弁理士制度は今年で100年を迎えた。特に、戦後の急速な経済発展と80年代以降の知的財産権をめぐる世界的な潮流の中で、弁理士を取り囲む環境は激変してきたと言ってよい。
今や、「ソフトの時代」「知恵の時代」と呼ばれている。知的財産権保護に関する国家の基本方針を定めるのは遅きに失しているといえるが、弁理士制度が限りない発展を遂げるよう、様々な対策が必要となることは言うまでもない。
まず、世界特許の実現があと一歩のところまで迫っている。インターネット、衛星通信等による情報の授受についてもはや国境は無くなった。国際的同時審査の実施は、条約と国内法の整備を急ぐことで、わが国が世界でリーダーシップを発揮することが出来る。
また、ソフトウェア特許、金融工学特許、動物・生物特許など、新しい知的財産の分野でももれなく保護が及ぼせるよう、知的財産権法のカテゴリーを広げ、法整備を速やかに行うべきである。
さらに、新しい分野として成長著しい知的財産権法であるが、現在大学院改革の一環として議論されている、「専門大学院」「法科大学院(ロースクール)」で、国内特許だけでなく国際特許に関しても徹底した実務教育を行うべきである。アメリカにはフランクリンピアースのような特許専門の大学院大学があるが、わが国でも大いに参考にすべきである。
最後に、特許特別会計については、平成12年度概算要求で1,077億円となっているが、決して充分な予算ではない。2,000〜3,000億円規模の予算措置が必要と思われる。
9月17日の政府閣僚懇談会では、知的財産権の保護について関係省庁で検討を進めることを申し合わせたと報じられている(読売新聞99.9.18朝刊)。政府は一日も早く、【提言 1】から【提言11】までの項目を実現させ、知的財産を中心とした21世紀、22世紀の産業社会の基盤を固めるべきである。
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