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社会保障制度の安定は経済政策でもある

反町 次に消費税の使い方ということについてお聞きします。自由党は連立政権で、消費税の福祉目的税化を進められたわけですが、その趣旨は?
藤井 私は社会保障制度を安定させることは、社会政策であると同時に、経済政策だと思っています。日本に1300兆円もの個人資産がありながら、消費が伸びない。それは明らかに、国民が将来に不安を抱えているところから来ているわけです。その不安のもとは、社会保障制度に対する不信感ですから、制度を安定させることが肝心です。そのために、われわれが考えたことが、消費税を福祉目的にだけ使うようにすることで、国民の
みなさんに、『それならばいけるな』と、社会保障制度に対する安心感を回復していただきたいということです。
 残念ながら、自自連立政権のとき、消費税の完全福祉目的税化を完成させることができませんでしたが、連立政権の前半では、これを確実に進めることができました。現在、国でいただいている消費税に関する限りは、すでに基礎年金、高齢者医療、介護保険の三つにしか入れていません。
 5%の消費税のうち、国税が4%で、特別地方消費税が1%です。国でいただいた4%の一部は交付税などの形で地方に行っていますから、その


結果、消費税は55%が国、45%が地方にいっています。その地方の分について、国は地方財政対策を考える代わりに、45%をいただいて、社会保障制度の三つに入れるようにすれば、私たちが主張していた通りの消費税の完全福祉目的税化が完結していたわけです。
反町 その45%を国に入れ、福祉目的税化したかったということですね。
藤井 国で徴収して、国の予算にすれば、確実にすべてを福祉にしか使わないようにすることができますから。ところが、いよいよこれから地方にとりかかるという段階で、最大与党は消極的にな
り、まったく止めてしまった。地方に行く45%について、どのようにして制度を直せばいいのかという困難さから、手をつけたくなくなってしまったわけです。公明党を仲間に引き入れて安心してしまったということもあるのでしょう。



 
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