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『地方分権の試金石』

--厚生省が我孫子市に対して、「痴呆性高齢者を特別扱いにするのはいけない」と指示する根拠は何かと?
「当初、介護保険について、厚生省は機関委任事務の指揮監督権と同じ発想で、細かいところまですべて指示する。自治体はその通り実施するのが当前という前提に立っているという雰囲気がありました。自治体の職員の側にも、そのことに疑問を持っていない面があったことは否定できないと思います。
 しかし、よく考えれば、機関委任事務ではないから国の指揮監督権はない。では、これは勧告か、助言か、是正の要求
なのか。いずれにせよ法律と政令に基づかなければならないわけですが、法律や政令には判定の細かいやり方に関する定めはないのです」
--今回の件は、今後、本格的に進んでいく地方分権の第一歩として大きな意味があったかもしれませんね。
「もともと介護保険は『地方分権の試金石』と言われていたわけですが、自治体の側も地方分権の意識に欠け、いかに厚生省の言うことに合わせるかに必死になっていたのではないでしょうか。確かに必要に迫られたという面はあるでしょうが、『地方分権の試金石』というような話


はどこかにふっとんでいたのではないか。それをもう一度、認識できたいうことで、今回の件の意味は非常に大きかったと思います」

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