反町 憲法を改正するとすれば、第9条以外にはどのような課題があるでしょうか?
藤井 21世紀の新憲法を作るのであれば、あらゆる分野について、見直さなければなりません。例えば、日本国憲法には世界規模の問題である地球環境を守ることについての何の規定もありません。新しい憲法にはこの規定を入れるべきです。
基本的人権では、犯罪被害者の人権のことがあろうかと思います。現憲法で、犯罪加害者・被疑者を保護する規定は8条近くあります。国家権力を制約するのが憲法のひとつの機能ですから、私はそれはそれでいいと思います。ただ一方で、犯罪被害で泣いている方のための規定が1条もないのです。そのバランス
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をとるべきでしょう。
立法府の在り方でいえば、今の制度のままであれば、衆議院と参議院の差がわかりません。世の中には、選挙は嫌いだけれど、見識があり、良識のある方はいっぱいいらっしゃいます。もし二院制を維持するのであれば、そのような方々に参画いただけるような制度を考えるべきではないかと思います。
司法については、憲法判断のことがあると思います。日本では、自衛隊が何をしたからというように、具体的な事件があって初めて、違憲か合憲か判断する。アメリカから入った制度だからです。ヨーロッパでは、規定の内容そのものが憲法違反か訴えることができます。そういう仕組にしなければならないと思います。
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