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公の部分を小さくするための税制

反町 藤井先生はきわめて論理的、体系的に、本質を突いたご発言をされると、かねがね尊敬申し上げております。今回は税制改革を中心として、21世紀に向けた自由党の政策についてうかがってまいりたいと思います。まず自由党が提言される税制改革について、基本的理念とされているところをお聞きします。
藤井 今、日本では、経済構造改革の必要性ということが色々な意味で言われておりますが、われわれ自由党は経済構造改革の理念を、公の部分を小さくして、民間活動の分野を広げること、そして、働いた成果を民間に残すことによって、活力を復活していただこうというところに置いています。
反町 小さな政府を目指すということですね。
藤井 小沢党首は、それを規制緩和の観点からとらえています。もちろんそれも大切な論点ですが、私自身はそれを税制という形からとらえています。税制改革も、経済構造改革の一環としてやってまいりたいということです。
 われわれ自由党は直接税を中心とする減税政策を掲げましたが、これは景気対策の観点から言ったのではありません。景気対策を目的とした減税といいますと、往々にして、その分の歳入の不足を埋めるため、赤字国債を発行するようなことをします。
 そうではなく、私たちは、減税した分、歳出を減らすということを申し上げました。つまり公の部分を小さくするための税制ということです。


反町 所得・法人課税の国際水準並みの引下げと制度の簡素化を打ち出されました。
藤井 直接税を中心として、中期的には18兆円の減税を実現するという目標をお示ししました。われわれが連立政権に参加しているとき、このうち8兆円分は実現しています。
 具体的に申しますと、まず法人課税の実効税率はこれまで50%でしたが、40%に引き下げました。これで約4兆円分の減税になります。また所得税率も引き下げました。ご存じのように、この政策を最高税率の面だけからとらえて、『金持ち優遇』と言われる方がいますが、われわれの政策は、所得税、住民税を全体として落として、半分にすると
いうことで、その最高税率の65%を50%にしました。これも約4兆円分です。
 法人課税の分とあわせて約8兆円で、公約にした18兆円にあと10兆円です。残りは行政構造改革で、歳出の見直しを徹底することで実現しようということです。現在、国・地方で歳出が150兆円あります。その1割を抑えるだけで、15兆円の削減が達成できるわけです。バブル崩壊後、民間企業にしても、家庭にしても、1割くらい支出を抑えなかったところは無いでしょう。公だけが支出を抑制できないというのがおかしいのであって、それを実行すれば、われわれが目標とした減税分は確実に出せます。



 
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