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年々歳々、重要性が増す監視

−−日本ではコーポレートガバナンス(企業統治)の必要性が問われています。それに伴い、公認会計士の役割がますます重要になっていきますね。 「色々な意味で、日本は国際化していかなければならない状況にあるわけですが、それは監査についても同様です。海外の動きを見ていますと、パブリック・インタレスト(公共の利益)の観点からの業務だという位置づけが強く言われるようになっており、監査に対する重要性も年々歳々、増していることが見てとれます。日本においても公認会計士は今までよりも公共の利益を守るという使命感をもって、考え、行動していく必要があるといえ ます。」 −−現在、公認会計士を目指されている方にも、その意識をもつことが望まれるということですね? 「そうです。単に高い収入を求めてという意識であれば、やめたほうが良いのではないでしょうか。また公認会計士を目指される方は幅広い教養を身に付けておくことが大切だと思います。そうしませんと、監査という機能を果たそうと思っても、総合的なジャッジメントができないため、適切な監査判断もできないと思います。総合的ジャッジメントといっても、その企業をおもんばかって、ということではなく(笑い)、経済現象など色々な要素を総合的に見た上で判断することです。  今まさに


国際化を迎えている時代です。単に英語ができるということではなく、欧米人の考え方なども理解していかなければなりません。」 −−日本の大手監査法人は欧米の会計事務所と深い関係をもって活動されているわけで、そういう意味でも、国際的に通用するような人材であることが求められるということでしょうか? 「公認会計士のみならず、日本人みな、そうならなければならないと思います。『文明の衝突』の著者サミュエル・ハンチントンが言うように、それぞれの文明、文化がぶつかって、新たなものを生み出すということが国際化の構図として望ましいと思います。そのような国際化を実現 するには、それぞれの文明や文化、またそれを構成する個々人がきちんとアイデンティフィケイションをもつことです。それは対立だけを意味するのではなく、むしろ融合するために必要です。きちんと個々が確立され、相手のことを理解したうえで、議論して、新たなものを生み出していく。そのようなことが必要な時代です。」 −−個々の企業についても同じことがいえますね。 「そうです。まさに日本は国家として、そのようなことを求められているのだと思います。21世紀というのは、そういう国、企業、個人こそが本当の意味で、国際化された社会で動いていく時代だといえるでしょう。」


 
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