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監視の時間を増やす必要性

−−日本の会計制度は大きく変わりつつあります。今後、それを担う公認会計士制度はどのように進展していくでしょうか? 「現在、公認会計士審査会で、公認会計士制度あるいは監査制度そのものについて検討が行われています。そのうち、多くの部分は来年の公認会計士法の改正や、その他諸々の制度改正につながると思います。」 −−政府の規制改革の議論をどのようにご覧になっていますか?会計基準が国際的になっていけば、資格についても、例えばアメリカのCPAなどとの資格の相互乗り入れ等も可能になるのでしょうか? 「規制緩和推進3か年計画を拝見しますと、会計の部分については、WTO(World Trade Organization 世界貿易機関)の議論を踏まえて、ある意味では、それとの整合を図るような考え方 がとられています。専門的職業サービスの自由化は、ウルグアイラウンドのモロッコ会議で決議されて、その後、WTOでの議論が続いていますが、われわれとしては規制改革委員会の動きを踏まえながら、WTOの議論がどうなっていくか、それに影響を及ぼすような各国の動きがどうなるかを注意深く見据えているところです。  海外の資格者との相互乗り入れということでは、将来的には必至ではないかと思います。」 −−ところで、日本公認会計士協会の綱紀委員会では、どのような活動をされていますか? 「新聞などで、監査あるいは決算の問題ではないかととりあげられているものについては、基本的に検討対象にしています。」 −−公認会計士が監査によって企業の内


容を把握するのであれば、現状より人手もコストもかける必要があるのではないかという声があります。これについてはどのようにお考えですか? 「われわれ協会は現在そのことを検討していますし、今後、おっしゃるような方向性を打ち出したいと考えています。これまで日本では、会計や監査はそれほど社会から注目されていなかったこともあり、われわれが、もっと時間をかける必要があると声をあげても、声無き声になって、主張が通りにくかった面がありました。ここにきて、会計や監査が注目されたこともあって、主張しやすい段階にきたものと思っています。  また監査制度を国際的な水準にしないと、日本企業そのものがもたなくなってくる時代を迎えていると思います。海外における監 査と比較すれば、業種業態で異なりますが、やはり海外の監査とは、かける時間やコストの面でかなり大きな隔たりがあります。協会としては、会員に対してまだ明確に示しているわけではありませんが、平均的にいって、監査にかける時間を、従来の倍くらいまでは増やす必要があるのではないかと考えています。時間を拡大することは、企業に対する一種の牽制になります。見る範囲が広がるほど、粉飾しようという気持ちは失われるはずですから。また範囲を広げるほど、その企業がもつリスクをより的確にとらえることができますから、監査もより効果的にできます。そういった観点から、協会としては監査の時間の拡大を考慮しているところです。」


 
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