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アングロ・サクソンの覇権の歴史

反町 日本はこれだけ経済規模が大きくなった国家の責任として、海外に向けて国家の形をどうするか、明確に打ち出していくべきだと思われます。21世紀、日本はどのような国作りをするべきだとお考えですか?
岡崎 そのような大きな話になりますと、きわめて楽なのです(笑い)。国際情勢を分析するとき、この先1か月間のことは、要人の言動、会議や選挙の結果など、過去1年間のことをきちんと分析すれば分かります。過去10年を分析すれば、半年先までは見えます。
反町 では、この先10年、20年のことは?
岡崎 そのためには何百年か溯らなければなりません。ところがやってみれば、驚くほど簡単です。まず1588年のトラファルガーの海戦で、イギリスがスペインに勝利した。次に英蘭戦争でオランダに勝ち、さらにフランスとの長い戦争の末、ついにナポレオンを破って、セントヘレナ島に送ってしまう。その後、イギリスとアメリカで、勃興してきたドイツを叩く。再びドイツが日本と一緒になって復讐にきたので、これも叩いた。次にソ連が強力な敵として現れたが、これも打ち負かした。つまりアングロ・サクソンが

覇権を維持してきたのが、過去4世紀にわたる世界史です。そして、その期間、アングロ・サクソンについた国は必ず得をしています。また一度やられた国も、その後、アングロ・サクソン側につくことで、安泰になっています。オランダもフランスもそうです。その意味で、20世紀における日本外交の最大の失敗は、1922年の日英同盟破棄です。日本はアングロ・アメリカン世界との協力関係を維持していけば、あと半世紀か一世紀、われわれの孫、曾孫の世代までは、今のような生活をしていられます。
 
 
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