と言わんばかりの昨今の主張には今回の提言はくみしていません。簡単に社員の首を切って、労働市場に出すより、使用者はできるだけその社員の活用を考えながら、抱えるべきです。中高年層の労働者を解雇して、労働市場に出しても、簡単には再就職できません。そのような方法を採ることは、個人にとっても負担も大きく、また社会的負担も遥かに大きいのです。リストラを苦にした中高年の自殺が頻発していますが、そのような状況を生むほどの雇用不安が日本の経済の活性化を妨げています」
-- 日本型雇用慣行のもうひとつの象徴である年功序列についてはいかが
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でしょうか?
「5年ほど前、アメリカで行われたシンポジウムにパネラーとして出席した時のことです。質疑応答の際、フロアから、『日本の年功制は年齢がくればみんな機械的に昇進、昇格、昇級するのか?』という質問が出ましたから、私は怒ったわけです。『そんな機械的な制度ではありません、日本の年功主義は実力主義・能力主義です』と。
日本の年功主義を否定する人は、実力主義や成果主義が望ましい制度であって、逆転人事は当前だとするわけですが、日本企業の年功主義は決して機械的な昇進システムではなく、きちんとした実力主義なのです。 |