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キャッシュフローの意味

−−国際会計基準はキャッシュフロー計算書を主要な財務諸表の一つと位置づけていることから、「キャッシュフロー経営」への転換が迫られるという言い方がよくされます。これについてはどのように思われますか? 「確かにそういう言い方がありますが、私は不思議に感じています。これまでも、企業経営においてキャッシュフローの把握は大切なことでした。そもそもキャッシュフロー計算書を作っ て初めて自社のキャッシュフローが分かるという経営者は少々問題ではないでしょうか。  ただ言えるのは、海外では、企業の評価でフリーキャッシュフロー(注5)が極めて重視されますから、キャッチアップという意味で、今までより感覚的にキャッシュフローに注意する姿勢をもつことは大切だと思います。そういう感覚をもたないと、とくに欧米のM&Aなどにおける価値判断がまったく理解できない


でしょう。  キャッシュフロー・ステイトメントは投資家など財務諸表の読者にとってはメリットが大きいと思います。キャッシュフロー・ステイトメントは、これまでも作ろうと思えば、財務諸表から作ることができたわけです。ただ公認会計士のような専門的なスキルをもたない一般の方は作ることができませんでした。ところがステイトメントという形で出されることによって一般の方が分かりやすくなるわ けです」 −−外部からその企業のことがよく分かるメリットがあるということですね。 「キャッシュフロー経営の必要性が叫ばれていることはよく理解できませんが、キャッシュフロー・ステイトメントが発表されることで、企業の内容をより理解しやすくなる。そういう面で、効果が大きいと言えるでしょう。」

注5 「フリーキャッシュフロー」 営業キャッシュフローから経常的な経営活動に必要とされるキャッシュアウトフローを差し引いた純収入。企業の収益性の評価指標。

 
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