と思います。トップ・マネジメントだけではなく、むしろミドルやローといった階層の人たちが大変勤勉で、新しい仕事を覚えようと努力してきた。それが日本経済を支えてきたと思います。
製造用ロボットでいえば、日本は世界の稼働率で7割のシェアを占めています。欧米諸国では、組合がロボットの導入に反対しました。そのような技術が入れば、熟練技能が陳腐化してしまうというわけです。しかし日本の組合は歓迎しました。新しい技術を取り入れていく労働者が大勢を占めていたわけです。また欧米と違って、日本ではロボットに関するオールラウンドプレーヤーが育ちました。自動車製造の
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スポット溶接や塗装の工程で、一人の労働者がメンテナンスからオペレーションまで行うのです。その人たちはロボットにニックネームをつけて、自分の分身のようにして扱っています。
新しい技術を進んで職場に取り入れて、労使紛争が起きない、労働者はそれに見事に適応する。こんな国は世界でも珍しいのです。私はこの先10年くらいは日本は新しい技術をスムースに取り入れるし、それに適応できる高い職業意識・能力をもつ人材が豊富にいるだろうと思います。
ところが今、『終身雇用は駄目だ、実力主義だ、能力主義だ』と喧伝されるようになっているのです。そのような世界で |