↑What's New ←目次
0 1 2 3 4 5 6 7 8 通巻 195号

指標を設定する難しさ

−行政評価の制度を作るうえで技術的な難しさはどのようなところにありますか?
「成果を測るために、客観的なデータに基づいて、どれだけ住民に便益を与えたか、効果 があったかを評価していく指標の設定に、みなさんご苦労されています。
 指標の設定の際、大事なことは、どれだけ予算や職員を投入したかというインプットやどれだけ事業を実施したかというアウトプットの視点ではなく、もう一つ先の、事業を実施した成果 を測るアウトカムの視点を意識することです。

 それに関して、よく学校へのパソコン導入の例があげられます。各校100台という目的があって、A校が100台、B校は50台、C校が20台導入したとすると、今までの予算ベースの評価では、A校が一番良いわけです。しかし、実際にパソコンを使った生徒の数を見ると、A校が50人、B校が100人、C校が200人だったとすれば、C校が最も良いわけです。さらにパソコン導入の成果 を評価するためには、ただ生徒が長時間使えばそれで良いというわけではなく、生徒が使いこなせるようになって、自分たちが必要とする情報をどれ


だけ得られるようになったかというところまで見ていかなければなりません。それがアウトカムというとらえ方です。
 これまでは行政の活動の結果を評価するとき、そのような部分まで目が行かず、100台購入して予算を使い切ったら、それで終りということになりがちでした。いわゆる『箱物行政』にしても同様です。成果 重視という考え方にはいったん造ってしまえば、その先の稼働率などは知らないというような従来の在り方に対する反省があるわけです」
 



 
→Next

↑What's New ←目次
0 1 2 3 4 5 6 7 8 通巻 195号
Copyright 2000 株式会社東京リーガルマインド
(c)2000 LEC TOKYO LEGALMIND CO.,LTD.