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建設的な議論ができるようになる意義

―政策評価の成果重視という面 と、官僚の人事評価に組み合わせることによって、インセンティブを高める考え方があるのではないでしょうか?
「海外にはこの仕組みを個人の業績評価に結び付けようとしている国もありますが、日本の場合、そのためには個人の業績評価の在り方から変えていく必要があると思います。善し悪しは別 として、日本の行政は組織として仕事をしていますから、誰の手柄かは特定しにくい面 があるのです。むしろ日本の行政に馴染む形で実施していくのが良いのではないでしょうか。何と言っても今はこの制度を動かすために全力を挙げてもらうことが大
切です。日本の行政の良い面は全員総がかりで取り組むことにありますから(笑い)。  ただ先日、総務庁人事局で人事評価の研究会の報告書が出ましたが、新しい行政での人事評価を考えるべきだという議論も出ています。そうしたことが進んで、ある程度定着したときは、政策評価の結果 のメリットを個人に還元する手法が採られる可能性も生まれるのかもしれません」

―日本の公務員はパブリックな使命感を強くお持ちだと思います。成果 重視という新たな目標が設定されれば、それに向かってどんどん進まれるの


ではないでしょうか。
「これは自信をもって言えますが、日本の公務員というのは一度決まったことはきちんとやります。政策評価の制度ができれば、それに沿って一所懸命にやっていくことは間違いありません。情報公開法の成立もあり、今後、行政の仕事はよりチェックされる時代です。むしろこの政策評価という制度によって、自らの仕事には合理性があり、正しいという積極的に説明していくことができる機会を与えられるととらえていただきたいと思います」
―公務員にとっては仕事のやりがいにもつながりうるということですね。
「きちんとした前提、経過、結果をもとに議論できるようになりますから、少なくとも非生産的な水掛け論ではなく、建設的な議論ができるようになるはずです。従来ですと、批判するものと、批判されるものの間にある種の空しさが生じ得るわけですが、今度の政策評価制度で、きちんと意見を戦わせる土俵ができます。その意義は大きいと思います。行政改革会議の報告も国民的な政策論議、『幅広く政策選択の在り方について国民的議論を喚起していく』ことを狙いとしています。


それを公務員から見れば、こういう根拠で、こういうことを狙って、こういう結果 が出たと世の中にお示しすることで、自らの仕事の証しを立てる機会が与えられる。そして、それに関する議論も建設的なものにできるということです」



 
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