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内閣法制局による憲法解釈

反町 集団的自衛権については、いかがお考えですか?
藤井 政府の解釈は、日本は集団的自衛権はあるものの、憲法解釈からそれを使えないということですが、本来、そのような解釈はありえません。 反町 なぜ代々の総理大臣はその説を引き継いで、変えようとしないのでしょうか?
 困ることでもあるのでしょうか?
藤井 ひとつはアジア諸国に配慮しているのでしょう。
反町 気をつかうといっても、主権国家である以上、自衛権について主張することは当然ではないでしょうか?
藤井 そう思います。集団的自衛権の解釈について、自由党が問題としていることがあります。
政府にそれを言わせているのが内閣法制局だということです。そもそも行政府に法制局が置かれていることがおかしい。憲法の解釈は裁判官がやることです。司法がやるべきことを、行政府に置かれた法制局がやっていて、まるで、それが日本で一番正しい解釈のようになっている。
反町 行政通達に法規範性を与えるのと同じことですね。行政府が憲法を解釈することはおかしい。内閣総理大臣がそれに従うのはもっとおかしいと。
藤井 その通りです。行政府というのは、憲法違反だと言われる立場にいるのに、憲法の解釈について、ああです、こうですという。私は内閣法制局


廃止論者です。
反町 党として、現在の内閣、衆議院、参議院それぞれの法制局を一元化して国会の所属機関とすることを提言されていますね。
藤井 主権国家である以上、集団的自衛権を有するのは世界の常識です。そこまでは、一番うるさい内閣法制局も認めているわけです。ところが憲法第9条の条文から、それが使えないと言う。異常な解釈です。
反町 いつからそのようなことになったのですか?
藤井 吉田茂首相は自衛権さえないと国会答弁しているわけです。それは、吉田首相の背後にアメリカがいたからです。しかし、独立を果たしたら、憲法を改正しようと考えていた。ところが、昭和27年に独立国になって吉田首相は退陣し、
鳩山首相に代わった。はっきりした改憲論者でしたが、鳩山首相のときもそのままで、岸首相のとき、日米安保で失敗した。池田首相からは、もうそのような話は止めようということになった。
反町 所得倍増計画を打ち出して、以来、日本政府はずっと経済に重点を置いてきました。
藤井 それ以降は政治家のサボタージュだと思います。世の中も全体的にその議論を忌避するようなところがあります。私たち自由党はその問題を表に出しましたが、たとえばテレビに出演したとき、私がそれを発言すると、司会者が話をそらしてしまうようなところがあります(笑)。



 
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