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介護保険における本来の独自施策

--その他、介護保険において、我孫子市ではどのような施策を考えていますか?
「認定については当たり前のことと思って、独自施策という認識ではありませんでした。むしろ我孫子市が介護保険における独自施策として中心に位置づけていたのは、介護保険調整委員を設置したことです。これは介護保険のすべての過程に対する不服申立を受ける機関です。オンブズマン的な性格をもつ機関です。
 その後、厚生省がオンブズマン制度を考えているという報道がありまして、それ
が現実化するのであれば、整合性を図っていかなければならないと思いますが、我孫子市は先行する形で同様の組織の設置を決めていたわけです」
--調整委員会はどのような委員によって構成されるのですか?
「弁護士や医師、福祉の専門家など5人の委員で構成されています。調査の段階から、認定を含めて、サービスの内容、介護保険すべての過程について、異議、不服の申し立てを受けます」
--介護保険法にも、認定などの不服を受ける制度はあるのではないですか?
「法律では、要介護認定など対する不服


申し立ては県の介護保険審査会が対応することになっています。サービス提供についての苦情などは県の国民健康保険団体連合会が受けることになっています。
 しかし、市民にとっては、県に不服申し立てを行うというのは、よほど強い決意をもたないと、精神的になかなか大変なことではないかと思います。少なくとも、気軽にできるというわけにはいかないでしょう。それを考えると、市民にとってより身近な市に、異議の申し立てを引き受ける窓口があるべきだと思ったのです。
 また、窓口が別れていて、認定に関し
てはこちら、サービスはこちらというのではなく、調査からサービス提供まで介護保険すべての過程における異議や不服申立を一括して受ける窓口を作る必要があるということで、調整委員会を作りました。」
--しかし、その調整委員会の権限には認定の是正を命じるような法律的な根拠はないわけですね?
「我孫子市の調整委員会は法律にもとづいて位置づけられた機関ではありませんから、審査会が認定した内容を変更することはできません。調整委員会は市民からの不服申立を受けて、それに相


当の理由があると判断した場合、市長に報告をします。市長はそれを受けて、認定審査会にもう1度かけます。通常でも6カ月ごとに認定し直していくわけですが、特別な事情があるときは、そのサイクルを短縮することができます。その制度を利用して、事実上の再審査ができる仕組みを工夫したわけです」

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