決め手は答練の復習
S・E さん
年齢 | 20歳 |
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大学 | 大阪市立大学(法学部)4年 |
合格校 | 京都大学法科大学院(既修) 大阪大学法科大学院(既修) 神戸大学法科大学院(既修) 学費一部免除 |
LEC受講歴 | 入門講座が含まれるパック(入門講座・論文基礎力養成答練)・ロースクール直前答練 |
※本体験記は、合格発表日を基準として年齢等を記載しています。
法曹を目指したきっかけ
私は法学部出身ですが、初めから法曹を志していたわけではありません。むしろ大学入学当初は法律と関係のない国家資格を目指していましたし、4年生の春は就職活動をしていました。しかし、就職活動中になりたい職業のビジョンが全く見えてきませんでした。そこで改めて「自分の生涯の仕事として何がしたいのか」を考え直し、法曹のルートが見えてきました。本格的に勉強を始めたとき(大学4年生の6月頃)は「とりあえずロースクールを目指そう」くらいの軽い気持ちでしたが、学習が進んだ9月頃には真剣に法曹を目指すようになりました。
合格までの道のり
LECを選んだ理由
LECを選んだ理由の第1は雰囲気が自分に合うと思ったこと、第2は自習室の環境が良かったことです。第1についてはLECや他予備校の体験講座や説明会に参加して決めました。LECの場合、司法試験以外の受講生も多く開放的な雰囲気があると感じました。第2については、平日は自習室に余裕がありいつ来ても大体好きな席に座って教材を広げられます。全体的に明るくきれいな教室でした。土日はどうしても混んでしまうのが難点ですが……。また、梅田駅前校はアクセスも良く、同ビルにコンビニがあるのでとても便利です。勉強中の糖分補給やリフレッシュのために利用していました。
仕事や学業、家庭の両立のコツ
私の場合、4年生の時点で大学の単位を取り終わっていたのでロースクールの勉強に専念していました。ただし、時間活用術として暗記モノ(法律用語の定義や判決文の重要部分)は暗記カードを作成し、電車の移動時間で覚えるようにしました。入試直前期はトイレの壁に張ったりもしました。ロースクール入試、ひいては司法試験は暗記力だけでは突破できませんが、初学者としては覚えてしまった方がいいことがあるのも確かだと思います。
受験勉強を通じて「失敗したこと」「成功したこと」
失敗したことは①スタートが遅かったこと②勉強仲間を作らなかったことです。①私が受験前に真剣に勉強していた期間は半年ほどしかありませんでした。LECのロースクール直前答練のおかげでなんとか合格できましたが、節々に「穴」のある勉強でした。②大学の法学部ですと学生が自主的に勉強会を開いて答案を添削しあったり情報交換しているそうです。私は進路を決めるのが遅く、また主にWeb講義を受けていたので一人で勉強していました。どんな試験においても集団の中の自分の位置を知ること、情報を集めることは重要だと思います。
逆に成功したことは答練を有効活用できたことに尽きます。添削では厳しいお言葉もいただきましたが、何度も何度も読み返し復習し、本番も会場に持ち込んで確認しました。読み返す度に自分の答案のあまりの不出来さに心が痛みましたが、「逆にここは本番で絶対書ける」と心を強く持ちました。ロースクール入試(ひいては司法試験)は答案に書いたことだけが実力を図る材料です。単に自分の思考を披露するのではなく、形式的な答案の作法から内容面の表現方法など、気を遣う部分はたくさんあります。答練は基本的にアウトプット教材ですが、私の場合短い勉強期間で一応の水準まで引き上げる必要があったので、論点の該当部分のセブンサミットテキストで読み込むなどインプット教材としても利用しました。(余談ですが、試験時間は長く、書くことは多く、しかもボールペンで書かなければならないので、体力と腕の筋力も馬鹿にならない要素です。その点も答練に鍛えられました。)
合格された法科大学院を選んだ理由、法科大学院別にどのように対策したか
私は関西の国立ロースクールは京都大学、大阪大学、神戸大学すべて受験しました。なので、受験前に法科大学院を選ぶということはあまりしませんでした。本番に弱いタイプなので、受験の雰囲気になれる目的もあって私立も2校受けました。結果が出そろってから各大学院の教授の質や司法試験合格率を踏まえ、京都大学に進学することを決めました。次に、法科大学院ごとの対策ですが、どの大学であっても聞いていることは「基本的な重要事項を確実に書けるか?」だと思います。これはLECの答練でも問われていることであり、すべての根幹なので、「こんなこと当たり前」「いつもの論点」とは思わずに真剣に取り組むようにしました。大学別の過去問対策はある程度まで基礎事項が固まった後にしました。当たり前ですが、入試過去問の解説が大学公式ホームページで公表されている場合はそれも読み込みます。京都大学の問題はクセというか、ひねりがあるのでその傾向も多少は注意するようにしました。しかし、やはり「基本的なことを確実に」です。なお、京都大学は毎年のように手形法からの出題がありますが、受験生みんな学習が進んでいないところなので(そしてそれは出題者も承知しているので)、あまり怖がらずに超重要事項を書く「守りの答案」を意識しました。
LECに通ってここが良かった
第1に、Webでのフォローが充実しているところが良かったです。答練の結果もWeb上で閲覧することができます。私はそれを印刷して復習に利用していました。第2に、答練の採点コメントが丁寧で非常に勉強になりました。事前に配布される解説も十分丁寧でしたが、採点コメントは特に私の傾向を踏まえて個人的なアドバイスがいただけたので良かったです。
LECの講座の良かった点
入門講座・論文基礎力養成答練について
入門講座は受験上インプットすべきことがコンパクトにまとまっているので助かりました。赤木先生は講義の終盤にまとめて発展的な分野の解説を行ってくださったので、2周目の復習もスムーズにできました。私はほとんどの講義をWebで視聴しましたが不便を感じたことはほとんどありません。講義を聴いた後は、大体講義と同じ時間かすこし短いくらいの時間を使って復習をしていました。予習はしませんでした。また、論文基礎力育成答練は自分の答案を客観的に採点していただく貴重な機会です。講義で聞いたような論点でも、聞くのと書くのは大違いです。答練の復習には特に時間をかけるようにしていました(最低でも解いた時間の2倍程度)。赤木先生のお言葉ですが、初めはわからなくても7法すべて終わればわかってくることもあるので、初めからすべてを暗記しようとするのではなく何度も繰り返すことを意識しました。ここで学んだことは予備試験ルート/法科大学院ルートどちらに進むにしても、すべての土台となるとても重要なことばかりでした。
今後の抱負
よく言われることですが、法科大学院進学はあくまで手段であって目的ではありません。目的はもちろん司法試験に合格すること……でもありません。私が法律の勉強をする目的は、自分の将来の仕事を決めること、「どう働きたいか」「どう生きたいか」を決めることです。つまり司法試験合格も手段の1つです。まだ法学の扉を開いたばかりの私が言うのもおこがましいですが、司法試験合格だけを目指さずに自分がどんな法律家になりたいのか、どの分野に適性があるのか、法科大学院の2年を通じて模索していきたいと思います。