低すぎるのです。ようやく平成10年から60歳以上定年制が義務化されましたが、それでも60歳の時点ですでに高齢者扱いにするわけです。定年延長は当然のことですが、今、産業界は不況で、すぐに一律定年延長の導入は困難でしょうから、他の企業への再就職など、あらゆる手段・方法を使って雇用を延長していこうと提言しています」
-- 高齢者の雇用対策を進めるにあたって、阻害要因はありますか?
「高齢者の雇用に関して深刻化している面があります。規制緩和の流れの中で、流通革新が進み、零細商店がどんどん倒産に追い込まれていることです。小
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売業の自営業は健康であれば生涯、働くことができるため、高齢者の雇用の大きな受け皿となっていました。今、それが縮小し、高齢者の雇用の場が消えつつあります。今後、それらが生活困窮者として大量に出現する可能性があります。自営業は全労働人口の3分の1を占めているため、社会的なインパクトも極めて大きいのです。そのような規制緩和の流れに、自民党内部から、『町の商店が潰れている』と反旗がひるがえってくるのも当然です。産業構造の変化が不可避だとしても、軟着陸の政策を考えなければならないと思います。
そもそもコメや嗜好品といった商品は需要の価格弾力 |