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インボイス制度の導入の疑問

−逆に、検討会の中間報告書との見解の相違点としてはどのようなことがありますか?
  「検討会の中間報告書では、消費税に関してインボイス制度の導入を提唱されていますが、これについては、賛成しかねる部分があります。われわれとしては現在の帳簿方式(日本型インボイス方式による前段階控除方式)を維持しても良いのではないかという意見です。われわれとしては、きちんと帳簿を用意して、請求書もそろえていますので、あえてインボイス方式へ移行する必要性については疑問に感じています。その導入を検討する前に、消費税の制度全体について、税率の見直しなど抜本的な問題を含めて考える必要があるという認識です」

−消費税では、いわゆる益税の問題が指摘されています。これについてはどのようにお考えですか?
  「消費税の制度には、中小事業者に対する特例措置があります。年間課税売上高が3000万円以下の事業者は免税となる免税点制度があります。また簡易課税制度ということで、仕入税額控除について、課税売上高の一定の率を仕入とみなしての控除を選択できる制度があります。このふたつが益税問題の原因とされているわけです。その問題の最たるものであった限界控除制度の廃止などの見直しがされるなど、ある程度は問題が解消していると思いますが、


現在、全事業者の60%以上が免税事業者になっているという実態があり、その割合は諸外国と比べて、非常に高いという指摘があるわけです。そういう状況の中、免税制度がどうあるべきか、慎重に検討していく必要があると考えています。また簡易課税制度も零細事業者に対する措置として維持していくべきだと考えますが、基準期間を廃止するなど、もう一度、制度を見直す必要があるのではないかと思います」

 
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