
私は今回が3度目の予備試験受験でした。1度目と2度目はいずれも択一試験で不合格となっており、私にとってはこの試験を突破することがまず大きな山でした。そこで択一試験の勉強法を見直すことにしました。
これまでは肢別の問題集のみを繰り返し解いていましたが、この勉強法だと、肢自体には見覚えがあるのに肝心の結論の正誤が覚えられないというのが私の弱点でした。そこで、肢別の問題集に加え、判例六法を用いて、問題集で間違えた判例について、六法に線を引いたり書き込みをしたりして、最終的に六法のみを見直せばすべての分野に触れられるように一元化しました。
この方法により、ようやく3度目にして、択一試験を突破することができたと思っております。
2.論文試験
択一試験合格後は、論文試験まで1か月半ほどしかありません。予備試験論文試験の試験科目は、基本7法に加えて、民事実務刑事実務、一般教養が加わります。
実務科目については、普段の司法試験用の勉強では足りず、別個に、民事については要件事実と法曹倫理、刑事については刑事訴訟法上の細かな手続や事実認定、法曹倫理について復習しました。実務科目はロースクールの必須科目となっているので、ロースクール出身者は有利であるように思います。また、実務科目は他の科目の2倍の配点があるので、ここで良い判定をとっておくことが、論文試験合格への近道であると思います。
基本7法については、まず過去問を解くことから始めました。予備試験は司法試験とは異なり問題文が短く事実認定がしやすい分、論点を知らなければ全く手が出ないと感じ、知識のインプットに力を入れました。難易度自体はそれほど高くなく、ロースクール受験の勉強と重なる部分が多いと思います。
私は、学部生時代にLECの講座を受講して、基本七法についての判例知識や論点について勉強できていたので、この点は予備試験論文試験でも大いに役立ったと感じています。
受験を終えての感想としては、解けなかった問題や読み間違いをしたことばかりが頭を巡り、合格は遠いだろうととても落ち込んだ覚えがあります。しかし、合格した今思えば(結果論かもしれませんが)、何も失敗なく完璧に実力を発揮できる人など一握りしかいない、逆にいえば完璧になど解けていなくとも合格はできるので、あまり落ち込みすぎず、口述試験へと切り替えて対策をするのがいいと思います。
3.口述試験
最後に、口述試験についてです。私は前述の通り、論文試験に合格している自信があまりなかったので、口述試験の対策を始めたのは論文試験の結果発表後でした。口述試験は民事と刑事の二科目で、民事については要件事実を中心に、民事執行法の基本的な内容や法曹倫理について、刑事は刑事訴訟法上の手続と刑法の各論を復習しました。そして、口述試験の勉強をはじめてすぐに、LECの口述試験対策模試を受けました。
模試受験時点では未だ基本的な復習ができておらず、特に刑法の各論の知識が浅く、試験官役の先生に質問をされても沈黙を長引かせてしまったりと、残念な結果になってしまいました。しかし、模試受験後の公表では、川口先生が、私の弱点や他の受験生のレベルとの比較、今後の勉強内容について忌憚なきアドバイスを下さり、あと2週間でなんとか合格する実力まで仕上げようとの気持ちを持つことができました。
口述試験は法務省の施設で行われるので、関西に住む私は、前日から東京のホテルに宿泊しました。試験の前日は、いろんな範囲に手を付けるのではなく、要件事実や刑法各論の基本的な範囲について見直す程度の復習をして、本番を迎えました。「口述試験は結構な圧迫を受ける」とか、「1日目はもの凄く緊張する」といった意見を過去の合格者から貰っていたので、私も模試の時のように沈黙してしまったらどうしようという不安はありましたが、実際にはそのような圧迫は受けずにスムーズに試験を終えることができました。
4.予備試験全体を通して
予備試験全体を通すと、それほど難しい知識は不要であり、基本的な知識を漏らさないことと事実認定を丁寧にすることを意識すれば、合格はできるものと感じております。
今後の抱負
あと半年後には司法試験を受験する予定です。予備試験に合格し、少しだけ自信を持てたことも確かですが、それ以上に自分の不得意な部分や勉強不足を痛感したとも思っています。ただ論証パターンを覚えて吐き出すだけの答案と、論証の意味を本当に理解して書いている答案は、試験官からみれば明らかであるということも反省させられた部分です。
小手先の答案テクニックに傾倒することなく、判例の意味論点の意味をもう一度復習しなおして、これまでの弱点を残り半年で平均以上まで伸ばし、司法試験にただ合格するのみならず、高順位で合格できるよう、日々精進していくつもりです。