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成年後見制度は第一歩

--確かに超高齢社会が到来する時、福祉を支える税収の確保は極めて困難なことになると思われますが、具体的には、どのような打開策が考えられるでしょうか?
「福祉サービスのコスト負担をどうするかについては、やはりその方のフローではなく、ストックである資産を判定の対象とするという方法の導入を考えざるをえないのではないでしょうか。
 世田谷区では、年に1回、区民意識調査を実施していますが、高齢者の持ち家率は非常に高いのです。持ち家の高齢者でも、財産が無い高齢者でも、フロー
からだけ判定するのですから、同じように介護保険の対象者として認定されるわけです。では、その後、それぞれの子供がどうなるかを考えてみますと、同じように親の面倒をみても、ストックがある高齢者の子供はその後、莫大な価値がある家屋敷を遺産として引き継ぐのに、一方はそれがない。今後、高齢社会が訪れ、財政の負担が増して行くと、そのような不公平感のある施策は早晩、通用しない時が来るのではないかと思います」
--一定の資産のある方に対しては、高齢福祉サービスの受け方についても別の方法があるのではないかと?


「先程、今回の成年後見制度は第一歩ではないかと申し上げたのは、そこにあります。私は介護保険と期を同じくして成年後見制度を設けたということは、国の立法者はそこまで見越しているのではないかと思っています。将来はストックもきちんと見るようにするという意思の現れなのではないでしょうか。成年後見の制度から、さらに財産の信託にまで進め る。資産のある方は資産をうまく使って老後の生活をしていだく。そのような制度にもっていきませんと、超高齢化の時代を迎えたとき、従来型の福祉の考え方ではとても維持していけなくなると思います。そういう意味で私は、成年後見制度はその第一歩だと見ていますし、これからその動きを注意深く見ていきたいと思っています」

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