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憲法第9条は熟した日本語に直す

反町 次に、自由党が打ち出されている政策、新しい国家目標をもとに、21世紀における新しい憲法というテーマで、お話いただきたいと思います。まず最大の論点である第9条問題についてお聞きします。
藤井 第9条第1項は、私は極めて正しい理念だと思っています。侵略戦争は絶対にしてはなりません。問題は、条文が日本語として熟していないことです。『国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。』とありますが、これを読んでも、自衛のための戦争が入るのか、入らないのかと問われたとき、誰も明確な解答を出せません。
 この文章は1928年にパリで調印したケロッグ=ブリアン条約の内容をもってきたわけです。この条約はアメリカとフランスが中心となって作ったのですが、主唱者のひとりであるケロッグ米国務長官の母国アメリカの上院で、『自衛権も否定しているではないか』と批判されたという、いわくつきのものです。これはまずいということになって、1933年に『侵略戦争の定義条約』を作ろうとしています。結局、実現しないかったのですが、そのときの条文を読みますと、おもしろいことが書いてあります。『不戦条約の侵略戦争とは』云々と書いてある。つまり1928年のときには、よく分からないままになっていて、後日、『あそこでいう侵略戦争とは』


と書くということです。これはまったくのすり替えです。 日本国憲法の規定はその条約を真似して作ったものです。
 繰り返しますが、私は第9条第1項の精神は絶対、残すべきだと考えています。しかし、きちんとした日本語に直す必要はあります。『わが国は侵略戦争を絶対にしない』と明確に書く。『ただし、侵略を受けたときは戦う』、そして『そのために自衛隊がある』と明確な文章にするべきです。






 
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