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実務家インタビュー 根本 大作 先生

根本 大作 先生

根本社会保険労務士事務所/特定社会保険労務士
根本 大作 先生

PROFILE
大学卒業後、国家公務員として人事業務に携わる。平成9年 社会保険労務士試験合格。ファイナンシャルプランナー(AFP)合格。平成15年 根本社会保険労務士事務所開業。平成18年 特定社会保険労務士試験合格。労務相談、各種手続きや給与計算、就業規則の作成、助成金申請といった主だった社労士業務のみならず、人事制度の構築、執筆、講演等、多方面において活躍中。
社会保険労務士を目指した経緯は

私は前職、公務員として人事労務の業務に携わっており、人事労務の世界でキャリアを積んでいくに当たって、「より幅広い専門知識を身に付けていきたい」と思い、勉強を始めました。「将来的には開業したいな」という気持ちはありましたが、士業の世界は甘くはありませんし、「ベテランの先生が多くいらっしゃるこの世界で、果たしてやっていけるだろうか」という不安の方が大きかったです。

そのようなとき、LECの合格祝賀・交流会に参加し、多くの先生方からお話を伺うことができました。また、その際に名刺交換させて頂いた先生が経営されている、社労士をサポートしたり、事務組合の運営などを行っている団体に偶然にも勤務させて頂くことになりました。そこで、社労士としてのスキルを培い、社労士業界の情報を得、また実務経験を積むことができました。そんな折、平成13年あたりから若い世代が続々と開業し始めてきたように感じました。そして、労働環境の変化や少子高齢化の年金問題をはじめ、今後ますます社労士へのニーズの増大するであろう現代において、一社労士として貢献していきたいという思いが大きくなり、平成15年に独立開業を決意するに至りました。

現在の業務についてお教えください

社会保険労務士の業務は、1号業務(提出書類の手続代行)、2号業務(帳簿書類の作成事務)、3号業務(コンサルティング)と大きく3つに分けられますが、私は採用から退職までの労務管理や各種手続・給与計算、教育研修や賃金・人事制度等、人財に関するあらゆることに携わっています。コンサルティングでは、高年齢者の再雇用や労使問題に関する案件等を行っています。

近年、3号業務を重視する風潮がありますが、根本先生はどのようにお考えでしょうか
近年、3号業務を重視する風潮がありますが、根本先生はどのようにお考えでしょうか

これまでの社労士の業務と言えば、1号、2号のいわゆる事務代理業務が中心で、付随して3号が発生するというかたちでした。しかし、時代の変化により経済環境や経営環境の変化が激しく、また、コンプライアンスの重要性が増している現在では、3号業務のコンサルティングが大変重要になってきます。社労士の中には、3号業務に特化している方もいらっしゃるほどです。

一方で、1・2号業務は、既に先輩社労士がシェアを占めていて開拓が厳しいとも言われていますが、社労士業界に身を置く立場として、飽和状態であるという実感はまだありません。

実際、セミナー講師や執筆でご活躍されている方は別ですが、社労士の多くは、1・2号業務や労務相談の顧問契約での売り上げをメインとしており、3号業務に力を入れている社労士でも売り上げが本当に3号業務だけに限定している方はまだ少数かと思います。 さらに、3号業務は、法律や労務管理のプロとしての豊富な知識が要求されますから、実務の基本である1・2号業務がしっかり身に付いてなければ、さまざまなケースに対応することができません。なお、3号業務を専門にするのであれば、人事コンサル、労務コンサル、年金コンサルなど、多様な分野がありますので、自分ではどのフィールドで活躍できるのか、ご自身の今までの経験等を踏まえ業務を選んで特化していくのが良いかと思います。

事務所を経営する上で心がけていることはありますか

自らが、「経営者」として、「営業担当者」として、「専門家」として、広い観点から起業、マーケティング、営業を考えなければ、事務所の経営戦略を策定することはできません。 そして、最も大切にしているのが、誠心誠意に対応し、お客様への理解を深めることです。現在、中小企業の労務相談を担当させていただいていますが、経営者一人ひとりと実際にお会いし、対話を持ってご支援することを重視しています。直接お会いすることによって、お客様の人柄や考え方、社内の雰囲気が伝わり、信頼関係も築けますし、良きパートナーとして仕事に携わる事ができると思っています。また、最近では仕事による心理的負荷が原因で精神障害となり、メンタルヘルスに関する相談が増加しています。このような状況を考えても、適切なアドバイスができるよう、お客様とのコミュニケーションは不可欠だと思います。

社会保険労務士を目指している方や独立開業を目指す方へメッセージをお願いします

かつては、売り上げ1,000万円で一人雇うと言われていました。しかし、近年の社労士業務は、電子申請や郵送での受付といった行政の対応の変化、一方で労務、人事などを中心にして年々広がりを見せており、業務内容によっては少人数ないし自分一人でも経営可能になっているように思います。重要なのは、その人の取り巻く環境に応じた事務所運営をするということです。社労士それぞれの価値観によって、成功社労士像も異なりますので、将来自分がどのような分野で尽力していきたいのか、理想の社労士像を持ち続けていただきたいと思います。

開業するということは、すべて自分の責任でもあり、厳しい部分はありますが、その何倍ものやりがいを感じることができます。社労士に少しでも興味がある方はぜひチャレンジしていただきたいと思います。

Column

根本先生のある日のスケジュール

9:00〜10:30 事務所出社
メールチェックや返答、電子申請での各種届出業務など
11:00〜12:00 1件目のクライアントさんに訪問し、相談業務
13:00〜14:00 2件目のクライアントさんに訪問し、相談業務
14:30〜 事務所に戻り、メールチェックや返答、問い合わせ案件の対応や次の訪問予定のクライアントさんの準備、その他各種業務
18:30 業務終了

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