−税理士の役割として、地方自治体の監査が始まっていますが、この取り組みについてお聞きしたいと思います。
「連合会では、地方公共団体の監査人になる知識をつけるための研修会を既に10回実施していますが、参加人数はどんどん増えています。また各税理士会でも、同じような研修会を開催しています。今後、社会の趨勢として、いっそう行政のディスクロージャーが求められるようになる中、外部監査の対象となる地方公共団体は今後どんどん増えていきます。公認会計士や弁護士だけでは人手が足りないという現実がありますから、われわれ税理士としても積極的に外部監査に参画していかければならないという使命感を持っています。
また民事調停委員という役割も、求められるようになっています。裁判所から、『専門家として税理士を派遣してほしい』という依頼が増えおり、そのご要望にも積極的に応えていきたいと考えています」
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−時代の変化から、税理士の業務も変わろうとしているということでしょうか?
「これまで税理士の業務は三つあるとされてきました。税務代理、税務書類の作成、税務相談です。あくまで税務に関する仕事こそ、税理士の本業とされてきたわけです。ところが今、税理士が果たす役割について、社会の要求が変化しようとしています。税の知識がなければ、理解できない部分があるわけです。地方公共団体の外部監査もそうですし、民事調停に関する相続財産、譲渡の問題、破産の問題であるとか、先々この会社がどうなるのかといった経営コンサルティング業務もあります。税務そのものだけではなく、税に派生する様々な業務が増えているのです。税務に関する本業は本業として、税に派生する業務にも力を入れて、社会の要求に応えていかなければなりません |