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地域ごとの施策

--日本の福祉の基本的な路線が変更されようとしているようです。同時に、地方分権の時代が到来しようとしています。今後の福祉に関する自治体の政策形成はどのようにあるべきでしょうか?
「自治体の政策形成ということでいいますと、東京都のような大きな自治体で、全国に影響を及ぼしうるような存在であれば、福祉局のスタッフを中心にして、国とも張り合いながら、ある意味では逆にはっぱをかけながらやっていけるとも思いますが、その点、やはり基礎的自治体はなかなか難しい面もあります。
 しかし、世田谷区としては福祉計画課
を十分に機能させなければなりません。今度の介護保険にしてもそうですが、既存のサービスの在り方を見直したり、福祉全般について検討できる計画専門の部署が設置されているわけです。これから、それらの部署の職員にはますます活躍してもらって、バランスのとれた福祉施策を実施していかなければならないと思っています」
--いわば福祉の現場である基礎的自治体が、福祉の施策に関して計画的な部分を担っていくことは非常に意義があるのではないでしょうか?
「そうですね。それがまさに今、問われて


いる地方分権ということでしょう。とくに福祉の場合、地域に適した施策を展開することが大切です。地域特性ということが問われる分野だと思います。全国3300の自治体すべてに適用されるような施策というのは、まず無理な話でしょうし、それをやろうとすれば、制度のどこかに歪みが生じることさえあると思います。福祉について、中央がすべての施策を決めて、末端の自治体までその方針で行くという形ではなく、それぞれの自治体が主体性をより確保できるような仕組みに変えて行く必要があるのではないでしょうか」
--介護保険はその第一歩になりえるでしょうか?
「地方分権化の第一号の法律ということで、期待をかけていたのですが、結果的には、そうなっていなかったように思います」
--国と地方の役割分担が、従来のような関係のままだったということでしょうか?
「介護保険については、これまである程度、先取りしてサービスを提供していた自治体もあるわけですから、施策の細かい部分に関してはそれぞれの自治体に委ねても良かったのではないかと思います。今回、国にはある程度、自治体に任せるという度量を示していただきたかったという思いますが実感としてありますね」

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