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マネジメントサイクルの確立

―行政内部で自らの評価を行うことの意義はどこにあるとお考えですか?
「平成9年12月の行政改革会議の最終報告では、日本の行政が企画偏重であるとのご指摘を受けました。予算を取るとか、新しい法律を作ることに関心の重点があり、政策の見直しは軽視していたとされているのです。そして、『行政の効果 について、事前、事後に、厳正かつ客観的な評価を行い、それを政策立案部門の企画立案作業に反映される仕組みを充実強化することが必要である』として、各省に評価部門を設けるとともに、全政府レベルの評価機能を求めています。行政改革会議
は、行政の自律的な評価は、外部からの評価・監視以上に政策への反映が効率的、効果 的にできるという前提で結論を出されていると思います。つまり行政のマネジメントサイクルを効率的に機能させるために、行政が自律的に評価を実施すべきだとされたわけです。外部から同じレベルの評価をしようとすれば、膨大な作業が必要となります。あるいは行政そのものと同規模の体制が必要かもしれません」

―一方で、客観性の確保の証明など、自己評価には難しい点もあるのではないかと思いますが?


「自己評価にはつねに一定の懸念があることは事実でしょうが、それについて、行政改革会議は、評価に関する情報は公開すべきとされています。情報を公開することによって、改めての外からの評価・分析や批判が起こり得るという仕組みが期待されているのです。さらに、新しい行政局に府省の枠を越えた評価を行う機能を付与したということです。そのことは総務省の設置法でも条文化されています」 ―行政による政策評価によって、外部の監査もいっそう進むということでしょうか?
「政策を合理的なものにして、国民に納得していただける形にすることが政策評価の最終的な狙いだと思いますが、政策評価には外部からの評価・監視の環境を整える効果 があります。つまり政策評価による情報公開によって、評価の材料を提供することで、外部評価に資するということで、ここに評価の透明性を確保するというメリットがあるわけです」



 
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