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通巻 194号
貸借対照表を重視する考え方
−−新会計基準をめぐる報道では、時価会計(注4)や連結決算などが話題としてよく取り上げられていますが、これまでの日本の会計制度との違いとして重要なのは何でしょうか?
「時価会計について、勘違いされている方が多いようですね。これは必ずしもすべての資産を時価に置き替えるということではありません。金融商品に限られているのです。すべて時価に置き替えて計算するなら、損
益計算の意味とはいったい何か? ということになってしまいますから(笑い)。 新しい会計基準による変化を端的に言うなら、これまでの日本の会計は経営成績を表す損益計算書が中心だったが、これからは財務内容を示す貸借対照表も重視する会計に変わっていくということです。企業の収益力を測定するうえで、損益計算の重要性はいまだに価値を減じていません。しかし損益計算書だけ
を充実するだけでは不十分だということから、貸借対照表重視という姿勢が強くなったわけです。」
−−世界では、貸借対照表を重視する考え方は主流と言えますか?
「アメリカでは、1960年代後半からその検討が始まって、今日に至っているわけです。ただ興味深いことに、アメリカは損益計算書と貸借対照表とをほぼイコールで重視するのですが、IASCにおける議論では、貸借対照表にや
や重きを置くという傾向が強いと言えます。 現在、IASCの抜本的な組織改革が行われています。来年1月からは完全に新しい組織で議論がスタートするわけですが、その段階では、これまでの議論の方向が修正されることが予測されます。つまり、よりアメリカ的な方向に修正されるのではないかという読みが可能です。」
注4 「時価会計」 これまで貸借対照表上の評価額は取得時の価格で計算する原価法が原則だったが、国際会計基準では、金融資産や投資不動産はその時の価格を計上する時価評価となる。
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