反町 第9条問題でもうひとつの大きな論点となっているのが、国連の平和活動活動への参加です。これはいかがお考えですか?
藤井 私は現在の国連憲章は国際連盟規約の反省のうえに作られたものだと判断しています。第1次大戦後、国際連盟が、ヒットラーやムッソリーニの台頭を抑えることができなかったのは、国際警察機能がなかったからです。1935年にムッソリーニがエチオピアを侵略した際、国際社会はイタリアに対して経済制裁はできましたが、それ以上のことはできませんでした。またナチス・ドイツがオーストリア併合に次いで、チェコスロバキアのズデーデン地方の割譲を要求したとき、1938年のミュンヘン会談で、イギリスのチェンバレンやフランスのダラディエがヒトラーに押し切られてしまったのも、
|
|
国際警察機能がなかったからです。そのような宥和政策が戦争をまねいてしまったという反省に立って、国連憲章を作る際、国際連盟規約の誤りをただした。それが第7章(『平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動』)、つまり国連の平和活動です。
日本が国連に参加した以上、当然、国連憲章に従って、国連の集団安全保障に参加しなければならない。一部の方は、日本は加盟したとき、第7章は留保条項にしたというような発言する人がいます。それは事実と反します。日本は堂々と、対等な立場で国連に加盟したのです。当然、国連が定める平和活動に参加しなければならない。そういう意味で、憲法にも、『国連の平和活動には積極的に参加する』旨を加えるべきだと思います。
|