↑What's New ←目次
0 1 2 3 4 5 6 7 通巻 195号

まじめに取り組むほど難しい問題

―省庁ごとに仕事の内容や方法は異なるわけですから、標準的ガイドラインの作成では、評価の方法もそれぞれに合ったものが必要と思われます。同時に全政府的な統一性、公正さが求められると思いますが、そのふたつの要素をまとめる難しさがあるのではないでしょうか?
「確かに行政分野はそれぞれ固有の性格があります。そうした多様性・固有性と、統一的な仕組みをどのように調和させていくか、それが政策評価の仕組みを作る上で一番腐心している点です。議論すると各省庁は自らに合う手法や方式の選択を認めて欲しいとされます。われわれとしては客観
性、厳正な手続き、公表という制度の根本に関する要件を満たすことを要請します。その要請と各省庁のご意見をどう調和させるか、統一された制度であり、かつ弾力性・機動性のある仕組みを作ることに一番力を注いでいますが、これはなかなか複雑なパズルです。評価の観点などは、できるだけ統一的なものにする必要があります。また似た行政分野なら、用いる指標もできるだけ共通 にすることが、国民から見れば分かりやすい仕組みということになるでしょうが、あまりにも窮屈な仕組みにすると、評価そのものがぎごちない内容になることも考えられます。


 現在、学識経験者・実務家の方々に研究会で検討していただくとともに、各省庁から考え方、課題や問題点をお聴きしています。各省庁ともきわめて真剣に取り組んでいただいているのですが、この問題はまじめに取り組めば、取り組むほど、難しいという声が聞こえてくるのが現状です」

―省庁で評価を行う主体となるのは、どのような部局になるのでしょうか?
「まず各省庁に評価部門を作ってもらいます。これは中央省庁等改革基本法で義務づけられていま
す(第29条)。具体的な評価は評価担当の組織が行う場合もあり、評価担当組織の総括のもとに実際に政策を所管する原局が行う場合もあるだろうと考えています」

―評価を実施する主体となる組織作りの上で難しい点は?
「府省を上げて取り組む体制づくりと人材確保です。 例えば、省庁横断的なプロジェクトチームを作るときなど、色々な考え方が出てくると思います。また原局だけで行った場合、公正さで対外的


な信頼を得られないと判断されれば、他部局からも評価に参加してもらうとか、今後、色々な工夫が出てくるでしょう。政策評価の原則は結果 を企画、立案に反映させることですから、それを担保するという意味で、原局が評価をしても、評価担当組織がチェックすることが必要だと思います」   



 
→Next

↑What's New ←目次
0 1 2 3 4 5 6 7 通巻 195号
Copyright 2000 株式会社東京リーガルマインド
(c)2000 LEC TOKYO LEGALMIND CO.,LTD.