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住民に求められる意識改革

--これから世田谷区では、福祉に関して、どのようなことに力を入れていこうとされていますか?
「今、世田谷区では地域の福祉機能ということを考えています。これまで国民の間に、福祉となると、すべて行政任せという面があったのではないでしょうか。世田谷区民にしても、無意識にでも行政を頼る傾向がなきにしもあらずだったと思います。自治体としても、今までは財政的にもそのような要求に耐えてこられたという背景もあります。ただ、それは右肩上がりの経済を前提にしたものです。今は毎年の予算を組むのも大変な状況になってきているのです。
 自治体だけではなく、例えば民間企業の方にも、もっと主体的に福祉に取り組んでいただきたいと思います。例えば、保育のことでいえば、世田谷区の場合、区長がとくに熱心ですから、『保育待機児ゼロ』という運動に取り組んできて、現在、ほぼ達成していますが、これなども普通であれば、行政だけに任せておくだけではとても達成することは無理でしょう」
--少子化がこれだけ大きな国家的問題になっている今、民間企業にも果たすべき責任があるということですね。
「これからの時代、少なくとも大きな企業であれば、応分の企業内保育を実施し


て社会的責任を果たしていただきたいと思います。女性の参加が当たり前になって、大企業は多くの女性社員を抱えているわけです。子供が生まれたら全部、自治体任せというのでは、きりがありません」

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